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ニットデザイナー 広瀬光治さんインタビュー[1/2]

プロフェッショナルインタビュー 毛糸1本がつむぐ可能性を伝えていきたい ニットデザイナー 広瀬 光治さん

“ニット界の貴公子”として、テレビ、雑誌、講演など幅広く活躍中のニットデザイナー広瀬光治さん。まだ男性が編み物をするというのが珍しかった時代から、20年以上にわたりその素晴らしさを伝え続けてきた思いをうかがいました。

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プロフィール

広瀬 光治(ヒロセミツハル)

1955年1月28日埼玉県さいたま市生まれ。中学生でマフラー、手袋を編み始める。高校卒業後、水産会社に入社。経理部に勤務するかたわら、当時、西麻布にあった霞ヶ丘技芸学院にて編み物、レースを習得。1978年に日本ヴォーグ社に入社。1993年にNHK『おしゃれ工房』でテレビデビュー。1999年に日本ヴォーグ社を退社しフリーに。現在は霞ヶ丘技芸学院の院長を務めながら、テレビ、雑誌、講演など幅広く活躍中。
編み物の専門雑誌「毛糸だま(日本ヴォーグ社)」でも好評連載中!

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日本ヴォーグ社通信教育

男性でただ一人、編み物を学んでプロの道へ

Q. 編み物との出会いについてお聞かせください

私が生まれた1955年頃は、まだどこの家にも毛糸があった時代でした。
私の祖母は近所の人に頼まれて、古いセーターをほどいて毛糸玉に戻す仕事をしていたのですが、小学生のころにそれを手伝ったのが毛糸との出会いでした。

本格的に編むようになったのは中学生の時で、本を見ながら冬はミトン、夏になるとテーブルセンターなどを作っていました。でも当時はもちろん単なる趣味で、編み物を仕事にすることは考えていませんでした。

転機を迎えたのは、就職をしてから。
高校卒業後、経理として水産会社に就職したのですが、当時ストライキが多い時代で、座り込みをしている間、時間つぶしに同じ経理部の女性たちに編み物を教えていたんです。
それを見た編み物クラブの部長に誘われ、クラブに教えに来ていた編み物の先生から「専門的に勉強したら?」とアドバイスを受けて、今私が学院長をやっている霞ヶ丘技芸学院に入学することに。
これが本格的に編み物の世界に入るきっかけになりました。

Q. プロになるまでに苦労した経験、努力したことは?

学院では夜間部に所属し、働きながら週3回、4年間通いました。
課題が多かったので大変でしたが、「昼間部の人たちには負けたくない!」という気持ちで、人の倍くらいのスピードで編んでいましたね。その努力のおかげで、編物検定に挑戦した際に『技能検定協会会長賞』をいただくまでに上達しました。
その副賞が日本ヴォーグ社の「手編み通信講座」受講無料券だったこともあり、引き続きヴォーグ式の編み方も習得しながら経験を積んでいったんです。

その後、編み物雑誌に掲載されていた社員募集の記事を見つけて、日本ヴォーグ社に転職することを決めたのですが、当時編み物界は女性ばかり。私が入れば紅一点ならぬ黒一点になってしまいます。
会社側もまさか男性が応募するとは思っていなかったようで、上層部は最後の最後まで私を入社させるかどうか随分迷ったようでした。しかし最後の社長面接で、「ただ、編み物にかかわる仕事がしたいのです」と一言決意を伝えると、私の気持ちを分かっていただけたようで、無事合格。
編み物のプロとしてスタートを切ることができました。



Q. 現在のご活躍に至った経緯、エピソードをお聞かせください

入社試験のエピソードでもわかるように、男女平等と言いながら編み物業界は圧倒的な女性の世界。
いつも「広瀬君は男性だから…」という言葉がついてまわりました。
でもそれはあまり気にすることなく、雑誌の編集、編み図の制作など与えられた仕事を次々とこなしながら、ひたすら色々な技術や知識を身に付けることに集中していましたね。
編み物教室の講師を務めていた時は、母親ほどの年齢の生徒さんから「広瀬君」と呼ばれて、逆にかわいがっていただいたのを覚えています。


そんな中で、当時放送が始まったばかりのNHKの番組『おしゃれ工房』に出演することになったのです。

実は最初は、「芸能人でもない私がテレビに出るなんて…」と消極的でした。しかし周りの勧めもあり、「もっと幅広い世代の方に編み物に触れていただけるきっかけになるなら」と、出演することを決めました。

あれから20年、まさかこんなに長く続くとは思ってもみませんでしたが、
この番組への出演が間違いなく、私自身の大きな転機になったのだと思っています 。


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