[アプリ開発]キラリビト・インタビューvol.9 杉本明子さん[2/2]

─ 起業してみて、苦労したことは？

一つは制作スタッフの確保ですね。
会社を起業するにあたって、あるプログラマの方に協力してもらうことになっていたんです。その方は本当に優秀な方だったので、頼りにしていたのですが、最後の最後に折り合いがつかなくなってしまって…。これには参りました。

もう一つは、開発の管理。
スタートしたばかりの会社ですから、どんどんアプリをリリースしていかなければなりません。でも、いろいろな事情があり、アプリの開発期間が長引いてしまうこともあります。

リリースしたいのに、リリースできない。プロモーションはできているのにアプリが出せないことは、プロデューサーとしても経営者としても、とても辛いことですね。

─ では、逆に楽しかったことは？

制作スタッフ探しは今でも苦労していますが、その分、気持ちのいい方と出会い、一緒に仕事ができた時は本当にうれしいですね。

そうそう、最初は中国の若者の意識を知るためにインタビューしただけの留学生が、今ではウチの主要スタッフとして働いているんです。一緒に仕事をすればするほど、才能あふれる若者なんだと分かってきて。
彼との出会いは、不思議で運命的なものだったと思っています。本人は勉強と仕事の両立で、大変みたいですが…（笑）。
人とのつながりが、今の私を支えていることを実感しています。

また、リリースしたアプリが評価されることも、大きな喜び。
1,000人、2,000人とダウンロード数が増えていくのを見た時、ユーザーから5つ星の評価をもらった時…この仕事をしていて本当によかったと思いますね！

─ 「会社」を起業して、変わったことは？

学生の時は、自分の責任を考えずに動いていました。
でも今は、慎重になったような気がします。

私には守るものがある…それは一緒に「KOYONPLETE」を作ってきたスタッフであり、「KOYONPLETE」が持っている知識・経験でもあります。
やみくもに動くのではなく、より戦略的に動かなくてはいけないことを実感しています。

また、経営者として「利益」を出すことも重要。
最初は開発費が出ていくばかりで利益はありせんから、先が見えない不安もありました。でも今、2つの作品をリリースし、ユーザーに評価されていることで、希望が見えてきたというか…
まだまだやることは沢山ありますが、手応えを感じてきたところですね。

─ これからの目標は？

すぐそこにある目標は、利益を安定させること。
新作アプリを出したことで、売上が見えてきたので、まず、今まで一緒にがんばってくれたスタッフを安心させたいですね。

大きな目標は、アプリを通じて、日本が誇れるものや日本の良さを世界に伝えていくこと。
具体的には、スマホアプリである乙女ゲームを通じて、日本の「萌え」文化を国や政治のしがらみに関係なく、世界に広げていきたいと思っています。

「萌え」と言うと、マイナスのイメージを持つ人もいるかもしれませんが、「萌え」は日本が世界に自信を持って伝えられる、誰もが楽しめる文化だと思うんです。

自分な好きなもので、自由に世界とつながっていける。それによって日本のよさを世界に伝えていくことができる。アプリには、そんな大きな可能性があると思います。

─ 今後同じ道を目指したいと思っている方々へメッセージを！

何でもやってみる、ぶつかってみることが大切だと思います。
私自身、バンタンの先生に「Facebookをやってみたら？」と勧められた時はすぐに始めましたし、色々な人と積極的に会いました。今思えば、何にでも飛びついた、という感じですね。

ぶつかってみる。もがいてみる。「もがく」ことができるのは、学生の特権。
起業した今は、さすがに「あたって砕けろ」で動くことはできませんから。

「何かしたい」というアツい思いを原動力に、いろいろなことにトライして欲しいと思っています！