2019年、文化庁の文化審議会国語分科会において、日本語教師の国家資格化について検討がなされてきました。この記事ではその内容の一部を紹介します。新しい情報も入り次第随時紹介していく予定です。
日本語教師の国家資格化検討の背景
現在日本では、在留外国人の増加に伴う日本語学習ニーズが拡大しており、今後も更なる増加が見込まれます。
そこで、日本語教育を担う専門家としての日本語教師の質の確保及び量的拡大が重要な課題となっています。
質の高い日本語教師を安定的に確保するためには、日本語教師の日本語教育能力を判定する仕組みが必要であり、その仕組みとして、日本語教師としての資質・能力を証明するための国家資格「公認日本語教師(仮)」が検討されています。
国家資格化することによって、日本語教師の社会的な認知度や地位が向上することなども期待されています。
日本語教師国家資格化で条件はどう変わる?
今までの日本語教師になる条件は?
現在、日本の日本語学校で日本語教師として働くためには、以下のいずれかを満たす必要があります。
- 文科省届出受理講座(420時間)の修了+学士(大学卒業)
- 日本語教育能力検定試験合格
- 大学や大学院で日本語教育を学び、所定の単位を修得し卒業
このいずれかを満たしていれば、法務省告示基準の教育要件を満たす者として、国内の日本語学校で日本語教師として働くことができます。(※)
※外国の日本語学校や留学生以外に日本語を教える機関で働く場合は法務省の告示基準を満たす必要はありません。
国家資格化するとどうなる?
現時点では、国家資格を取得するには以下の条件をすべて満たすことが案として提出されています。
- 日本語教育能力を判定する試験に合格
- 教育実習の履修
- 学士(大学卒業)
以前からの大きな変更点としては、学士(大学卒業)を必須にするという点になります。
やはり国家資格化に伴い、今までの基準よりハードルを上げることが検討されているようです。
ただしこれらはあくまで検討段階なので、確定ではありません。今後変更される可能性もあります。
現在、法務省告示基準の教員要件を満たしている人はどうなる?
すでに文科省届出受理講座(420時間)の修了や日本語教育能力検定試験を合格している方など法務省告示基準の教員要件を満たしている人は、一定の移行期間を設け、公認日本語教師(仮)として登録を行えるようにすること・実務経験のない方に関しては、登録要件として教育実習を履修することが検討されています。
国家資格化についてはまだ検討段階のため、日本語教師を目指している方は、今から文科省届出受理講座(420時間)の修了や日本語教育能力検定試験合格をしておくことも1つの手かもしれません。
日本語教師国家資格化の今後は?
令和元年11月13日(水)〜令和元年12月13日(金)の間、文化庁によって国民への意見募集を行われました。 今後はこの結果を元に、再度内容が検討されていくこととなりそうです。
シカク情報部では、新たな情報が入り次第更新していきたいと思います。
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参考
文化庁:日本語教師の資格の仕組みイメージ(案)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kyoiku/ikenboshu/
nihongoiken_hanteihoukoku/pdf/r1422584_02.pdf
文化庁:日本語教育能力の判定に関するワーキンググループの検討状況(案)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/nihongo_kyoiku_wg/04/
pdf/r1421325_02.pdf
文化庁:「日本語教育能力の判定に関する報告(案)」についての意見募集の実施について
https://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kyoiku/ikenboshu/
nihongoiken_hanteihoukoku/index.html