住民の安全を守る仕事として憧れている方も多い警察官。29歳まで受験が可能なので、中には社会人から警察官への転職を目指す方も珍しくないようです。
警察官は公務員であるため、その職に就くためには各都道府県で実施される採用試験に合格する必要があります。
大卒・高卒による目指し方の違いは?警察官の試験とは?など気になる警察官の情報をチェックしてみましょう!
警察官になるためには、採用試験を受けることが必要!
警察官になるための試験には、警察庁(国家公務員)の採用試験と各都道府県が実施する採用試験とがあります。
ここでは、学生の方と社会人の方の警察官のなり方をそれぞれご説明します。※警視庁警察官採用試験の場合
高校生
高卒程度試験を受験、もしくは短大・大学へ進学した後に、該当する程度の試験を目指すのがよいでしょう。
短大生
短大卒程度試験を受験するのがよいでしょう。
大学生
大卒程度試験を受験するのが一般的です。
高卒、短大卒、大卒程度
第1次試験の時点で30歳未満であれば、受験可能です。
希望する程度の試験に挑戦しましょう。
※上記のように受験されるのが一般的ですが、「高卒程度」「短大卒程度」「大卒程度」は試験の難易度を示すものであり、必ずしも相応の学歴を必要とするものではありません。詳しくは各都道府県にお問い合わせ下さい。
警察官になるのに資格は必要?
基本的には、受験までに取得しておかなければならない資格や免許はありません。
警察官の学校とは?
警察官の学校として一般的に知られているものが二つあります。一つは、警察官を目指すための、採用試験対策の学校です。もう一つが、採用後に入校することになる警察学校です。警察学校は、実際の勤務に備えた研修を行うための学校ですので、このページでは試験対策の学校(講座)をご紹介しています。
高卒程度と大卒程度、試験区分による違いは?
各都道府県の採用試験の場合、高卒・大卒・短大卒程度どの採用区分でも「巡査」からスタートします。その後巡査長、巡査部長、警部補、警部、といったように昇任できる制度となっていますが、採用区分によって昇任に必要とされる勤務期間が異なります。
採用試験の大きな違いは、必要とされる学力の程度にあります。また、採用予定人数がV類は男性300名女性120名であるのに対し、T類は男性720名女性120名となっているなどの採用人数の違いもあります。
※警視庁 令和2年度採用案内による。
試験の難易度は?
警視庁の試験の倍率は、V類の男性12.3倍女性15.6倍。T類の男性 4.9倍女性 9.0倍となっており、競争に勝てるようしっかり試験対策をしておく必要がありそうです。
※警視庁警察官採用試験(令和元年度)
試験対策の方法は?
筆記試験の対策は独学でも可能ですが、その場合自分で試験の傾向や教材について情報収集したりする必要があります。
効率的に、確実に合格を目指したい、という方は専門のスクール(予備校)を利用することをおすすめします。講座の場合、大体6ヶ月、長くても1年前後で対策が可能です。また、スクールによって割引制度もありますので、資料で確認しましょう。
試験に受からなかった場合は?
残念ながら試験に落ちてしまった場合は、気持ちを切り替えて次回の試験での合格を目指しましょう。警察官の採用試験は、受験資格の年齢の上限を越えない限りは再受験が可能ですので、次に向けて対策をスタートするのがよいでしょう。
再受験となると更に費用がかかりそうだけど?
スクールを利用していた場合、再受験に向けてもう一度勉強する方に向けて「再受験割引」として受講の割引を実施しているスクールがあります。
スクールに確認してみましょう。
警察官とは、地域に起こりうる様々な事件や犯罪に立ち向かい、地域の安全を実現する役割を担っています。
どのような仕事があるのか部門別にチェックしてみましょう。
※地域によって部門の名称や分類が異なりますので、詳細については各機関にお問い合わせください。
地域部門 | 交番、パトロールカーなどで活動し、地域の住民の安全を守る役割を果たしています。 |
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生活安全部門 | 安全・安心な町づくりを目指し、悪質商法、風俗、少年犯罪の取締りなどの業務を行います。 |
刑事部門 | 事件解決のため、犯罪の捜査、犯人の検挙などを行うのが刑事部門です。部門内でも担当する業務によって区別があり、それぞれが連携しながら捜査を行います。 |
交通部門 | 交通事故の防止を目指し、指導・取り締まりを行います。 |
警備部門 | 事件や事故を防ぐため、警備を行う部門です。イベントでの混雑による事故の防止、災害時の被災者の救出、など幅広い現場で活躍します。機動隊もこの部門です。 |
警察官の試験は、都道府県ごとに実施されるため、申込み先や日程、試験問題などがすべて異なります。
しかし、基本的な採用の手順と試験の内容は同じです。
警察官試験データ
警視庁警察官採用試験
●年齢・学力
I類 (大学卒業程度) |
30歳未満で大学(学校教育法による)を卒業又は試験の翌年3月までに卒業見込みの人 |
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21歳以上30歳未満で大学卒業程度の学力を有する人 | |
II類 (短大卒業程度) |
※U類試験は平成30年以降、選考実施されていません 30歳未満で短期大学(学校教育法による)を卒業又は翌年3月までに卒業見込みの人 |
※U類試験は平成30年以降、選考実施されていません 19歳以上30歳未満で短期大学卒業程度の学力を有する人 |
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III類 (高校卒業程度) |
30歳未満で高校(学校教育法による)を卒業又は翌年3月までに卒業見込みの人 |
17歳以上30歳未満で高校卒業程度の学力を有する人 |
●身体要件
項目 | 男性 | 女性 |
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身長 | おおむね160cm以上であること | おおむね154cm以上であること |
体重 | おおむね48kg以上であること | おおむね45kg以上であること |
視力 | 裸眼視力が両眼とも0.6以上であること。ただし、これに満たない場合は、両眼とも、裸眼視力がおおむね0.1以上で矯正視力が1.0以上であること | |
色覚 | 警察官としての職務執行に支障がないこと | |
聴力 | 警察官としての職務執行に支障がないこと | |
疾患 | 警察官としての職務執行上、支障のある疾患がないこと | |
その他身体の運動機能 | 警察官としての職務執行上、支障のある疾患がないこと |
※次のいずれかに該当する人は、受験できません。
日本の国籍を有しない人
地方公務員法第16条に規定する欠格条項に該当する人(採用試験申込書裏面に記載してあります。)
●第1次試験【筆記試験】
警察官として必要な一般教養および政治、社会、法律、経済等の知識について、試験の類別に応じた次の筆記試験を行います。
教養試験(五枝択一式、50題、2時間) | <知能分野>文章理解、判断推理、数的処理、資料解釈、図形判断 <知識分野>人文科学、社会科学、自然科学、一般科目(国語、英語、数学) |
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論(作)文試験 | 課題式の論(作)文試験を行います。(1題、1時間20分) |
国語試験 | 職務に必要な国語力について記述式試験を行います。 【資格経歴等の評定】 所持する資格経歴等についての評定を行います。 【第1次身体検査】 身長測定、色覚検査、聴力検査を行います。 【第1次適性検査】 警察官としての適性について、マークシート方式により検査を行います。 |
●第2次試験【面接試験】
人物についての面接試験を行います。
第2次身体検査 | 警察官としての職務執行上、支障のある疾患の有無等について検査を行います。 |
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第2次適性検査 | 警察官としての適性について、記述式等の方法により検査を行います。 |
体力検査 | 職務執行上必要な体力の有無について検査を行います。 |
性別、試験区分によって異なります。
・T類 男性 4.9倍 女性 9.0倍
・V類 男性 12.3倍 女性 15.6倍
※令和元年にU類試験は実施していません。
(令和元年度)
なし
警視庁採用センター
TEL 0120-314-372(平日8:30〜17:15)
警察官になるまでのスケジュール(警視庁の場合)
採用までの大まかなスケジュールをチェックしてみましょう。
共同試験とは
男性の募集には「共同試験」という特殊な制度が導入されています。これは、複数の県が共同で一次試験を行う制度で、例えば1つの県で不合格になっても他の県で合格する可能性があるというもの。採用先にこだわらず、警察官になりたいという人にとって、うれしい制度です。