[アプリ開発]キラリビト・インタビューvol.9 杉本明子さん[1/2]

─ スマホアプリに興味を持ったきっかけは？

高校を卒業した後に、中国とアメリカに留学。アメリカから日本に帰国する時、友人からオンラインゲームを勧められたのが最初の一歩でしたね。
それまでは、まったくゲームをしたことがなかったのですが、すっかりハマってしまいました（笑）。

勧めてくれた友人とはもちろん、オンラインで知り合った中国やイギリスの人たちと、ゲームを通してコミュニケーションできるのが楽しかったし、驚きでもありました。「国」という大きなしがらみや国境を超えて、世界中の人たちと気軽に交流できることは、衝撃でしたね。

当時は、まだFacebookのようなソーシャルメディアが一般的ではなかった頃。
「オンラインの中には、こんな自由な世界があるんだ」ということに感動したし、これが私のやりたかったことだと感じました。

あまりにもハマり過ぎて、親には心配されてしまいましたが…（笑）。

─ オンラインゲームから、どうしてスマホアプリに？

その後、オンラインゲーム制作会社に翻訳者として入社し、日本で制作したゲームを中国で展開する際の窓口などを担当していました。

でも、だんだんと「自分で何かを発信したい」という気持ちがわいてきて。
その時は会社を辞めるつもりはなかったのですが、東日本大震災を経験したことで、「いつ何があっても悔いのない生き方をしたい」と思ったんです。

その時は、自分は何をしたいのか決まっていませんでしたが、何かをクリエイトするならプログラムを学んだ方がいいと思い、会社を辞めてスクールに通うことに。
バンタンでスマホアプリ制作を勧められたのが直接のきっかけになりました。

─ スマホアプリで事業を立ち上げることになったきっかけは？

起業のきっかけは、バンタンで、あるクラスメイトと出会ったこと。

私も彼女も、アジアというマーケットに日本の「萌え」文化を伝えたいという同じ思いを持っていたんです。じゃあ一緒に何かやってみようと、軽いノリで個人事業を始めました。

個人事業を始めるために必要な、サイトや名刺などは、同じバンタンで学ぶ学生が作ってくれました。みんなが自分の得意分野を持っているし、その力を無料で提供してくれたんです。

バンタンで会ったみんなの協力のおかげで「KOYONPLETE（コヨンプリート）」の活動がスタートしました。
その時は、自分が「会社」を作るなんて、まったく想像もしていませんでした。

─ どうして「会社」を起業することになったんですか？

バンタンの先生の勧めで始めたFacebook上で、若い起業者を支援するセミナーに誘われたんです。参加したセミナーにパネリストとして参加していた「日本から一つでも多くの世界に通じるベンチャーを」と起業支援している方と会ったことが直接のきっかけになりました。

何度かお会いし、日本の「萌え」文化をアプリというカタチで世界へ伝えたいという思いを伝えるうちに、「じゃあ、共同出資して会社を起業しましょう」という話になって…。
その頃、アプリを作りたいという人はたくさんいましたが、「中国」というマーケットと「萌え」という要素が新鮮だったのかもしれませんね。

結果、4月にバンタンに入学して6月には個人事業をスタート、10月には会社を設立することになりました。
こう言ってしまうと「すんなり会社を起業できた」と思うかもしれませんね。でも、実際は悩みに悩み、苦しんだこともあるんです。