企業の経営状態を様々な観点から判断し、企業経営の健全化をジャッジする中小企業診断士。特別な職域を持たないジェネラリスト、総合職として活躍が期待されるこの資格を取得すれば、企業内での活躍はもちろん、コンサルタントとして独立する道も開けます。その独立の道を30歳で切り開いた橋本健志さん。資格取得のための効果的な勉強法、「やりかた次第で、いろんなことができる!」という仕事のおもしろさについてうかがいました。
橋本 健志(ハシモト タケシ)
大手人材ビジネス会社社員時代に中小企業診断士の資格を取得。同社に約10年間勤務した後、株式会社ヒューマンビジネス・コンサルティングを設立。
コンサルティング業務のほか、地域活性化プロジェクトにも参画し、商店街を中心とした街づくりを支援。
自身が卒業した
日本マンパワーで「中小企業診断士講座」の講師も務めている。
近著に『中小企業診断士一次試験のための完全正解1,800問必須ドリル』(共著/日本マンパワー出版)などがある。
Q. 中小企業診断士を目指したきっかけはなんですか?
前職はある大手派遣会社に勤めていたのですが、当時、急成長していた新興業界ということもあり、比較的若い時から営業所の長という立場で責任ある仕事を任せてもらっていました。でもあるときから、「名刺を置いたら、自分の武器と言えるものはなにもないんじゃないか?」と思い始めて。
このままではいけない、何か手に職をつけたいと思い立ち、資格をとることにしたのです。
せっかく取るなら国家資格、それもサムライ業(士業)の資格が良いと思い調べてみたのですが、高卒の自分がトライできる資格は、当時行政書士と中小企業診断士くらい。選択の余地はあまりありませんでした。
でも、この2つなら中小企業診断士の方が自分にも合っていて面白そうだと感じたので、挑戦することにしたのです。
こうしてトライすることになった中小企業診断士ですが、資格を取ってから先のことは、実はあまり考えていませんでした。会社にも活かせそうだし、自分自身の仕事の広がりも出るんじゃないか……それくらいの気持ちだったのです。
Q. 中小企業診断士資格合格までのエピソードを教えてください。
やる気満々で始めた中小企業診断士の勉強ですが、想像していた以上に大変でした。1次試験は7科目あるのですが、その1科目めを学習している最中に、スクールの自習室で2次試験の勉強をしている方が分厚いテキストを積み上げているのを見て。「ああ、すごいところに飛び込んでしまったな」と、最後までやり遂げる自信を一瞬失くしそうになりました(笑)。
そこで途中で挫折しないよう、ちゃんと計画をたてて勉強することにしました。
まずエクセルで表を作り、平日は1日3時間、週末は土曜日6時間、日曜日7時間というふうに、学習スケジュールを組んで実行しました。日々勉強していると、やる気のある日と、どうしてもやる気が出ない日ができてしまいますが、こうして計画を立てて淡々とこなしていくと、モチベーションに関係なく勉強を続けることができ、やがてそれが習慣化していきます。
とはいえ、最初はなかなか辛いものがありました。自分の中でこの勉強法が習慣化するまでに約1カ月くらいかかりましたね。
でもおかげでくじけることなく、無事合格まで進むことができました。
Q. 合格してから独立するまでの道のりについて教えてください。
資格取得後は、せっかく取った資格を活かそうと経営会議で提案をしてみたのですが、私の説明も下手だったのでしょう、なかなか意見を聞いてもらうことはできませんでした。
しかし、「この人材派遣という業界はこれから大きな動きをするはず。変化は必要になるはずだ」という思いは変わらず、会社を出て業界向けのコンサルティング会社を作ろうと決心したのです。
起業するにあたって一番考えたのは、自分が目指すところにすでに他社がいるかどうか。
幸いなことに派遣業界で10年の経験がある中小企業診断士がやっているコンサルティング会社は他にはなく、それが自分の強みになると考えました。
しかし、現実は甘くない。
営業の準備をすることなくいきなり起業したせいで、まったくの売上ゼロからのスタートになってしまいました。それでもやると決めたからには、止まるわけにはいきません。がむしゃらに営業に走り、2か月後に初仕事を取ることができました。そのときは、「自分がやりたい仕事はこれだったんだ!」と実感できてうれしかったですね。
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