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大学院とは?大学との違いや修士と博士の違い、大学院に行くメリットを解説

大学院とは?大学との違いや修士と博士の違い、大学院に行くメリットを解説

日本では大学卒業後は就職に進む人がほとんどですが、大学院に進むという選択肢もあります。本記事では「大学院と大学は何が違うの?」「修士と博士の違いとは?」「大学院にいくメリットは?」など、大学院の基本的な情報を分かりやすく解説していきます。

更新日:2024-12-24(公開日:2024-12-24)

大学院とは?

大学院とは大学で学ぶ内容よりもさらに踏み込んで、専門的な研究を行うための場所です。

学校基本法では下記のように定義されています。

大学院は、学術の理論及び応用を教授研究し、その深奥をきわめ、又は高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培い、文化の進展に寄与することを目的とする。
(学校教育法第65条第1項)

大学の学部ではその分野の基礎を学びますが、卒業した後「もっと専門的な知識を得たい」「より深く研究したい」と思った時には大学院に進学することができます。また、学部を卒業してすぐ進学する人だけではなく、社会人で「学び直し」のために進学する人もいます。

大学院と大学の違い

前述した通り、大学では広く教養や専門分野の基礎知識などを学ぶのに対して、大学院はさらに専門的な知識を深化して学び研究することを目的としています

取得できる学位にも違いがあり、大学は4年間の期間で学士を、大学院では修士課程2年で修士、博士課程3年で博士学位をそれぞれ取得できます。

学位とは定められた期間、専攻分野の学業を修めたことを証明する称号です。日本の就職は「学士」が条件になることが多いですが、海外では「修士」以上の学位を求められることも多くあります。

大学院の種類

日本の大学院には大きく分けて2つの種類があります。研究者の育成を行う研究系大学院と、職業人の育成を目指す専門職大学院です。

また研究系大学院は中でも3種類に分かれます。順番に解説していきましょう。

研究系大学院

研究系大学院は、専門分野の研究を行い、各分野の研究者育成を目的とする大学院です。日本の大学院の多くは、研究系大学院に当たります。

研究系大学院では専門分野の研究を行い、最終的には修士論文や博士論文などにまとめ発表を行います。

これらの研究系大学院はさらに以下の3つに分類されます。

  • 学部を持つ大学の大学院
  • 大学院大学
  • 独立研究科

順番に見ていきましょう。

学部を持つ大学院

一番メジャーなのは、大学の学部の上位機関として研究科を持つ大学院のことです。学部の上位研究機関として位置付けられた大学院では、大学の学部で身につけた知識を元にして、大学院でこれをさらに発展させることで専門的な教育や研究を行います。

たとえば大阪大学では、多くの学部に上位機関として「研究科」があります。大学に「経済学部」があれば大学院に「経済学研究科」、大学に「人間科学部」があれば大学院に「人間科学研究科」といったようにです。

大学院大学

2つ目は大学の学部組織を一切有しない、大学院のみの機関である「大学院大学」です。学部がないため、学部を持つ大学院と比べて学生数が少ないのが特徴です。

国公立であれば「総合研究大学院大学」や「情報科学芸術大学院大学」、私立は「国際大学」や「情報セキュリティ大学院大学」などが設置されています。

独立研究科

3つ目は「独立研究科」です。大学の上位機関として設置された大学院内に設置されているものの、基礎となる学部組織を持たない機関を指します。一般的な学部の分野にとらわれず、複数の分野を融合させた研究を行っているケースが多いです。「文理融合型」や「情報系」「国際関係」などが例として挙げられます。

具体的には東京大学大学院の「新領域創成科学研究科」や京都大学大学院の「情報学研究科」など様々な独立研究科が設置されています。

専門職大学院

一方、社会的・国際的に活躍できる「高度専門職業人」を養成するため、平成15年度に創設されたのが「専門職大学院」です。専門職大学院はより専門的で実務的な能力を持つプロフェッショナルを育成することを目的としており、研究機関である大学院とは目的が異なります。

たとえば裁判官や弁護士を目指す「法科大学院」や教員を養成する「教職大学院」、MBA(経営学修士)を取得するための「経営大学院」などが専門職大学院に当たります。

研究系の大学院と違い、卒業に論文を必要としないのも特徴です。研究系の大学院と比べると、より実務的な専門知識や能力が期待されています。

修士課程と博士課程の違い

大学院には修士課程と博士課程の2種類の課程があり、それぞれ課程を修了することで「修士(Master)」「博士(Doctor)」の学位を得ることができます。

順番に解説します。

修士課程

修士課程は博士課程前期とも呼ばれ、研究者としての基礎を学ぶ課程です。必要な年限は原則2年で、卒業後は就職するかもしくは博士課程に進みます。海外では就職の要件として修士を要求するケースも多いです。

専門職大学院は修士課程のみで、卒業後はその分野の専門職に就きます。

博士課程

博士課程は博士課程後期とも呼ばれ、修士課程を修了後本格的に研究者としての道を進む時に進学します。必要な年限は3年で、卒業すれば最高学位である「博士(Doctor)」を取得することができます。最高学位だけあり、海外でも高く評価されています。

大学院に進学しないと取得できない資格

資格の中には、大学卒業では取得できず、大学院を修了することで初めて取得できる資格や受験資格を得られる資格があります

たとえば「教員専修免許状」や「MBA(経営学修士)」は大学院の一定のカリキュラムを修了し、修士の学位を有することで取得できます。「臨床心理士」や「司法試験」は大学院を修了することで受験資格を得られます。(司法試験は他にも司法試験予備試験に合格することで受験資格が得られます)

また、「公認会計士」「税理士」「弁理士」といった資格は大学院を卒業することで、試験科目の一部が免除されます。

大学院に進学するメリット

では、具体的に大学院に進学するメリットはどのようなものがあるのでしょうか?いくつか例をあげて紹介します。

より専門的な研究ができる

何と言っても、大学と比べるとより専門的な研究ができるのは大きなメリットでしょう。大学は学部に分かれるとはいえ、一般教養科目も多く、もっと深く研究したいと思っても卒業までの時間が足りないことがあります。

大学院は大学に比べて人数も小規模ですし、より集中して自身の専門分野に特化した研究を行うことができます。

人脈が広がる

大学院では、同じ分野に興味を持つ人とのコネクションを作ることができます。

専門的な研究をする上では、同じ土俵で専門知識について語り合える友人がいるというのは非常に重要ですし、また違う目線からの新鮮な切り口で自身の研究に刺激を与えてくれるかもしれません。またゼミでは先輩と関わる機会も多いので、関係性を作っておけば卒業後の進路などについても新しい視点や情報を得ることができるでしょう。

加えて大学院の研究コミュニティは非常に結束が固いと言います。同じ研究分野に進んだ先輩から思わぬ情報が得られたり、就職先を紹介してもらえるかもしれません。

院卒を要件とした就職先に応募ができる

また大学院を卒業すれば、院卒を要件とした先に応募することができます。海外の大学や仕事も見つけやすいですし、国内でも修士を要件としている企業は理系に多い傾向にあります。

就職する際に選べる企業が多いのは魅力的です。

初任給が上がる

大卒と院卒では、院卒の方が初任給が高くなる傾向にあります。分野や企業にもよりますが、より専門的な知識を有している分、高く設定している企業も多いでしょう。

大学院に進学するデメリット

では反対に、大学院に進学するデメリットにはどのようなものがあるでしょうか。こちらも幾つか例をあげて紹介します。

社会に出るタイミングが遅れる

まず修士課程は2年、博士課程は3年と長期にわたるので、学部卒と比べて社会に出るタイミングが遅れてしまうことが挙げられます。仮に修士を終えて就職した時には、学部卒生はすでに3年目になっており、企業に入ると経験の差を感じてしまうかもしれません。

また周りの友人が社会に出て働いている中で学生をしていると、学部の同級生と会った時に周りの会話についていけず疎外感を感じてしまう可能性があります。

金銭的に負担がかかる

単純に学生期間が延びるため学費がかかるという問題もあります。また大学院生は学部生と比べると忙しいもの。研究に時間を割くため、アルバイトもあまりできないという人も少なくありません。

学費を奨学金で工面した場合、返済期間も延びるので、あらかじめシミュレーションなどをして金銭的に大丈夫かを確認することは大切でしょう。

大学院の入試

次に大学院の入試について説明します。

大学院の入学資格

修士課程・博士課程(前期)には下記をはじめとした入学資格が定められています。

大学を卒業していれば入学資格はありますが、自分が当てはまっているか不安な方は受験したい大学院に問い合わせると良いでしょう

大学院の入試

大学院の入試は「一般入試」と「社会人入試」の2種類が一般的です。大学院によっては「推薦入試」を設けている大学もあります。

大学院は春(4月)入学と秋(9月)入学があるところが多く、試験も春と秋の2回行われます。

一般入試

一般入試では、自己推薦書や研究計画書、学部での成績による書類審査に加えて、面接や口頭試問、小論文、語学、専門科目などの試験が行われます。中でも一番重要なのが「研究計画書」です。

研究計画書はあなたが「大学院でどのような計画で研究を行うのか」を大学院側に知ってもらうためのものです。計画なので入学後にも調整や変更が加えられるのは問題ありません。入試の時点で「あなたが大学院でやりたい研究がどういったものか」「それは大学院にとって価値がある研究なのか」、また研究計画書から論理的思考力を確認するといった意味もあります。

社会人入試

社会人入試では、語学や専門科目などの試験が省略され、社会人の負担が軽減されているのが一般的です。その代わり受験資格には、企業などへの一定期間の勤務経験が条件とされている場合が多いです。

入試内容は書類審査、面接、小論文などが中心ですが、一般入試と同様に研究計画書が重要になるのは変わりません。

推薦入試

推薦入試は、学部在学中の成績などを中心に選考する入試方式です。他大学の学部からの受験も可能で、教授の推薦書が必要となります。一般入試と違い、語学や専門科目の試験が必要なくなりますので、その時間を大学での研究時間に当てることができるのが魅力の一つです。

大学院進学にかかる費用

大学と大学院では、在籍期間も費用も変わります。また、国公立に進むか、私学の大学院に進むかどうかでも学費は大きく異なるので、事前に確認が必要です。

国立と私立の参考価格を記載します。

【国立大学院(大学院の研究科)の場合】

授業料の年額 入学料 検定料
535,800 282,000 30,000

(引用元:e-Gov法令検索『国立大学等の授業料その他の費用に関する省令』より)

【私立大学大学院の場合】

授業料 入学料 施設設備費
博士前期課程 798,465 201,752 75,589
博士後期課程 604,592 192,686 49,733
専門職学位課程 1,067,207 194,492 55,762

※この他に専門によって実験実習料などがかかります。
(引用元:文部科学省『私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について』より)

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まとめ

本記事では、大学院とは何か、大学院の種類、進学するメリット・デメリット、入試方法などについて詳しく解説しました。大学院進学は、専門性を深め、研究者や高度な専門職を目指す上で重要なステップです。
この記事が進路選択・大学院選びの参考になれば幸いです。

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