脱炭素アドバイザーとは?環境省認定の資格制度を解説
脱炭素アドバイザーとは?
脱炭素アドバイザーとは、企業や自治体の脱炭素化を専門的に支援する知識を持った資格の保有者を指します。
温室効果ガス(GHG)排出量の算定、削減計画の策定、脱炭素経営の推進など、2050年のカーボンニュートラル実現に向けた幅広い知識を有しているのが特徴です。
金融機関の職員、経営コンサルタント、会計士・税理士、自治体職員、事業会社の環境担当者など、多様なビジネスパーソンがこの資格を取得して活躍しています。
2023年9月に環境省が本格運用を開始した新しい資格制度で、企業の脱炭素経営を人材面から力強くサポートする重要な役割を担っています。
なぜ今、脱炭素アドバイザーが求められるのか
政府の「2050年カーボンニュートラル宣言」を受け、あらゆる企業にとって脱炭素化が急務となっています。
現在、大企業を中心としたサプライチェーン全体での温室効果ガス排出量の把握(Scope3の算定など)が求められており、その波は中小企業にも波及しています。
しかし、多くの中小企業は深刻な「専門人材不足」に直面しているのが実情です。
排出量の算定、削減目標の設定、設備投資の判断、資金調達など、脱炭素化には多岐にわたる高度な知識が必要です。
一方で、外部のコンサルティング等に委託した場合、サービス品質にバラツキが生じやすいという課題もありました。
こうした背景から、企業が安心して相談できる「信頼できる専門人材を見える化」する仕組みの必要性が高まり、環境省の主導で「脱炭素アドバイザー制度」が創設されました。
脱炭素アドバイザーは国家資格?
環境省認定の民間資格
脱炭素アドバイザーは国家資格ではなく、環境省が認定する民間資格です。
環境省が定めた「脱炭素アドバイザー資格制度認定ガイドライン」に基づき、一定の基準を満たした民間事業者の資格制度を認定する仕組みとなっています。
そのため、環境省が直接試験を実施するわけではありません。
「GX検定」や「サステナブル経営サポート」など、認定を受けた複数の民間資格のいずれかを受験して合格する必要があります。
見事合格すると、「環境省認定制度 脱炭素アドバイザー」という呼称を名刺に記載することが可能です。
国家資格ではないものの、環境省のお墨付きを得た公的な信頼性が付与されるため、ビジネスの現場で評価されています。
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脱炭素アドバイザーの3つの種類と違い
脱炭素アドバイザー制度は、対象者の知識レベルや実務における役割に応じて「ベーシック」「アドバンスト」「シニアアドバイザー」の3つのレベルに分類されています。
現場でのコミュニケーションを主目的とする基礎レベルから、経営戦略に深く関わる最上位レベルまで、段階的に専門性が高まる仕組みです。
自身の現在のスキルや目的に合わせて、最適なレベルを選択することが重要です。
ベーシック(基礎知識・対話レベル)
脱炭素アドバイザー ベーシックは、脱炭素に関する基礎知識を持ち、顧客企業との対話ができるレベルです。
気候変動対応の必要性、脱炭素経営の重要性、温室効果ガス排出量削減の基本的な考え方を説明でき、企業からの相談内容を適切に把握できる能力が求められます。
主な対象者は金融機関の営業職員、コンサルタント、自治体の中小企業支援担当者など、顧客とのコミュニケーションの最前線に立つ人材です。
制度開始時に最も早く認定がスタートしたレベルであり、10個以上の民間資格が認定されています。
最も取得しやすい入門レベルの資格として人気を集めています。
アドバンスト(実務・算定レベル)
脱炭素アドバイザー アドバンストは、温室効果ガス排出量の詳細な算定や、削減計画の立案など、より専門性の高い実務支援ができるレベルです。
自社のScope1・2だけでなく、サプライチェーン全体(Scope3)の排出量計測手法、SBT(科学的根拠に基づく目標)やTCFD(気候関連財務情報開示)などの国際基準にも対応できる知識が求められます。
主な対象者は、企業の環境・サステナビリティ担当者や、コンサルタントの実務担当者などです。
すでに複数の民間資格が環境省から認定を受けており、脱炭素化を推進する「実務の即戦力」として企業から高く評価されています。
シニアアドバイザー(経営戦略レベル)
脱炭素シニアアドバイザーは、企業の脱炭素経営全体を俯瞰し、経営戦略や投資判断、情報開示など上流工程も含めて高度な助言を行える最上位レベルです。
財務面を考慮した設備投資の検討、経営方針への脱炭素の反映、資金調達戦略、政策提言や大規模プロジェクトマネジメントなど、経営者目線での戦略的アドバイスが求められます。
主な対象者は経営コンサルタント、会計士・税理士、企業の経営企画部門の幹部などです。
2026年2月に初めて1社がこのレベルとして認定され、最も取得難易度が高く、市場価値の高い資格として位置づけられています。
どのレベルを選ぶべき?
「自分はどのレベルの脱炭素アドバイザー資格を選ぶべきか」迷った際は、以下の3つの判断軸を基準に選んでみましょう。
- ステップ1:現在の「知識レベル」は?
- ステップ2:対象となる「顧客層(対話の相手)」は?
- ステップ3:業務での「具体的な活用目的」は?
以下の図を参考にしながら、自分に合った資格レベルを選んでみてください。
迷ったときは「ベーシック」から取得し、実務経験を積みながら「アドバンスト」へステップアップしていくのがいいでしょう。
脱炭素アドバイザー ベーシックの認定資格一覧
脱炭素アドバイザー ベーシックレベルには、本記事作成時点で13の民間資格が環境省に認定されています。
それぞれの資格は運営団体、対象者、試験内容、費用が異なるため、自分の業種や目的に合った資格を選ぶことが重要です。
以下、各資格の特徴を詳しく解説します。
| 資格名 | 主な対象者 | 特徴 |
|---|---|---|
| GX検定 ベーシック | 全ビジネスパーソン | 最も汎用性が高く、初学者にもおすすめ |
| サステナブル経営サポート | 金融機関の営業職員 | 最安価。顧客への脱炭素支援向け |
| サステナビリティ・オフィサー | 金融機関職員・大規模店舗担当者 | Scope3や国際基準(SBT/TCFD)もカバー |
| SDGs・ESG金融 | 金融機関職員 | SDGsとESG金融を包括的に学べる |
| 炭素会計アドバイザー資格3級 | 実務スキルを身につけたい方 | 講習必須。上位級へのステップアップ前提 |
| JCNAカーボンニュートラル・アドバイザー | コンサル・自治体・環境担当者 | 中小企業支援など実務直結の知識が豊富 |
| GXエキスパート検定 3級 | GXに取り組む企業の担当者 | GXの専門家としてのキャリアパスが明確 |
| アスエネアカデミー 基礎検定 | 実務で脱炭素を推進する方 | eラーニングで実践的な内容を学習可能 |
| グリーンマイスター検定 | 環境コンサル・CSR担当者 | 循環型経済など環境課題全般を網羅 |
| 脱炭素支援アドバイザー検定 | 中小企業診断士・商工会議所など | 補助金活用など中小企業支援に特化 |
| 脱炭素ベーシック検定 | 初学者・新任の環境担当者 | 基礎から網羅的に学べるエントリー資格 |
| GXアクション・アドバイザー | 経営企画・人事・CSR部門 | 組織のGX推進やステークホルダー対話に強み |
| カーボンニュートラルマネジメント検定 | 環境監査員・管理職層 | PDCAを回し継続的に推進する管理能力を習得 |
サステナビリティ検定「サステナビリティ・オフィサー」
一般社団法人 金融財政事情研究会が運営する、金融機関職員や企業の環境担当者向けの資格です。単なる基礎知識に留まらず、企業が脱炭素戦略を策定し、外部へ情報を開示するための実践的な知識を問います。
自社だけでなくサプライチェーン全体(Scope3)の排出量算定手法、さらにSBT(目標設定)やTCFD(情報開示)といった国際基準を体系的に学べるのが強みです。
データ分析能力と戦略的な思考力を養いたい方に最適です。
受験費用は10,000円程度が目安となります。
サステナブル経営サポート
株式会社 経済法令研究会(銀行業務検定協会)が運営する、主に金融機関の営業担当者に向けた資格です。
受験費用が4,950円と、ベーシックレベルの中で最も安価(2026年5月現在)に設定されている点が大きな特徴です。
取引先のサステナビリティ推進を支援するために必要な基礎知識を効率よく習得できます。温室効果ガス(GHG)排出削減の必要性を論理的に説明し、顧客と適切な対話ができるレベルを目指します。金融機関の営業現場で、顧客企業への「最初のアプローチ」を強化したい方に推奨されます。
SDGs・ESG金融
株式会社 銀行研修社(一般社団法人 金融検定協会)が運営する資格です。最大の特徴は、脱炭素だけでなく「SDGs(持続可能な開発目標)」全体を包括的に学べる点にあります。
環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)の観点から企業を評価する能力を養い、グリーンファイナンス等の提案に必要な知識を習得できます。
脱炭素を単発の課題としてではなく、企業のサステナブル経営全般の文脈で深く理解したい金融機関職員やコンサルタントに適しています。
炭素会計アドバイザー資格3級
一般社団法人炭素会計アドバイザー協会が運営する、温室効果ガス排出量算定の専門知識を習得できる資格です。
最大の特徴は、「講習受講が必須」であり、「3級→2級→1級の段階的取得(飛び級不可)」がルールとなっている点です。
環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)の観点から企業を評価する能力を養い、グリーンファイナンス等の提案に必要な知識を習得できます。
受験費用は14,600円(講習料含む)とベーシックの中ではやや高額ですが、体系的な講習プログラムがセットになっているため、確実な知識定着が期待できます。
Scope1・2だけでなくScope3の算定方法やISO14064などの国際基準にも対応しており、合格率も約80%と高水準です。
将来的に上位級へステップアップし、算定の実務スキルを極めたい方に強く推奨されます。
GX検定ベーシック
スキルアップGreen株式会社が運営する、全ビジネスパーソン向けの資格です。環境省から日本初の「脱炭素アドバイザー ベーシック」として認定を受けており、業界・業種を問わず最も汎用性が高いのが特徴です。
脱炭素にとどまらず、GX(グリーントランスフォーメーション)全体を俯瞰的に学べるため、国内外の政策・技術動向から企業事例まで幅広く理解できます。
受験費用は約8,000円。公式問題集が用意されており初学者でも対策しやすいため、経営コンサルタントや中小企業診断士、事業会社の環境担当者など、幅広い層の第一歩として人気を集めています。
JCNAカーボンニュートラル・アドバイザー・ベーシック
一般社団法人日本カーボンニュートラル推進協会(JCNA)が運営する資格です。
名前の通りカーボンニュートラルの実現に特化しており、企業の脱炭素化を推進するための基礎知識を体系的に学べます。
排出量の基本的な算定方法だけでなく、削減目標の設定や企業への具体的な支援方法など、実務に直結する内容が含まれているのが強みです。
中小企業への支援を行うコンサルタントや自治体職員など、現場での「支援スキル」を身につけたい方に最適です。
GXエキスパート検定 3級
GXエキスパート検定は、GX(グリーントランスフォーメーション)に関する専門知識を段階的に習得できる資格です。
ベーシックレベルに相当する3級では、GXの基礎概念や脱炭素化の必要性、企業のGX戦略の基本を学びます。
エネルギー転換、再生可能エネルギーの活用、省エネルギー施策など、企業が実践すべき具体的な取り組みにフォーカスしているのが特徴です。
製造業、エネルギー業界、建設業など、現場レベルでGXに積極的に取り組む企業の担当者に推奨されます。
2級・1級へのキャリアパスも明確です。
アスエネアカデミー 脱炭素コース・ベーシック検定
株式会社アスエネが運営する、実務重視型の資格です。
最大の特徴は、「アスエネアカデミー」というオンライン学習プラットフォームを通じて、eラーニング形式で学習できる点です。
企業が直面する課題への対応方法や、具体的な削減施策の立案、エネルギーマネジメントなど、実践的な内容に特化しています。
スキマ時間を活用して自分のペースで学習を進められるため、多忙な事業会社の環境担当者や、エネルギー管理者、施設管理者に最適です。
グリーンマイスター検定
環境配慮型ビジネスと脱炭素化を統合的に学べる資格です。「グリーンマイスター」という名称の通り、脱炭素化だけでなく、循環型経済や生物多様性保全、環境リスク管理など、環境マネジメント全般を幅広くカバーしているのが最大の特徴です。
脱炭素化を単独の課題としてではなく、「環境経営の一部」として捉える総合的なアプローチを習得できます。
そのため、環境コンサルタントやCSR・サステナビリティ担当者、環境NPO職員など、環境分野全般に深く関わる方に適しています。
脱炭素支援アドバイザー検定
中小企業への脱炭素支援に特化している点が最大の強みです。
中小企業が直面しやすい「何から始めればいいか分からない」「資金が限られている」といったリアルな課題に対応できる実践的なスキルを習得できます。
補助金・助成金の活用方法や、低コストで実施できる省エネ施策、中小企業向けの排出量算定ツールの使い方など、現場ですぐに活かせる内容が豊富です。
地域金融機関の職員や商工会議所・商工会の担当者、中小企業診断士など、地域の脱炭素化を直接支援するポジションの方に最適です。
脱炭素ベーシック検定
気候変動の科学的根拠から、国内外の政策動向、企業の脱炭素経営、個人のアクションまで、脱炭素の全体像を網羅的に学べる構成が特徴です。
初学者でも無理なく理解できるよう体系化されており、短期間で基礎知識をインプットできます。
受験費用も比較的安価に設定されているため、これから脱炭素分野でキャリアを始める方や、新たに環境担当に任命された方、自治体職員などの「最初のエントリー資格」として強く推奨されます。
「GXアクション・アドバイザー(ベーシック)」資格試験
「アクション」という名称の通り、単なる知識の習得にとどまらず、企業のGX推進における「実行力」を重視している資格です。
具体的なGX施策のサポートスキルに加え、GX推進体制の構築、ステークホルダーとの対話、社内啓発活動など、組織変革(チェンジマネジメント)に関わる実践的な内容が含まれています。
そのため、企業の経営企画部門、人事部門、CSR部門など、組織全体のGXを巻き込み、リードしていく立場の方に適しています。
カーボンニュートラルマネジメント検定 ベーシック
企業の脱炭素化における「マネジメント(管理・推進)」に焦点を当てた資格です。
カーボンニュートラル目標の設定から、進捗管理、社内報告、外部開示まで、PDCAサイクルを回しながら脱炭素化を継続的に推進する実務能力を習得できます。
現場の担当者というよりも、企業の環境マネジメントシステム(EMS)担当者、ISO14001管理責任者、環境監査員など、組織の管理職・マネジメント層に求められるスキルが詰まっています。
脱炭素アドバイザー アドバンストの認定資格一覧
脱炭素アドバイザー アドバンストレベルは、ベーシックよりも高度な専門知識と実務能力が求められます。
排出量の詳細算定、削減計画の立案、国際基準への対応など、企業の脱炭素化を「実務レベルで支援できる人材」を育成します。
| 資格名 | 主な対象者 | 特徴 |
|---|---|---|
| JCNAカーボンニュートラル・アドバイザー・アドバンスト | 中小企業の脱炭素経営担当者・外部支援者 | 炭素排出量算定や削減計画策定を中心に、費用対効果や組織体制まで含めた実務重視の内容 |
| GX検定アドバンスト | GX推進担当者・脱炭素実務担当者 | 排出量算定や削減計画策定を演習形式で学習。GXスキル標準準拠 |
| サステナビリティ脱炭素アナリスト | 金融機関職員・企業支援担当者 | 取引先企業への提案を想定した事例演習を通じ、分析・提案力を養成 |
| 炭素会計アドバイザー資格2級 | 炭素会計・GHG算定の実務担当者 | Scope1・2算定やSBT、情報開示などを体系的に学習 |
| 脱炭素経営アドバイザー | 金融機関職員・経営コンサルタント | GHG排出量計測や削減手法を体系的に学べる。IBT+CBT形式 |
| カーボンニュートラルアドバイザー | 金融機関職員・中小企業支援担当者 | GHG算定から削減計画・情報開示までを実務視点で習得可能 |
JCNAカーボンニュートラル・アドバイザー・アドバンスト
一般社団法人日本カーボンニュートラル推進協会(JCNA)が運営する、より実践的なスキルに特化した資格です。
ベーシックで習得した基礎知識を土台とし、より詳細な排出量算定手法、高度な削減計画の策定、複雑なサプライチェーン排出量(Scope3)の管理など、実務直結の専門スキルを習得できます。
顧客企業の脱炭素化を支援するコンサルタントや、企業内で実際に削減プロジェクトを牽引する実務担当者に推奨されます。
同ベーシック資格からのステップアップに最適です。
GX検定アドバンスト
スキルアップGreen株式会社が運営する「GX検定 ベーシック」の上位資格です。
単なる知識の習得を超え、GXの実務的な推進能力を証明します。
企業のGX戦略立案、具体的な脱炭素施策の実行計画にとどまらず、投資判断に必要な財務分析、ステークホルダーとの調整など、より実践的な内容を学びます。
経営コンサルタント、企業の経営企画・事業企画担当者、サステナビリティ推進室の中核メンバーなど、組織のGX推進をリードする立場の方に適しています。
サステナビリティ脱炭素アナリスト
サステナビリティ脱炭素アナリストは、その名の通り、データ分析に特化した脱炭素アドバイザー資格です。
排出量データの分析をはじめ、削減効果のシミュレーション、費用対効果の算出など、定量的な分析能力を重視しています。
企業の排出量データを正確に把握し、科学的根拠に基づいた削減計画を立案するスキルが身につきます。
データサイエンティスト、企業の環境データ管理担当者、ESG投資アナリストなど、定量的なアプローチから脱炭素化を推進したい方に推奨され、Excelやデータ分析ツールの活用スキルも同時に向上します。
炭素会計アドバイザー資格 2級
一般社団法人炭素会計アドバイザー協会が運営する資格で、「3級取得者のみ受験可能(飛び級不可)」という厳格な基準が設けられています。
複雑なサプライチェーン排出量(Scope3)における15カテゴリーの詳細計算や、GHGプロトコル・ISO14064などの国際基準への完全対応など、極めて専門性の高い内容を学びます。
企業の炭素会計を正確に管理し、第三者検証にも対応できるレベルを目指すため、環境コンサルタント、会計士・税理士、企業の環境会計担当者など、高度な専門知識が必須の業務に従事する方に推奨されます。
脱炭素経営アドバイザー
株式会社経済法令研究会が運営する、企業の「脱炭素経営」を総合的に支援できる資格です。
排出量算定のスキルにとどまらず、経営戦略への脱炭素の統合、財務面を考慮した投資判断、社内推進体制の構築など、経営的視点を重視している点が強みです。
経営コンサルタント、中小企業診断士、企業の経営企画部門など、経営層に近い立場で推進する方に適しています。
金融機関職員が「サステナブル経営サポート(ベーシック)」を取得した後のステップアップ先としても王道です。
カーボンニュートラルアドバイザー
カーボンニュートラルアドバイザーは、企業のカーボンニュートラル実現に向けて、包括的な支援ができる能力を証明する資格です。
排出量算定や削減計画はもちろん、再生可能エネルギーの導入、カーボンオフセット、カーボンクレジット取引など、目標達成に必要なあらゆる手段を理解し、最適な組み合わせを提案する力が養われます。
エネルギーコンサルタント、再生可能エネルギー事業者、カーボンクレジット取引事業者など、幅広い専門分野で実務経験を持つ方のスキル証明として非常に有効です。
脱炭素シニアアドバイザー の認定資格
脱炭素シニアアドバイザーは、企業の脱炭素経営全体を俯瞰し、経営戦略レベルでの助言ができる最上位資格です。
2026年2月に初めて環境省認定の資格が誕生し、制度の中で最も高度な専門性が求められます。
GX検定 スペシャリスト
スキルアップGreen株式会社が運営する、GX検定の最高峰資格です。
2026年2月に環境省から「脱炭素シニアアドバイザー」として日本で初めて認定を受けました。
経営戦略への脱炭素の統合、ESG投資への対応、TCFD・CDP等の情報開示戦略、取締役会への報告・提言など、経営者目線での戦略的かつ高度なアドバイスが求められます。
主な対象者は、経営コンサルタント、会計士・税理士、企業の経営企画・財務部門の幹部、サステナビリティ推進室長など、経営層(社長や役員)へ直接アドバイスを行う立場の方です。
GX検定のベーシック・アドバンストと段階を踏んで取得してきた方の「最終到達点」として位置づけられています。
脱炭素アドバイザーの受験方法・費用・難易度を徹底解説
受験資格
脱炭素アドバイザーの認定資格には、基本的に学歴・実務経験・年齢などの受験制限は一切ありません。
誰でも受験に挑戦することが可能です。
ただし、資格のコンセプトによって推奨される対象者や独自のルールが異なります。
- GX検定ベーシック:全ビジネスパーソン向け
- サステナブル経営サポート:金融機関職員・取引先支援を行う方向け
- 炭素会計アドバイザー3級:「講習受講が必須」かつ「飛び級不可(3級→2級→1級と段階取得)」
事前知識がない未経験者でも、公式テキストや問題集でしっかり対策を行えば十分に合格を目指せます。
受験費用と費用相場
受験費用は、受ける資格によって大きく異なります。主要な資格の費用目安は以下の通りです。
- サステナブル経営サポート:4,950円
- GX検定ベーシック:約8,000円
- サステナビリティ・オフィサー:約10,000円
- 炭素会計アドバイザー3級:14,600円(講習料含む)
学習にあたっては、別途公式テキストや問題集の購入費(2,000〜3,000円程度)が必要になるケースが多いため、総額としては「7,000〜17,000円程度」が一般的な相場となります。
なお、自治体の補助金制度や、企業の資格取得支援制度(費用負担)を活用することで、実質負担を大幅に削減できる場合もあります。
合格率・受験者数データ
脱炭素アドバイザー資格(ベーシックレベル)の合格率は70〜80%と比較的高く、しっかり学習すれば合格できる難易度です。
主な資格の合格率は以下の通りです。
■脱炭素アドバイザー資格の合格率
- GX検定ベーシック:70~80%程度
- 炭素会計アドバイザー3級:80%程度
これらのデータからも分かるように、適切な学習手順を踏めば初学者でも十分に取得可能な資格です。
ただし、資格によって試験形式(多肢選択式、計算問題、記述式など)が異なるため、自分の得意・不得意に合わせた資格選びも重要になります。
脱炭素アドバイザーの学習方法
脱炭素アドバイザー資格の学習は、基本的に以下の3つのアプローチを組み合わせて行います。
- 公式テキスト・問題集を中心としたインプット
- 過去問題がある場合は繰り返しの演習(アウトプット)
- オンライン講座や動画教材の活用
資格によって推奨される教材の形式が異なるため、自分が受験する資格に合わせた対策が必要です。代表的な資格の教材例は以下の通りです。
- GX検定ベーシック:公式の対策問題集を活用して効率的に学習可能
- サステナブル経営サポート:公式テキスト「サステナブル経営サポート対策問題集」(経済法令研究会、2,200円)で対策
- 炭素会計アドバイザー3級:必須となる講習プログラム内で、専用のテキストが提供される
学習時間の目安は、ベーシックレベルで「20〜40時間程度(1日1〜2時間 × 2〜4週間)」です。
ただし、脱炭素分野の基礎知識が全くない初学者の場合、専門用語の理解に時間がかかるため、余裕を持って「2ヶ月程度」の学習期間を確保することを推奨します。
まとめ
多種多様な「脱炭素アドバイザー資格」の中から、自分に最適なものを選ぶためのポイントは以下の3つです。
- 自分の業種・職種に合った資格を選ぶ
(例:金融機関職員なら「サステナブル経営サポート」など) - 取得する「目的」を明確にする
(基礎知識の習得なら「ベーシック」、実務スキルなら「アドバンスト」、経営の助言なら「シニア」) - 費用・学習時間・合格率を比較する
もし「どれから受ければいいか迷ってしまう…」という場合は、まずは最も取得しやすい「ベーシックレベル」から学習を始め、実務経験を積みながら「アドバンスト」へステップアップしていく王道のアプローチがおすすめです。
企業の脱炭素化を牽引する第一歩として、ぜひ資格取得にチャレンジしてみてください。







