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リカレント教育コラム

リカレント教育のメリット・デメリットとは?個人と企業、双方の立場から解説

リカレント教育のメリット・デメリットとは?個人と企業、双方の立場から解説

リカレント教育のメリット・デメリットを個人側と企業側、2つの視点から解説します。「人生100年時代」とも呼ばれ、変化の激しい時代に注目を集めるリカレント教育の取り組みはどんな好影響が考えられるのか、具体的に紹介します。

公開:2022-01-11 13:00 (最終更新:2023-07-24 09:00)

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リカレント教育の目的とは?

リカレント教育の目的とは?

労働人口の減少への対応

リカレント教育の大きな目的として以下が挙げられます。

  • スキルアップで就労のしやすさを向上させる
  • 学び直しにより活躍の場を発展させる

日本でリカレント教育が推奨されはじめた背景には、急速な少子高齢化と労働人口の減少があります。

すでに人手不足に悩む業界が多数あり、人材確保や技術継承の問題を抱えている企業が少なくありません。
そのような状況下で労働人口を増やして生産性を上げていくには、定年を迎えた高齢者や、育児によりブランクのある女性の労働参加が不可欠といえるでしょう。

仕事から離れた期間のある人材が社会復帰するためにも、即戦力となり得る新しいスキルを身につけることが重要なのです。

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人生100年時代を充実させるため

先進国では長寿化が進み、今後寿命がさらに伸長する時代の到来が予想されています。
特に日本は世界一の長寿社会であり、長期に渡る健康や生活の維持が必要な「人生100年時代」を見据えた変化が求められています。

寿命が延びることにより、場合によっては年金や退職金などの貯蓄だけでは十分に生活を維持できない可能性も出てくるでしょう。
つまり、長い人生を充実させるためには、継続した社会参加が重要といえます。

仕事や趣味でアクティブな生活を送るためにも、常にリカレント教育を視野に入れ、生涯学び直しをおこなうことが、人生を充実させるポイントです。
学び直しで得た知識をセカンドキャリアで活かすことはもちろん、学びの場で新たな仲間との出会いがあるなど、充実した生涯を送ることが可能になります。

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技術革新への適応

AIやビッグデータ、IoTなどのデジタル領域の技術革新が進み、業務効率化を目的としてデジタルシステムを導入する企業が増えてきました。

それらのデジタルシステムを活用するには、新たな知識やスキルの習得が必須といえます。
また、技術革新のスピードは速まっていく一方です。
新たな技術に対して常に対応できるよう、継続して知識やスキルをアップデートし、技術を使いこなすことが重要視されるべきでしょう。

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個人におけるリカレント教育のメリット

個人におけるリカレント教育のメリット

需要が大きく高給な職種人材に転換できる

デジタル技術の普及や企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の影響により、AIやIoTといったデジタルスキルを持つ人材が活躍できるフィールドが一気に広がってきました。

最新のデジタルスキルを持つDX人材はまだ数が少なく、企業は人材を獲得するのに苦戦を強いられています。

例として、日本最大手の電機メーカーでは、高いAIスキルを持つ人材に、新卒・中途採用問わず年収600~1000万円を提示しているケースがあります。

DXスキルはリカレント教育で得ておきたいスキルの筆頭に挙げてもよいでしょう。

また、法律や財務、医療、建築などの業界は、高度な専門知識や資格が必須であり、給与も高い水準にあります。
しかし、人材の需要に供給が追いつかず、人手不足が緊迫している状況です。

そのため近年は、上記の業界・職種を中心とした就職・転職市場が大変活発化しています。
さらに給与等の処遇だけでなく、労働環境の改善に取り組む企業も多く出てきました。

リカレント教育により人材獲得競争の激しい職種の人材にスキルチェンジすると以下のメリットが享受できるといえるでしょう。

  • 常に必要とされる人材になれる
  • よりよい条件で就職・転職ができる可能性が高まる

出典 経済産業省/第1回デジタル時代の人材政策に関する検討会「「我が国におけるIT人材の動向」  

関連記事:
DXとは何か?なぜDX推進が企業に求められているのかをわかりやすく解説!

機械に置き換わる仕事から脱却できる

株式会社野村総合研究所の発表によると、日本の労働人口の約49%の技術的な仕事が、AIなどの新技術で代替可能との見解が出ており、仕事が人から機械に入れ替わる可能性が高まってきました。

飲食業では、フロア担当を配膳ロボットに入れ替える企業が出てきており、現場の人員削減が現実味を帯びてきたといえるでしょう。

今後あらゆる企業で機械化・システム化が進むことが予想されます。
企業においても、将来的に業務がなくなる可能性のある人材を「リスキリング」と呼ばれる事業戦略に基づいた教育でスキルチェンジするという手段を取り始めています。

今勤めている会社で長く働いていきたいという方も多いことでしょう。
ある日突然失職しないためにも、企業の中で今後需要が高まるであろうスキルの習得が推奨されます。

出典 株式会社野村総合研究所

関連記事:
リスキリングとは

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職場での早期活躍

リカレント教育を受けることは、職場での早期活躍にもつながります。
企業は入社後すぐに活躍しそうな人材を、以下のようなことを判断材料にして採用します。

  • 必要なスキルを持っているか
  • 目標があるか
  • 成長意欲があるか

就業先での必要スキルを身につけることは、働く上で非常に重要なことであり、即戦力として早期活躍するためにも欠かせないでしょう。

また、リカレント教育で常に学び直すことを習慣化しておくと、「自分はどのように成長していきたいのか?」という目標の設定がしやすくなり、企業に成長意欲を伝えやすくなります。
社内での評価が上がりやすくなることもリカレント教育のメリットといえるでしょう。

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ブランクからの復職・再就職がしやすくなる

育児や介護、病気やけがによる長期ブランクからの復職や再就職に役立つこともリカレント教育のメリットの1つでしょう。

休職中や離職中の間も、仕事内容はいろいろと変化していきます。
もともと経験のある仕事に復職する場合でも、過去の自分の知識と経験では対応しきれない業務が発生する可能性が大いにあります。
また、再就職する場合も、以前の仕事と全く同様の仕事に就けるとは限りません。

ブランクの期間を利用し、最新の知識やスキルを学んでおくことは、自分の強みとしてのアピール材料となります。スムーズな復職や再就職へとつながりやすくなるでしょう。

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キャリアの選択肢が広がる

キャリアの選択肢が広がることが、リカレント教育の最大のメリットといえるかもしれません。
学び直しをおこない、幅広い知識やスキルを習得することは、さまざまな業界・職種で働くためのチャンスになります。

また、同じ会社で長く働きたいと思っていても、企業の倒産や統廃合が発生するなど、自分のキャリアが思い通りにコントロールできるかは不透明です。
そのような事態に直面した場合でも、リカレント教育によりポータブルスキル(※)を習得しておけば、その後のキャリア形成の立て直しがしやすいという利点があります。

※ポータブルスキル…どのような環境でも活かすことができる、汎用性の高いスキルのこと

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年収の増加につながる

豊富な知識やスキルがある人材こそ、企業が求める人材であり、高給を出してでも採用したいと思う企業は少なくありません。
企業が求める資格やスキルを取得すると手当が支給される、昇進・昇格の条件として資格取得を必須としている企業も多く、リカレント教育で学び直すことは、収入の増加につながりやすいというメリットがあります。

平成30年度に発表された内閣府の年次経済財政報告によると、リカレント教育などの自己啓発をおこなった人とおこなっていない人の間には3年で約16万円もの年収の差が出たという結果が発表されています。

自己啓発の実施状況による年収の変化

※内閣府平成30年度年次経済財政報告を基にBrushUP学び作成

長期的に年収をアップさせたいと考えている場合は、リカレント教育による学び直しが有効な手段であるといえるでしょう。

出典 内閣府ホームページ/平成30年度 年次経済財政報告(第2章 人生100年時代の人材と働き方 第2節)

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多様な働き方へシフトできる

人生100年時代における働き方改革として、雇用形態にとらわれないさまざまな働き方が出てきました。
例として、以下のような働き方が挙げられます。

  • フレックスタイム勤務
  • テレワーク(在宅勤務)
  • 短時間勤務(育児、介護)
  • フリーランス
  • 副業、兼業

労働者の多様なニーズに合わせた働き方が選べる社会へと変化しています。

しかし、これらは「ジョブ型雇用」と呼ばれる働き方の要素が強く、労働時間ではなく仕事の成果を重視した雇用となります。

つまり、仕事に対して必要な知識・スキル・資格を持っていることが前提となります。
こういった働き方をしたいと考える場合はリカレント教育による学び直しがより重要となってくるでしょう。

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企業におけるリカレント教育のメリット

企業におけるリカレント教育のメリット

DX推進による業務効率化が可能になる

企業がリカレント教育を取り入れるメリットの1つに、DX推進による業務効率化があります。

ビジネス環境が目まぐるしく変わる現在、データやデジタル技術を活用し、業務の効率化をおこない生産性を上げることが、どの企業においても課題となっています。

もはやDX推進は、どんな業種の企業にとっても他人事ではありません。
デジタル人材が少ない企業では、従業員が新技術についての知識やスキルを学ぶことが、DXを推進させるために必要といえるでしょう。
デジタルスキルに長けた優秀な人材の育成が、企業が成長する近道といえます。

従業員の能力が高まり、生産性が上がる

労働人口の減少により、人手不足に悩む企業や人材確保が上手くいかない企業も増えています。
そのような状況下でも、生産性を上げていくためには、従業員個々の能力を上げていくことが必要になります。

従業員がリカレント教育で仕事に必要な知識を増やし、スキルアップをおこなうと、今まで以上に広い分野の業務に対応できるようになります。
少ない人数でも幅広い領域をカバーし、生産性が上がるということは、企業にとって大変なメリットです。

また、従業員にとっても、自分達のスキルアップにより会社が成長していくという実感がわくことで、モチベーションアップや、継続した自主的な学びにつながっていきます。

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人手不足が解消できる

リカレント教育により従業員の能力が上がることは、企業の生産性を上げるほか、人手不足の解消ができることもメリットです。
マルチスキルを習得した従業員が増加すると、退職や休職などで従業員の補填が必要になった場合でも、配置転換により人材を補うことが可能になります。

また、福利厚生としてリカレント教育を導入し、学びの場を提供している企業は、学ぶ意欲の高い求職者から人気が高く、優秀な人材を確保しやすいというメリットもあります。
従業員のスキルアップのために学習環境を整えることは、従業員の定着性が上がり、人手不足を解消することへとつながっていきます。

人材の流動化により社内の活性化ができる

労働市場の活性化やイノベーション創出のために、研究人材やテクノロジー業界の人材を中心とした人材の流動化を図る政策が打ち出されようとしています。
すでに海外では、人材育成と多様な人材雇用の2つの軸を強化し、特色のある研究や事業が進んでいます。

企業においても、リカレント教育によりスキルアップした人材の雇用を積極的におこなうことで社内が活性化する可能性があります。
そのため、人材の流動化への対応は検討すべき内容といえるでしょう。

人材流動のない会社は、同じ価値観、同じ経験を持った人材で固まってしまう傾向にあり、新しい発想や事業が生まれにくいというデメリットがあります。
多様なスキルの人材が入社することで、社内ノウハウもさまざまな内容が蓄積され、幅広い事業分野への対応が可能となってきます。

参考 内閣府ホームページ/イノベーション人材の流動化に係る要因調査

企業間の競争力が高められる

現在、企業のDX化が企業成長のための必須要件になっているように、今後も変化のスピードが激しい経済情勢や国際情勢、新しいビジネスモデルなどに対応していく必要があります。

国内外での企業間競争に打ち勝つためには、従業員の多様なスキルの開発を進めることが最重要となります。
リカレント教育で、従業員が最新の知識や最先端のスキルを習得し、新しいビジネスを創出できるようになることで、競合相手との競争を優位に進めやすくなるでしょう。

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個人におけるリカレント教育のデメリット

個人におけるリカレント教育のデメリット

長期学習について周囲から理解を得る必要がある

大学への再入学などをおこなう場合、長期間の学習が必要になることも想定されます。
その場合は休暇を取得するなど、学習のための時間を割く必要があります。

しかし、学び直しのための長期休暇制度が整備された企業は日本にはまだまだ多いとはいえず、育児や介護がある家庭環境の方は時間の調整も難しいという課題があります。
そのような障壁が、リカレント教育を受けるネックとなっているケースもあるでしょう。

誰もがいつでもリカレント教育を受けられるようになるためには、周囲の理解やサポートが大切になってきます。

学んだことが評価されづらい場合もある

リカレント教育は社会人が対象となるため、学び直したスキルを活かし、ブランクからの再就職や、現在の仕事からの転職を目的にする方の割合は少なくないでしょう。
しかし、中途採用の場合は新卒採用とは異なり、採用選考の場において実務経験として身につけてきたスキルが重視されることも事実です。

学んだ内容を活かして再就職ができるように、自分のこれまでの経験やスキルにプラスした強みの部分として学び直す、または、資格必須の仕事のために資格を取得するなど、 しっかり計画を持って学習を開始することが重要です。

何を学ぶべきか選択が難しい

リカレント教育で学び直すこと自体にデメリットはありませんが、何を学ぶべきかの選択が難しいという課題もあります。
「自分が何を学び、どうキャリア形成していきたいのか?」という目的がはっきりしないままでは、学んだことが無駄になってしまうことも考えられます。

「学び直し」はあくまでキャリア形成のための手段です。
学ぶ目的を明確にし、自身が目指すキャリアに役立つ内容を学ぶことが大切です。

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企業におけるリカレント教育のデメリット

企業におけるリカレント教育のデメリット

労働環境整備が必要

従業員がリカレント教育を受けるためには、学習時間を捻出するために労働環境を整備する必要があります。
フレックスタイム制度や時短勤務制度の導入、勤務時間内での学習時間の確保、有給休暇の取得率向上など、従業員が働きながらも学習できる制度の導入が欠かせません。

しかし、従業員の長時間労働が慣習化し、それにより生産性を確保している企業は少なくありません。
従業員が柔軟に働ける環境を整え、学び直しの機会を与えることが、自社の成長につながるという企業の意識の向上が望まれます。

従業員の学費サポートが必要

企業がリカレント教育を実施する場合、従業員の学費補助も必要となってきます。
企業側で研修や教育制度を準備したり、資格取得費用を補助したりする場合は、その分の経費がかかります。

また、リカレント教育を導入して間もない段階では、費用に対する従業員の学習成果がはっきりしないこともデメリットの1つです。
しかし、新卒採用からの教育コストを考えると、既存従業員の再教育コストのほうが負担は少なく、長期的な目線で見た場合はメリットに転じることも多いでしょう。

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まとめ

企業と国の発展のためには、リカレント教育が必要

日本においてもリカレント教育の概念が広まりつつあり、学び直しを希望する社会人が増え始めています。
また、進化するデジタルテクノロジーを攻略することが、企業の成長条件となる時代に変化しました。

新しい知識やスキルを保有した人材の積極採用に動く企業は今後増えていくことでしょう。
働く人材の「学び」が、時代の変化に対応し、企業が長く発展し続けるための基礎になっていきます。

技術革新に適応できる企業と人を増やすことは、国の発展にも大きな影響があります。
常にイノベーションを創出するためにも、リカレント教育で労働者の学び直しを促進し、活躍できる多数の人材を輩出することが、国としてもミッションとなっていくでしょう。

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