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リカレント教育コラム

リカレント教育と生涯学習の違いとは?どちらを学習すべき?メリットとともに解説

リカレント教育と生涯学習の違いとは?どちらを学習すべき?メリットとともに解説

リカレント教育」と「生涯学習」は混同されやすく、違いがわかりづらいという声も耳にします。双方の違いとは?また、どちらを優先して学習すべきなのでしょうか?必要性やメリットとともにわかりやすく解説します。

公開:2022-10-21 09:00 (最終更新:2023-07-24 09:00)

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リカレント教育と生涯学習の違いとは?

リカレント教育と生涯学習の違いとは?

リカレント教育は「社会人がキャリア形成や仕事のためにおこなう学習活動」

社会人が取り組むべき学習として推奨されている「リカレント教育」と「生涯学習」。
混同されやすく、何が違うのか?という疑問を持つ方もいらっしゃるでしょう。

まず、リカレント教育は、「社会人がキャリア形成や仕事のためにおこなう学習活動」のことをいいます。

仕事に活かすための知識・スキルを習得する学習であり、資格取得やビジネススキルを学ぶというのが特徴です。

例として、

以上のような学習が挙げられるでしょう。

新たなデジタル技術の開発などにより、仕事の内容も変化しはじめています。
その変化に適応するために、新しい知識やスキルを学んでいくのが、リカレント教育の最新の定義といえるでしょう。

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生涯学習は「豊かな人生を送るためのあらゆる学習活動」

生涯学習は、「豊かな人生を送るためのあらゆる学習活動」のことです。

社会変化の動きが激しい昨今、柔軟な対応力をつけるため、知見を広めたり、多様な価値観に触れたりすることが重要視されています。

生涯学習は、シニア世代の学習というイメージが強い方もいらっしゃるでしょう。
本来は年齢を問わず、義務教育などの学校教育も含んださまざまな学習を指します。

  • 学校教育
  • 社会教育(家庭・地域・環境・人権など)
  • 文化活動(地域交流・国際交流など)
  • スポーツ活動
  • レクリエーション活動
  • ボランティア活動
  • 企業内教育
  • 趣味

以上のような、生涯における幅広い学習活動すべてが生涯学習に該当します。
また、自分に適した方法で、自主的に学ぶことが想定されている学習というのも特徴です。

つまり、リカレント教育も生涯学習のうちの1つであるといえるでしょう。

リカレント教育と生涯学習の違い

※画像:BrushUP学び作成

出典 文部科学省/令和3年度 文部科学白書

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リカレント教育のはじまり

リカレント教育と生涯学習の違いとは?

第6回ヨーロッパ文部大臣会議でのオロフ・パルメによる提言(1969年)

今から50年以上前、スウェーデンでリカレント教育の概念が誕生しました。

最初に、スウェーデンの経済学者ゴスタ・レーンがリカレント教育にあたる教育概念を提唱。
1969年、第6回ヨーロッパ文相会議にて、スウェーデン文部大臣のオロフ・パルメがリカレント教育を取り上げたことで注目を浴びるようになります。

その後、学校教育で学ぶ内容と社会で必要とする知識やスキルにギャップがあることを危惧した経済協力開発機構(OECD)が、リカレント教育を採用。
1973年、「リカレント教育 -生涯学習のための戦略-」という報告書を公表し、世界にリカレント教育の概念が広まっていきました。

出典 
独立行政法人日本学術振興会 海外学術動向ポータルサイト/【国際協力員レポート・スウェーデン】スウェーデンにおけるリカレント教育の取組み
総務省/平成30年版 情報通信白書(リカレント教育の必要性)

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日本におけるリカレント教育の広がり

1973年のOECD報告書により、日本もリカレント教育の概念を知るところになります。

しかし、世界がリカレント教育推進のため、有給教育休暇に関する条約制定などに取り組むなか、日本はその流れに同調することはありませんでした。
また、1990年代、日本の生涯学習施策の重要理念として、リカレント教育がピックアップされますが、大きな動きにつながらず終了しています。

当時の日本は経済成長が順調に進んでいたこともあり、リカレント教育の重要性を強く認識できなかったのかもしれません。

時は流れ、日本は少子高齢化による労働力不足が顕著となり、経済成長に悪影響を及ぼす可能性が出てきました。
2017年、日本政府は人生100年時代における一億総活躍社会を目指し、「人づくり革命」を閣議決定します。

人づくり革命は、リカレント教育を重点施策としています。
リカレント教育の抜本的拡充を政府が発表したことで、一気に認識が広まりました。

リカレント教育・生涯学習年表

※画像:BrushUP学び作成

出典 
国際労働機関(ILO)/1974年の有給教育休暇条約
独立行政法人労働政策研究・研修機構/日本労働研究雑誌 2020年8月号(No.721),政策としての「リカレント教育」の意義と課題──「教育を受け直す権利」を足がかりとした制度設計にむけて(佐々木 英和(宇都宮大学教授)),「学び直し」に至る施策の変遷(岩崎 久美子(放送大学教授))
首相官邸/人づくり革命 基本構想(平成30年6月)

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生涯学習のはじまり

生涯学習のはじまり

成人教育推進国際委員会でのポール・ラングランによる提唱(1965年・ユネスコ)

生涯学習の概念のはじまりは、1965年12月に開催された国連教育科学文化機関(UNESCO(ユネスコ))の成人教育推進国際委員会にさかのぼります。

フランスの教育思想家であり、ユネスコの成人教育部長を務めていたポール・ラングランが「生涯教育」を提唱するワーキングペーパー(※)を提出しました。

生涯学習の礎となったワーキングペーパーは、人間発達のための義務教育以降の教育の重要性を軸としており、以下について述べられています。

  • 生涯に渡る学習機会の提供について
  • 成人教育推進のあり方について

※ワーキングペーパー:簡易的な研究調書や参考資料のこと

出典 
日本大百科全書/生涯教育-理念の成立(藤原英夫)
文部科学省/生涯学習概念の系譜
音更町/生涯学習豆知識

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日本における生涯学習の広がり

日本の心理学者である波多野完治は、1965年12月のユネスコ成人教育推進国際委員会に参加していました。
波多野はラングランの生涯教育論に感銘を受け、日本にその概念を持ち込みます。

当時の日本は高度経済成長期真っ只中。重化学工業などの第二次産業や、情報通信業などの第三次産業の割合が高まり、人々の仕事や生活に大きな変化が訪れました。

1968年7月、文部大臣が社会教育審議会に対し、「急激な社会構造の変化に対処する社会教育のあり方について」を諮問します。

1971年4月、社会教育審議会は、

”人口構造の変化、家庭生活の変化、都市化、高学歴化、工学化、情報化、国際化という急激な変化があり、これに対応することのできる個人の能力の啓発のため生涯教育の観点から学習の機会を考えるべきである”

以上の見解を示し、日本における生涯学習への取り組みがスタートすることになります。

なお、2006年の教育基本法改正時に、生涯学習についての規定がなされました。
生涯に渡り、いつでもどこでも学習できる環境整備と、その学習成果を活かせる社会の実現という目標が法律で制定されたのです。

出典 
香芝市/第2次香芝市生涯学習推進基本計画(生涯学習に関する主な変遷)
教育学研究 第44巻 4号/戦後日本の教育関係審議会答申年表(平原春好,土屋基規)
文部科学省/令和3年度 文部科学白書(第3章 生涯学習社会の実現)

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リカレント教育と生涯学習どちらを優先して学習すべき?

リカレント教育と生涯学習どちらを優先して学習すべき?

何を充実させていきたいのか?という目的によって優先度が変わる

何かを学びたいと思った時に、リカレント教育と生涯学習、どちらを優先して学習すべきでしょうか?

ここまで記載したとおり、リカレント教育と生涯学習とで学ぶ内容や範囲が異なります。

自分は何を充実させていきたいのか?という目的によって優先度が変わるといえるでしょう。

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仕事や金銭面を充実させていきたい人はリカレント教育を優先する

仕事や金銭面を充実させていきたい人は、優先的にリカレント教育に取り組んでみましょう。

  • 物価高
  • 子の教育費
  • 老後に必要な資金の貯蓄

以上のように、生活のあらゆる面で費用負担が大きくなっています。
特に、ゆとりある老後が過ごせるような十分な資金がない場合、働く期間の長期化が考えられます。

長く仕事で活躍するためには、新しい知識やスキルの習得が欠かせません。
また、仕事の能力がアップすると、昇給・昇格の可能性や任される業務の質が高まり、人生のやりがいにつながることもあるでしょう。

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日常生活を充実させていきたい人は生涯学習を優先する

日常生活を充実させていきたい人は、生涯学習を優先することが推奨されます。

<生涯学習の選択例>

  • 運動
  • 趣味
  • ボランティア活動

日常生活の中から取り組みやすいものを選択すると、継続した学習が可能になるでしょう。

選択した分野についての学習はもちろん、分野にまつわる内容を横展開して学習すると、理解が深まり活動がさらに充実します。

また、サークルや団体など、コミュニティを形成した場所に参加すると、

  • さまざまな人の感性や意見に触れることができる
  • 交友関係が広がり、情報収集の幅が広がる

以上のように、自身の知見が増え、柔軟な思考力の強化につながるよい機会となるでしょう。

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リカレント教育・生涯学習それぞれの必要性とメリットについて

リカレント教育・生涯学習それぞれの必要性とメリットについて

リカレント教育の必要性とメリット

デジタル革新という大きな社会の変遷期にある現在。
変化に対応するための学習は、社会人の学び直し(リカレント教育)を中心に進められているところです。

最近では、2022年10月の国会所信表明演説において、岸田内閣総理大臣が「リスキリング」への投資を表明しました。
これは、DXをはじめとする成長分野への就労移行のために、社会人が大幅なスキルチェンジを実施する学びへの支援です。

総合経済政策に位置付けられたリスキリングは、これからの生産活動の主流となる

  • 科学技術イノベーション(最新科学技術を用いた知的・文化的価値創造)
  • スタートアップ(革新的アイディアを持った起業)
  • GX(グリーン・トランスフォーメーション、脱炭素・再生可能エネルギー開発)
  • DX(デジタル・トランスフォーメーション、最新デジタル技術を用いた新ビジネス開発)

以上の分野を開発し、経済を活性化するための人材政策です。
今後、日本人の就労の場も、成長分野の割合が増えていくことでしょう。

リカレント教育でも、AI・ビッグデータといった最新デジタル技術を学ぶなど、リスキリング同様の学び直しが推奨されています。
高度スキルを得ることで、仕事の評価が高まり、収入アップやキャリアの選択肢が広がるというメリットにつながります。

出典 首相官邸/第二百十回国会における岸田内閣総理大臣所信表明演説

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生涯学習の必要性とメリット

「人生100年時代」の到来が予測されています。
日本は世界有数の長寿国であり、人々はさまざまなカテゴリの社会に属しながら、長期間過ごすことになります。
多様性の受け入れや多角的な思考が必要となってくる面もあるでしょう。

生涯学習で新たな価値観に触れることは、思考の範囲が広まることにつながり、人として成長できるメリットがあるのです。

また、2015年9月の国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)では、「質の高い教育をみんなに」が掲げられています。
これは、子どもから大人すべての人を対象としており、2030年までに達成すべき世界目標です。

SDGs「質の高い教育をみんなに」

※「質の高い教育をみんなに」はSDGs4番目の目標

50年以上も前に提唱された生涯学習ですが、まさに今、実現のための最重要局面を迎えているといえます。

変化の激しい時代に生きる私たちは、自分は何を学び、どのような方向へ進むべきか迷うこともあるでしょう。

そのような場合は、キャリア形成を含めたライフプランを立ててみてください。
プランに応じたリカレント教育・生涯学習双方を取り入れることで、進むべき道筋が見えてくるはずです。

出典 外務省/SDGsとは?

参考 三菱UFJフィナンシャル・グループ/ライフプラン表の作り方3ステップ!作成時のコツや活用法も併せて紹介

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