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簿記3級とはどんな資格?試験内容や合格率について解説!

簿記3級とはどんな資格?試験内容や合格率について解説!

簿記3級とは、商業簿記全般に関する基礎知識を測る検定試験です。
「簿記3級に合格したい」とお考えの方の中には、テキストや勉強時間のこと、そもそも独学で合格することが可能なのかなど、さまざまな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

当記事では、日商簿記検定3級とはどんな資格なのか、試験の難易度や合格率、独学で簿記3級に合格するための勉強方法やおすすめテキストについて紹介します。
また、簿記3級を取得するメリットについても記載していますので、ぜひ参考にしてください。

更新日:2023-11-28(公開日:2023-07-21)

この記事を監修したのは

公認会計士:佐久間 清光

公認会計士:佐久間 清光




この記事の執筆者


BrushUP学び専任ライター:
西村 美保(日商簿記検定3級保有)


BrushUP学び専任ライター:西村 美保

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簿記3級とは?

簿記

簿記3級とはどんな資格?

簿記3級とは、商業簿記全般に関する基礎知識を測る検定試験です。日商簿記資格には上位から簿記1級、2級、3級、初級、原価計算初級があり、簿記3級は中位に該当します。

簿記3級試験では、企業におけるお金の流れや財務状況、経営成績を整理・計算し、記録するための知識が試されます。簿記3級を持っていることで、小規模な企業での経理業務を行うための能力があることを証明できます。

業種・職種に関わらず、簿記の基本的なルールは全ての会社に共通するものです。就職・転職活動時に簿記3級を履歴書に記載すると、経理業務を行うための基礎知識があることをアピールできます。

また、簿記3級は誰でも受けることができる試験です。スキルアップや、キャリアアップ目的で簿記の資格を取得したい場合は、簿記3級から受験することをおすすめします。

簿記3級に合格する過程で身につけた知識は、簿記2級簿記1級だけでなく、 公認会計士や税理士といった上位資格を目指すうえで役立ちます。簿記3級は、より良い仕事を得るために有効な資格です。

尚、簿記試験にはペーパー形式の統一試験と、ネット試験がありますが、試験内容と難易度は共通です。自分のタイミングで受験したい人はネット試験を選びましょう。

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独学で簿記3級に合格できる?

簿記3級は独学でも十分合格を目指せる

簿記

日商簿記検定3級は、独学で合格している人も多くいる試験です。
テキストなどを参照し、合格を目指すことも十分可能でしょう。

簿記3級取得者の約6割が独学

社会人になってから簿記3級を取得した方30名に、学習方法についてアンケートを取ったところ、約6割の方が独学で合格したという結果になりました。(BrushUP学び​独自調査)

このことからも、簿記3級は独学でも合格を目指せる資格であるといえます。

まずは試験内容や難易度について理解しよう

簿記3級は会計の専門知識を証明する資格です。
独学で合格を目指せるとはいっても、知識が何もないままで合格することは大変難しいでしょう。

まずは、どのような専門知識を身につける必要があって、どのような問題があるのかを知ることが重要です。

ここから難易度や合格率、日商簿記検定3級の概要などについて解説しますので、独学での合格を目指す方は参考にしてみてください。

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簿記3級の難易度はどのくらい?

基礎知識レベルであり、難易度はそれほど高くない

簿記検定のなかで最も基本的な商業簿記の知識を習得するのが簿記3級です。
簿記3級では主に、経理関連書類の処理、総勘定元帳の作成、財務諸表(貸借対照表・損益計算書)の作成、青色申告書類の作成など、 初歩的な実務がある程度できるようになり、小規模企業の経理事務の業務をこなせる程度の知識が要求されます。

簿記入門者向けの試験に位置付けされており、難易度自体はそれほど高くありません。
実務経験のない学生や、これから経理を担当する新入社員の方が多く受験している状況です。

2級・1級のレベル

一方、簿記2級では、簿記3級で学ぶ「商業簿記」に「工業簿記」が加わります。簿記1級に合格すると、税理士試験の受験資格が得られます。

専門的知識を学ぶため、一定の勉強量は必要

簿記3級は入門者向けといえど、適切な勉強時間を確保できなければ合格は難しい試験です。
例えば、「土地を購入した際に付随費用は取得原価に含まれるか」「利息勘定の記入はどういったものか」などの問題が出題されるのですが、初見で回答できる人はいるでしょうか。簿記自体が専門的知識を必要とされる学問のため、一定の勉強量は必要になるわけです。

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日商簿記検定3級 試験内容

簿記3級試験の出題区分を紹介します。

設問 内容 配点
問1 仕訳問題 15問 45点
問2 勘定記入や語句の穴埋め問題など 20点
問3 精算表、財務諸表など(決算) 35点

2021年の試験改定で大問の数が5問から3問へと変更になりました。

2021年の改定前は、以下のように大問5問の構成となっていました。

  • 仕訳問題
  • 帳簿記入・勘定記入問題
  • 試算表作成問題
  • 伝票起票問題
  • 精算表作成問題

このうち仕訳と試算表の問題が第1問に、勘定記入などが第2問に、精算表の問題が第3問にまとめられている形です。

簿記に精通していない方が見ると「いったい何のことだろうか」となるでしょう。
問題内容は、ただ単語を記憶すればよいというものは少なく、表の作成や計算問題など実務に近い知識が必要になります。

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簿記3級の合格率

変動はあるが、合格率は50%程度!

気になる簿記3級の合格率(ペーパーテスト形式の統一試験)ですが、40~50%程度で推移しています。
試験によっては極端に合格率が落ちるときもあれば、70%近い合格率を叩き出すときもあり、振れ幅が大きいのが3級試験の特徴です。
直近11回の試験結果を見ていきましょう。

回数試験実施日実受験者数合格者数合格率
第164回2023年6月11日26,757人9,107人34.0%
第163回2023年2月26日31,556人11,516人36.5%
第162回2022年11月20日32,422人9,786人30.2%
第161回2022年6月12日36,654人16,770人45.8%
第160回2022年2月27日44,218人22,512人50.9%
第159回2021年11月21日49,095人13,296人27.1%
第158回2021年6月13日49,313人14,252人28.9%
第157回2021年2月28日59,747人40,129人67.2%
第156回2020年11月15日64,655人30,654人47.4%
第154回2020年2月23日76,896人37,744人49.1%
第153回2019年11月17日80,130人34,519人43.1%

※第155回試験(2020年6月14日実施予定)は、中止となりました。

過去10年の試験を振り返ると、一番高い合格率で67.2%(第157回2021年2月28日)、逆に一番低い合格率は26.1%(第141回2015年11月)です。

参考 日本商工会議所「簿記 検定試験 受験者データ」

ネット試験での簿記3級合格率は40%程度

簿記3級および2級試験については、2020年12月より従来のペーパーテストである統一試験、団体試験とは別にネット試験がスタートしました。

ネット試験の合格率は下記のとおりです。

期間受験者数合格者数合格率
2022年4月~2023年3月207,423人85,378人41.2%
2021年4月~2022年3月206,149人84,504人41.0%
2020年12月~2021年3月58,700人24,043人41.0%
累計472,272人193,925人41.0%

簿記3級のネット試験での合格率は40%程度となっています。

参考 日本商工会議所【日商簿記検定試験(2級・3級)ネット試験】受験者データ

簿記3級の合格率が意外にも低い理由

簿記の入門者向け試験として実施されている3級検定ですが、意外にもそこまで合格率が高くないことに驚いている方もいるのではないでしょうか。
一般的に初学者向けの試験は7割近い合格率を出すことが多いため、簿記3級の平均的な合格率が40~50%台というのは異例のデータといえます。
合格率が低い理由には、以下のケースが影響していると考えられます。

試験範囲改定があったため

日商簿記では、2015年度の試験より段階的な改定がおこなわれています。
試験範囲の追加および削除が断続的に進められており、試験対策がしづらくなっている部分が大きいようです。

実際に2021年に開催された試験の合格率は30%未満と、平均と比較しても低い合格率の回も出てきています。

受験者の内情によるもの

簿記3級の「合格率の低さ=難易度の高さ」というわけではありません。

日本商工会議所のホームページを参照していただければわかると思いますが、合格率のデータには「受験者数」と「実受験者数」が分けて記載されています。
簿記3級試験に申し込んだものの試験は欠席した方と、実際に試験を受けた方それぞれをカウントしており、合格率は実受験者数をもとに計算されています。

試験を欠席・辞退した方の理由のなかには、「受験に向けての勉強時間が足りず、準備が間に合わなかった」というケースも。
このように準備が間に合わない状態でも実際に受験される方がいるため不合格となり、結果として合格率を下げているのが一因として挙げられるでしょう。

団体受験のケースも影響

さらに、近年高校や大学の授業の一環としてクラス全体で団体受験をするケースも増えています。
そのなかには学校生活が忙しく充分に試験勉強ができない方や簿記にまったく興味がない方など、一般的な受験者とは異なる目的の方もいます。
このような事情もあり、ほかの試験に比べて若干合格率が低い状況となっているようです。

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簿記3級の合格ライン

7割以上得点できれば合格

簿記3級の合格基準は70%以上の得点です。

これは2級・1級も同様ですが、1級の場合は科目ごとに最低40%以上の得点が必要になるという違いがあります。

繰り返し勉強することで合格可能なレベル

専門的な知識を除けば、最低限度の日本語能力と四則演算さえマスターしていれば問題なく合格できる試験内容です。
簿記の学習内容もビジネス現場での基礎知識を中心に、中小企業の経理事務で活用できるレベルとなっています。
財務諸表の読み取りや経営状況の把握など、繰り返し勉強すれば必ず理解できる範囲といえるでしょう。

さまざまな人が受験し、合格している簿記3級

受験者の顔ぶれには高校生から大学生、経理担当の新入社員やまったく畑違いの職務担当の社会人など、さまざまな人が並びます。
毎年半数近くの受験者の方が難なく合格していますので、皆さんも自信をもって取り組んでください。
どうしても内容が理解しづらい、不安要素が取り除けない場合は、簿記初級から挑戦するのも1つの手です。

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独学経験者が簿記3級にかけた​勉強時間

この項目では、独学で簿記3級に合格した石山さん(BrushUP学びユーザー)に、独学でかかった勉強時間や試験までの学習スケジュールについて伺った内容を記載します。

初学者の場合は勉強のために100時間確保できると安心

石山:勉強を始める前にいろいろ調べたところ、初学者が独学で簿記3級に合格するためには、100時間の勉強が必要といわれていることがわかりました。

私の場合、試験日まであまり日数がない状態で勉強を開始したので、勉強時間のゆとりが取れませんでした。
たしかに、100時間の時間が取れると、ゆとりを持った勉強ができると思います。

合格にかかる期間は人によって異なる

石山:私の勉強時間は、合計30時間(1日3時間程度の勉強を10日間)でした。

先程もお話したとおり、試験までの日程に余裕がなく、短期間で何とか合格できる方法をあれこれ考えながらの勉強でした。

10日で合格が目指せるという『日商簿記3級 光速マスターNEO テキスト』という参考書を見つけたので、そのテキストの学習内容に沿った学習スケジュールを組みました。

私の場合はトータル30時間程度で何とか合格できましたが、難易度がそう高くない簿記3級は早い方で1週間の勉強、計20時間ほどで受かる方もいると思います

余裕をもった準備がおすすめ

石山:正直なところ、10日間での勉強は、試験範囲をすべて網羅するのにギリギリの日数でした。

そのため、簿記が得意・不得意がわからない学ぶ前の段階で勉強は1週間~10日間などと決めてしまうのは危険かもしれません。
私のように焦りながら勉強せずに済むように、まずは余裕をもって、試験の3ヶ月前には勉強が始められるように準備を整えておくことをおすすめします。

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簿記3級の理想的な勉強スケジュール

お話を伺った石山さんは比較的短期間のタイトな勉強スケジュールを組まれていました。
しかし、標準的には、受験予定の試験日から逆算し、3ヶ月程度の学習期間を取ったスケジュールを設定するケースが多いでしょう。
例えば、6月に受験するなら4月頭から学習をスタート、11月に受験するなら8月頭に学習をスタートします。
3ヶ月という日数は、モチベーションを維持しながら集中できる期間といえるのではないでしょうか。

学習時間の確保が難しい場合

忙しくまとまった学習時間を確保できない方もいらっしゃるかもしれません。
そのような場合は、長い期間で少しずつ勉強をしていく方法を選択するのもよいでしょう。

具体的には、1日1時間だけ勉強を進める方法などです。
1日1時間であれば、忙しい方でも勉強時間を確保できるのではないでしょうか。

3ヶ月間のなかで、フェーズ(段階)を設定する

3ヶ月間のフェーズ(段階)を割り振り、それに沿った学習をおすすめします。
望ましい学習法を下記に提示します。

●第1フェーズ:最初の2ヶ月間・・・テキストの情報を頭に入れます。

●第2フェーズ:3ヶ月目から・・・過去問および直前予想問題だけを解いていきます。
 ↓
●第3フェーズ:試験直前1週間・・・これまでの復習

計画的に学習することで、忙しくても合格を目指せる

「仕事をしながら簿記3級の試験に合格できるのか」と不安な方もいらっしゃるでしょう。
仕事や家事・育児で忙しい方でも、簿記3級の試験に合格できます。
仕事の繁忙期や帰宅が遅い日などは学習スケジュールから外し、土日や夏季休暇、GWなどに集中して勉強に取り組むようにします。
余裕を持ちつつ、計画を立てながら学習を進めていくとよいでしょう。

それでも合格することが難しいと思った場合は、通信講座などでの学習も検討してみるとよいでしょう。

もっと詳しく:
簿記3級の勉強時間と社会人が短期間で合格できるおすすめ勉強法

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簿記3級の過去問題の傾向とポイントを現役講師が解説

第1問の出題傾向

第1問では「仕訳問題」が15題出題されます。
この仕訳問題は簿記の基本であり、重要なポイントです。
過去問に似た問題が出題されることも多く、きちんと勉強さえすれば、第1問は満点(45点)を取ることも可能です。
対策がしやすく、配点も大きいので取りこぼさないようにしましょう。

第2問の出題傾向

第2問は「勘定記入」の問題が頻繁に出題されます。
「勘定記入」の出題では『売上原価の算定(仕入勘定、売上原価勘定)』や『減価償却費(直接法・間接法)』などの処理方法に関するものがよく出題されます。

また、「帳簿記入」が出題された場合、『商品有高帳』、『売掛金・買掛金元帳』、『現金出納帳』『手形記入帳』、『小口現金出納帳』、『当座預金出納帳』、『補助簿の選択』などが問われ、特に頻出する問題が『商品有高帳』と『補助簿の選択』の2つに関するものとなります。
この2つを中心にしっかりと対策をしておきましょう。

こちらは20点の配点となっています。

第3問の出題傾向

第3問では、決算に関する問題が出題されます。
「精算表」や「決算整理後残高試算表」、「損益計算書・貸借対照表」の作成問題が出題されます。

商業簿記の総合的な知識を求められ、複数の仕訳をおこなう必要があります。
基礎をしっかり理解し、過去問を何度も解くことで対策をおこないましょう。

配点は35点です。

過去の試験問題とポイントを解説

下記は第149回の試験問題です。問題内容と注意したい学習のポイントをご紹介します。
2021年の試験改定以前の内容ですが、試験範囲に大きな変更はないため参考にしてみてください。

第1問

問1:約束手形による資金貸付けに関する問題
借用証書による貸付けと、 約束手形による貸付けの相違の理解

問2:売上取引に関する問題
得意先負担の諸掛りを立て替えて支払った場合の処理を理解

問3:債権の貸倒れに関する問題
前期に発生した売掛金が貸し倒れた場合の処理の理解

問4:費用の支払いに関する問題
振込手数料の処理の理解

問5:有形固定資産の売却に関する問題
帳簿価額(取得原価-減価償却累 計額)と売却価額の差額から、固定資産売却損益を求められるか

学習のポイント

問1:資金を貸付(借入)により手形を受け取ったときの処理を理解しておくこと。
問2:商品売買取引における付随費用(発送費など)の扱い(当店負担なのか先方負担なのか)を学習しておくこと。
問3:前期販売分の売掛金が貸し倒れたときのほか、当期販売分の売掛金が貸し倒れたときの処理も学習しておくこと。
問4:「振込手数料」を用いて仕訳するのは間違いです。
問5:「減価償却累計額」、「未収金」を用いて仕訳するのは間違いです。

第2問

経過勘定の決算整理仕訳に加え、費用に関する勘定科目の決算振替仕訳や経過勘定の期首の再振替仕訳も含めて理解しているかの問題。

第3問

3月末の合計試算表に4月の取引を合算して、4月末の合計残高試算表を作成する問題。
取引を仕訳し、集計することにより、各勘定の借方合計と貸方合計を求め、 残高欄にその残高を記入するといった一連の流れが理解できているか。

合計残高試算表、 残高試算表、合計試算表について、各試算表の記入方法を学習しておくこと。

第4問

簿記に関する基本的な知識を問う空欄補充、用語選択の問題。

学習のポイント

仕訳や帳簿記入のルールの基礎にある理論の知識が問われます。

第5問

残高試算表から決算整理をおこない、最終的に貸借対照表および損益計算書を作成する問題。

学習のポイント

・決算整理事項等の内金の処理に注意する。
誤った処理、本来なされるべき正しい処理はどのような処理か、修正するためにはどのような処理が必要かを段階的に整理して解答できるようにすること。

・仮払金の処理が重要です。
この処理を適切におこなわなければ、備品減価償却の月割計算を誤ってしまいます。
有形固定資産の取得、売掛金等の回収など、ほかの決算整理事項と関連すると思われる項目にも注意すること。

過去問対策が効果的

どの問題を見ても、簿記3級に関しては、過去に出題された問題がよく似た形で出題されることが多くなっています。
つまり、過去問対策が非常に効果的といえます。
特に第1問、第3問の配点が高くなっているため、ここはしっかりと得点できるよう過去問演習に力を入れてください。

最新の試験範囲を示した出題区分表が簿記試験のホームページで公開されています。
試験範囲は随時変更になる可能性もありますので、詳細については受験前に公式ホームページをご覧ください。

参考 日本商工会議所「簿記 検定試験」

簿記の検定試験は、社会で活躍できる人材育成を目的とした試験です。
そのため、出題内容はビジネス実務に直結したものであり、変化が激しい分野では、教科書に載っていないケースもあります。
ただし、出題範囲からはずれたものは出題されていないので、きちんと学習しておけば回答できる問題ばかりです。

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簿記3級に独学で合格した勉強方法を経験者が教えます!

各自に合った勉強をするのがベストではありますが、参考例として前述の石山さん(簿記3級に独学合格)に、勉強方法についても伺ってみました。

テキストを通読し、簿記3級にかかる勉強時間をイメージする

まずは学習内容を把握するために一度テキストを通読する

石山:私は最初に一度「テキストに書かれていることすべてを通読」しました。
もちろん、初学者の方は簿記を学んだことがありませんので、わからないことばかりだと思います。

テキストを最後まで読み切ることで、簿記3級はどのような内容を学ぶのか?というのを大まかに把握することを意識しました。

通読により必要な勉強時間をイメージする

石山:簿記3級の独学にかかる時間は人によって異なることは先程も述べましたが、どのくらいの勉強時間がかかるかイメージするためにも、まずはテキストを通読することをおすすめします。

私は勉強初日に1冊を読み切り、おぼろげながらではありますが、簿記3級は何を学び、どれくらいの勉強時間がかかりそうかというのを掴みました。
1日で読み切るのは大変でしたが、簿記3級の概要を最初に把握できたのはよかったと思います。

もちろん私のように1日で通読する必要はありませんので、各自のペースで進めてみてください。

テキストの通読を繰り返す(20回以上)

石山:次に、テキストの通読を繰り返しました。私はこの段階をとても重視しました。

繰り返し読むことでテキストの内容を理解する

石山:テキストを1度通読しただけではわからなかったことも、通読を繰り返すことによって、自然に理解できるようになってきます。
通読の繰り返しでは、「本文に書かれていることを頭で理解する」ことを意識していました。

まだこの段階では、テキストにある例題を解くことはしていません。
例題の答えもテキストに写し、読むことをひたすら繰り返しました。

通読の繰り返しは20回以上がおすすめです。
ページをめくっただけでそのページに何が書かれているか瞬時にわかり、かつ、その内容が理解できるようになるまで通読を繰り返すのがよいかと思います。

問題集・過去問を解いて、苦手分野を克服する

石山:テキストの通読が終わったあと、実際に問題を解きはじめました。
テキストにも問題が掲載されていますが、、問題数がそれほど多くはありません。
そのため、別途問題集や過去問を購入して勉強を進めました。

実際に問題を解いてみると、理解が甘かった箇所や、苦手分野がわかってきます。
そのような箇所についてもう一度テキストを読み、問題を解くことを繰り返し、問題に慣れていきました。

苦手分野を克服する重要性

石山:簿記3級の合格のためには100点中、70点以上の得点で合格できます。
70点というと多少苦手な分野があっても、ほかでカバーできると思いがちですが、簿記の場合これは通用しません。
簿記3級の勉強では、苦手分野を徹底的につぶしていくことが大切だと思います。

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簿記3級の独学に必要なもの

テキスト・参考書

まず独学で簿記3級合格を目指す場合に必要になるのがテキスト・参考書です。

現在は動画サイトなどで無料で学べるコンテンツもあります。しかし、初心者がこれから学び始める場合は体系的にまとめられたテキストを用意することをおすすめします。

さまざまな種類が出版されていますが、何冊も購入する必要はありません。自分が理解しやすいと思うものを1冊用意すれば十分です。

もっと詳しく 簿記3級の独学におすすめのテキスト

過去問、演習問題などの問題集

テキスト・参考書とは別に、問題集も用意しましょう。

簿記3級には、演習問題が多く出題されます。そのため、繰り返し問題を解くことでどんな問題が出題されても解答できるよう練習しておく必要があります。

テキストにも例題は記載されていると思いますが、練習を繰り返すには少なく感じる場合もあるかもしれません。
そのため、過去問集や予想問題集を何度も解き、正答率を上げられるようにするとよいでしょう。

電卓

簿記の試験は、会場に電卓を持参して挑むことができます。
家などに用意がないという方は、勉強を始める段階で購入しておくことをおすすめします。使い方を手になじませておくと本番でもミスしづらくなるでしょう。

ちなみに、電卓の桁数は12桁のものを用意しておくと安心です。

なお、以下のような機能がある電卓は禁止されています。事前に確認しておきましょう。

  • 印刷ができるもの
  • 音が出るもの
  • 辞書機能あるものや文字入力ができるもの
  • 関数電卓や原価計算などができるもの
    ※税計算・検算・換算、日数や時間の計算の機能は認められています

出典 日本商工会議所 簿記3級 試験科目・注意事項

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簿記3級の独学におすすめのテキスト

テキストは自分に合ったものを選ぶ

インターネットで「簿記3級 テキスト」「簿記3級 参考書」などの検索をすると、たくさんのテキストが出てきますし、それらのテキストに対する評価や口コミを見ることもできます。
今の時代であれば、ベストセラーになっているテキストを中身を見ずに購入する方も多いのではないでしょうか。

テキストには相性がある

しかしながら、簿記3級の独学では、そういった選び方はおすすめしません。
その理由は、テキストは人によって相性があるからです。
「AさんにピッタリのテキストであってもBさんには全然合っていない」こともありえます。

簿記3級のテキストを選ぶ際には、実際に中身を見て「これで勉強したい」と思えるテキストを選びましょう。

独学合格を目指す方必見!簿記3級おすすめテキスト

そうはいっても、どのようなテキストを選べばよいかわからない方のために、おすすめのテキストを2冊紹介しましょう。

おすすめ① 『日商簿記3級 光速マスターNEO テキスト 〈第6版〉

・東京リーガルマインド LEC総合研究所 日商簿記試験部 著

このテキストは「八百屋の源さん」というキャラクターが登場し、会話形式で簿記3級についての学習を進めていく仕様になっています。
会話形式でイラストも多く入っているので、とてもわかりやすく、インプットしやすい内容です

現在出版されているものは2022年度出題区分表に対応しており、最新の出題傾向を把握することが可能です。

参考 Amazon 日商簿記3級 光速マスターNEO テキスト 〈第6版〉

おすすめ② 『スッキリわかる 日商簿記3級 第14版 テキスト&問題集

・滝澤 ななみ 著

図表が豊富で視覚でわかりやすいテキストです。
一般的な言葉を用いて簡潔な説明が施されているため、簿記初学者におすすめの1冊となっています。

また、ネット試験にも対応しており、模擬試験プログラムを付属。配点の高い仕訳科目の対策としてスマホで問題が解けるアプリつきというのもポイントです。

参考 Amazon スッキリわかる 日商簿記3級 第14版 [簿記検定 Webアプリ仕訳猛特訓+模擬試験プログラム+解き方講義動画&ワンポイントWeb解説]

テキスト選びのポイント①:わかりやすい参考書を選ぶ

簿記3級に限らずどのような勉強でも「わかる・簡単だ」と思えるかどうかがとても大切です。
そう思えられると簿記3級が好きになりますし、勉強をもっとしたいと思うでしょう。
そのため、自分に合った参考書を選ぶことは、簿記3級合格に向けてとても大切なステップになります。

テキスト選びのポイント②:必ず最新のテキストを選ぶ

簿記3級は年によって試験範囲の改定が入る場合があります。
購入するテキストや問題集は最新のものを選びましょう。

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独学で簿記3級に合格するためのポイント

「仕訳」を完璧にすること

簿記3級の合格に大切なことは仕訳を完璧にマスターすること、それに尽きます。
簿記3級の試験ではいくつもの取引を仕訳し、それを試算表にまとめていきます。

例えば、10個の取引があったとします。
10個のうち、1個の仕訳がわからず仕訳を逆に書いてしまったとします。
そうすると試算表の数値も狂ってきてしまいます。
1個仕訳を逆にしてしまっただけならまだしも、もし仕訳に2個、3個わからないものがあると取り返しがつかないことになりかねません。

苦手分野を徹底して対策するのがポイント

苦手分野の勉強を回避した影響で、合格ラインに届かないこともありえるのが簿記の世界です。

例えば簿記3級の場合、手形取引の仕訳を苦手とする方が多くいらっしゃることでしょう。
しかしながら仕訳問題は点が取りやすく、落としたくない科目です。

苦手分野をあきらめることなく、テキストを読み、問題を解くことを繰り返してください。
仕訳さえ完璧にできれば合格できる、それが簿記3級です。

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2023年度 日商簿記検定3級 試験日程

2023年度 統一試験日程(簿記1~3級)

  • 第164回:2023年6月11日(日)
  • 第165回:2023年11月19日(日)
  • 第166回:2024年2月25日(日)※2級・3級のみ

簿記3級の試験は年3回、2月・6月・11月に実施されています。
今から独学で簿記3級に合格したいと思っている方は、まず正確に試験日程を把握しましょう。

また、2020年12月より随時受験可能なネット試験方式が導入されています。
ネット試験であれば、休止期間を除きほぼ毎日受験が可能となっています。

まず、戦略を立てスケジュールを明確にする

試験日程を正確に把握することで、試験日まで、何をどう勉強するかと戦略が立てられます。
簿記3級は、1週間ほどの勉強で合格できる方もいますが、一般的には100時間の勉強が必要だといわれています。
試験日を把握し、一日何時間勉強できるかイメージし、いつから勉強を始めるべきかを明確にするのは、簿記3級合格のためにとても有効な戦略だといえるでしょう。

ネット試験の試験日程

簿記3級・2級では統一試験(ペーパーテスト)のほかネット試験も実施されています。

ネット試験の日程は各インターネット試験会場により決定されています。ご自宅での受験はできませんのでご注意ください。

また、統一試験の前後には3級・2級ネット試験の施行休止期間が設定されています。
下記の期間はネット試験の受験ができませんので、受験のスケジュールや学習計画を立てる際はあらかじめご確認ください。

■日商簿記検定試験(2級・3級)ネット試験 施行休止期間

  • 2023年4月1日(土)~ 2023年4月13日(木)
  • 2023年6月5日(月)~ 2023年6月14日(水)
  • 2023年11月13日(月)~ 2023年11月22日(水)
  • 2024年2月19日(月)~ 2024年2月28日(水)

ネット試験に関しては以下のページでも解説しています。

関連記事 簿記試験(日商簿記検定)の試験日程、申し込み方法、試験時間や出題科目などを解説!ネット試験についても紹介します

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簿記3級を取得するメリット

ビジネスに必要不可欠なスキルを身につけることができる

簿記3級は、小学生から大学生、社会人、ご高齢の方まで、幅広い方々が受験しています。

誰でも受験することが可能で、専門的な会計・経営管理の知識やスキルを習得でき、ビジネスに役立つのが簿記3級のメリットです。

あらゆる職種で有効なビジネススキル

また、簿記は、経理・財務担当者だけでなく、あらゆる企業、職種に携わる人たちに有効的なビジネススキルであるともいえます。

特に、日商簿記が採用している「複式簿記」は、数多くの複雑な企業取引を、数少ない取引要素で分類・整理し、総合的な経営情報を提供するのに適しており、企業の収益はこれにより求められます。
そのため近年、多くの企業が採用や人事制度、自己啓発に活用しており、取得を奨励しています。

会社経営について理解でき、ビジネスに活かせる

簿記3級を取得して得られるメリットの1つとして、会社の経営について理解できるようになる点が挙げられます。

簿記3級では、簿記の基礎的な事項や仕訳、損益計算書や貸借対照表と財務諸表などについて学ぶため、経営状況などを判断できるようになるでしょう。

簿記3級のスキルを活かせる例

例えば、営業職の方であれば、クライアントの経営状況を理解できるようになるため、営業やアプローチの方法が検討でき、案件を獲得できる可能性が上がるかもしれません。

経理部門の方であれば、経費などの処理をおこなう際に簿記3級の知識を活かすことができ、諸経費や税金などについても理解できるでしょう。
決算や会計処理などの業務がはかどるようになるかもしれません。

簿記2級・1級や他難関資格取得への足掛かりになる

上述のとおり、簿記3級では簿記の基礎的な内容について学びます。

簿記2級・1級の基礎知識が習得できる

履歴書などに記載することで、経理部門などへの就職・転職時には有利になるともいわれている簿記2級や簿記1級の資格取得を検討されている方は、簿記3級の資格取得をされることで簿記2級、1級の資格取得に必要となる簿記の基礎知識を得られるでしょう。

簿記2級の商業簿記は簿記3級の応用

簿記3級の出題範囲は商業簿記になりますが、簿記2級でも商業簿記が出題されます。

簿記2級では、商業簿記において、簿記3級の出題範囲ではなかった新しい論点(例えば連結会計、税効果会計、外貨建取引など)が加わります。いわば簿記3級の応用といったところでしょう。
また、簿記2級では、工業簿記が出題範囲に加わります。

難関資格への第一歩として簿記3級を受験しよう

また、税理士や公認会計士、ファイナンシャルプランナー、中小企業診断士など、会計の知識が求められる難関資格の受験を検討されている方は、会計に関する知識が求められるため、まず資格取得の第一歩目として簿記3級の資格を取得されるとよいかもしれません。

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より確実に簿記3級に合格するためには

学校(スクール)に通う、または通信講座の受講が合格の近道

より確実に、そしてスムーズに合格を目指すには、学校(スクール)に通う、または通信講座の受講がおすすめです。
簿記3級の試験は、苦手分野を放置してしまうと合格はままなりません。
そして、苦手分野を克服するのは口でいうほど簡単ではありません。
合格のノウハウが充実し、試験対策がしっかりしているスクールの講座を受講するのは、有効な手段といえるでしょう。

リーズナブルな講座の場合、通信講座で1万円未満、通学講座で3万円未満で受講できるものもあります。
確実に合格したい方は、スクールの講座受講が推奨されます。

簿記試験合格を目指せるおすすめスクール

大栄のオンライン講座(通信)

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ヒューマンアカデミー/通信講座(通信)

試験の頻出ポイントをバランスよく学び、無理なく合格を目指す

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資格スクール大栄

監修者プロフィール

この記事を監修したのは

佐久間 清光 氏

公認会計士:佐久間 清光 氏

有限責任あずさ監査法人のパートナー(2018年退任)
さくま会計事務所の所長(現任)
監査法人MMPGエーマック代表社員(現任)
フェリス女学院の監事(現任)
神奈川大学の非常勤講師(現任)
さくま式簿記講座の講師(現任)

>>【さくま式 簿記講座】のホームページはこちらから

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複数の学校や講座の資料請求を行い、比較してからの講座受講をおすすめします。
学校によって受講料や学習サポート、カリキュラム、割引制度などが違いますので、資料を取り寄せてご自身にあった学校を選んでみてはいかがでしょうか。

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