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【2025年最新版】日本語教員試験の対策ガイドまとめ|合格率・出題内容を完全解説

日本語教師の国家資格である登録日本語教員。国家試験なだけあって、難易度の高い試験です。

今回は、日本語教員試験の合格率や出題内容、試験の難易度から、初心者・現職者向けの対策ルート、おすすめ教材までを網羅的に解説します。

最新情報と実践的なアドバイスをお届けするので、これから受験を考えている方はぜひ参考にしてみてください。

更新日:2025-12-04(公開日:2025-12-04)

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ACCEL JAPAN アンバサダー 岡田結実
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日本語教員試験の合格率

第一回日本語教員試験の結果

2024年11月17日に実施された第1回日本語教員試験についてご紹介します。

試験全体の結果は次のようになりました。

受験者(人) 17,655
合格者(人) 11,051
合格率(%) 62.6

初めての実施でしたが、受験者数は1万7,000人を超えています。日本語教師の国家資格ということもあり、人々の関心の高さがうかがえます。

全体の合格率は62.6パーセントと、比較的難易度が高くない試験のように見えます。しかし、初学者だけでなく現役の日本語教師も受験している点は注意が必要です。

現職者は経過措置対応を受けられます。そのため、合格者の中には全試験免除(基礎試験・応用試験)者も含まれており、その分合格率が高くなっています。

試験免除状況別に合格率を見てみましょう。

対象者 受験者数(人) 合格者数(人) 合格率 (%)
全試験受験者:A
(基礎試験・応用試験の受験)
試験ルート/F 3,947 366 9.3
基礎試験免除者 :B
(応用試験のみ受験)
養成機関ルート/C/D-1/D-2 7,750 4,727 61.0
全試験免除者 E-1/E-2 5,958 5,958
AとBの合計 試験ルート/養成機関ルート/C/D-1/D-2/F 11,697 5,093 43.5

状況別に合格率を比較すると、全試験受験者は9.3パーセント、基礎試験免除者は61パーセントと、大きな差が生じています。

さらに、受験者のルートごとの合格率を見てみましょう。

受験者数
(X)
基礎試験
合格者数
応用試験
合格者数(Y)
合格率(%)
(Y/X)
試験ルート 3,681 323 322 8.7
養成機関ルート 2024度試験の出願時点では登録日本語教員養成機関が存在しなかったため、該当者なし。
経過措置 Cルート 5,530 免除 3,365 60.8
D-1ルート 1,539 免除 928 60.3
D-2ルート 681 免除 434 63.7
E-1ルート 1,228 免除 免除
E-2ルート 4,730 免除 免除
Fルート 266 44 44 16.5

全ルートのうち、最も合格率が低いのは試験ルートの8.7パーセントです。こちらは、未経験者かつ独学、試験免除なしの受験者であるため、試験対策への難しさがうかがえます。

同じく試験免除がないのはFルートです。こちらは現職者向けのルートで、合格率は16.5パーセントでした。試験ルートよりは合格率が高いものの、難易度の高さがうかがえます。

しかし、試験ルートもFルートも基礎試験と応用試験の合格者数はほとんど変わりません。つまり、基礎試験でふるいにかけられる方が多いものの、基礎試験の内容がしっかり習得できていれば応用試験の合格は比較的難しくないと考えられます。

応用試験のみを受験したD-1、D-2ルートを見てみましょう。こちらは現職者向けのルートで、どちらも合格率が6割を超えています。応用試験は、教育実践に関連した出題であるため、現場での実務経験が生きてくるのだと思います。とはいえ、試験対策をまったくしないで合格できるほど易しい試験ではないため、現職者といえども準備が必要です。

Cルートは応用試験のみの受験ですが、現職者も未経験者も対象としたルートです。こちらも合格率が約6割という結果です。ただし、Cルート内の現職者と未経験者の比率は分からないため、未経験者も6割の確率で合格するとは限りません。

こちらのルートは「必須の50項目に対応した課程」を受講した方が対象です。学習環境が整っている分、必要な知識を身につけやすいため、試験ルートよりハードルが低いと考えられます。

尚、初年度は登録日本語教員養成機関が開講されていなかったため、第一回試験では養成機関ルートでの受験者はいません。

日本語教員試験の難易度は?

前述のとおり、受験ルートによって難易度が大きく変わります。

特に試験ルートは合格率が8.7パーセントと、一筋縄ではいきません。両試験を受験するため、基礎試験が最大の関門となります。まずは基礎試験突破を目指して、試験範囲の内容をバランスよく身につけることが大切です。

一方、応用試験のみのルートは、合格率が60パーセント前後で推移しています。特に現職者は、基礎知識が身についていること、実務経験を積んでいること、基礎試験が免除されることといったアドバンテージが合格を後押ししていると考えられます。

合格率が6割というと、あまり難しくないように感じるかもしれませんが、現職者でも4割の受験者がふるいにかけられている点には注意が必要です。実務経験があれば誰でも合格できるというわけではなく、試験対策をする必要があります。

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日本語教員試験の出題内容は?

試験の形式・出題範囲

日本語教員試験の試験内容について具体的にご紹介します。

試験の形式

基礎試験 応用試験
出題方法 選択式マークシート(1問1点)
100問
選択式マークシート(1問1点)
読解:60問 聴解:50問

令和7年度日本語教員試験のサンプル問題を見ると、両試験とも4択のマークシート形式となっています。

記述問題はありませんが、問題文が長文なもの、複数資料を見て解答するもの、聴解問題があるため、単純な知識問題だけでなく文章の読解力や設問の意図を読み取る力、情報を理解・解釈する力が求められます。

また、基礎試験にも応用試験にも専門用語が頻出します。設問文にも解答文にも使われているため、用語を理解していることが前提の出題です。

さらに、基礎試験のサンプル問題には「日本語教育の参照枠」に関する出題があります。「日本語教育の参照枠」とは、文化庁が2021年に取りまとめたものです。本番の試験でも最近の動きを踏まえた内容が出題されることが予想できます。

出題範囲

基礎試験 応用試験
出題内容 日本語教育に必要な基礎的な知識・技能を問う。
1、社会・文化・地域
  出題割合:約1割~2割
2、言語と社会
  出題割合:約1割
3、言語と心理
  出題割合:約1割
4、言語と教育(教育実習を除く)
  出題割合:約3割~4割
5、言語
  出題割合:約3割
基礎的な知識・技能を活用した問題解決能力を問う、領域を横断した出題。
聴解問題では、日本語学習者の発音や教員とのやりとりを聞いて、実際の指導に即した問題が出題される。

日本語教員試験の特徴の1つとして、試験内容の範囲の広さが挙げられます。基礎試験は区分ごとの出題、応用試験は領域横断型の出題です。

採点基準

基礎試験 応用試験
合格のライン 出題範囲の5区分において、各区分6割程度の得点かつ、総合得点8割程度。 総合得点で6割程度。

基礎試験は、出題内容の各区分で6割以上かつ総合得点で8割以上の得点が求められます。どの分野も一定以上の理解が求められるため、苦手な分野の切り捨てができません。裏を返すと、基礎試験に合格できる力があれば、領域横断型の応用試験に対応する力が身についていると考えられます。

両試験を受験する方はもちろんのこと、応用試験のみ受験する場合も、出題範囲の5区分をバランスよく身につけていることが大切です。

試験の時間配分は?

基礎試験 応用試験
試験時間 120分 読解:100分 聴解:50分

前述したように、長文読解や複数資料の読み取りがあるため、「時間が足りない!」という状況も想定されます。そのため、あらかじめ時間配分の目安を設けておくと安心です。

時間配分の例

基礎試験(120分/100問) 応用試験
読解(100分/60問) 聴解(50分/50問)
1問につき1分程度(100分)+見直し時間(20分) 1問につき1分半程度(90分)+見直し時間(10分) 1問につき1分

長い文章や資料を読む問題がありますが、時間配分を決めておくと焦らずに問題文を読み込む時間を確保できます。

本番の試験も落ち着いて取り組めるように、過去問などを解く際は時間を測ってみることをおすすめします。

2023年に実施された試行試験のアンケートによると、基礎試験・応用試験(読解)の解答時間は「ちょうど良い」「長すぎる」という意見が多くありました。

一方で、応用試験(聴解)は「短すぎる」という声が2割以上ありました。限られた時間で解答できるように、音声が流れる前に設問文を先に読んでおく、選択肢の内容に目を通しておくといった工夫をしてみましょう。

第1回試験の受験者によると、聴解問題は音声が1度しか流れません。必要な情報を逃さないように集中力が求められます。ただし、令和7年度日本語教員試験では、聴解試験は最後の実施となります。基礎試験から受験する場合、朝から試験に取り組んでいるため、聴解試験のころには集中力が切れてしまう恐れがあります。

両試験を受験する方は、当日の試験の順番(基礎試験、読解試験、聴解試験の順)で、過去問などに取り組んでみると、集中力を鍛える練習にもなると思います。

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初心者向け 試験ガイド

これから日本語教師になりたい方に向けた試験ガイドをご紹介します。

国家資格取得ルート

これから日本語教師になりたい方が国家資格を目指す場合、「養成機関ルート」「試験ルート」「Cルート」があります。

養成機関ルート 試験ルート Cルート
① 登録実践研修機関と登録日本語教員養成機関の登録を受けた機関で課程を修了する ② 登録日本語教員養成機関の登録を受けた機関で課程を修了する 独学で試験を目指す 4大卒以上の者で「必須の50項目に対応した課程」修了する
基礎試験 免除 免除 免除
応用試験
実践研修 養成課程で実施 免除

養成機関ルートは、日本語教師に必要な知識・スキルを学べる養成機関でカリキュラムを修了するルートです。養成機関に通うための費用がかかりますが、試験免除の優遇措置があるため応用試験のみの受験となります。

登録日本語教員の資格を取得するには、国家試験合格後に実践研修をする必要があります。しかし、①のルートでは、養成機関で実践研修を行うことができるため、試験後の負担が軽減されます。

試験ルートは、独学で国家試験を目指すルートです。2つの試験を受験することになりますが、養成機関に通わない分、学費がかからず自分のペースで学習を進められます。

Cルートも養成機関で学習するルートです。4大卒以上で「必須の50項目に対応した課程」を修了するという条件を満たすと、基礎試験・実践研修が免除されます。ただし、2033年3月31日までの経過措置対応であるため、期限を過ぎるとこのルートは活用できなくなります。

それぞれの特徴を踏まえて、自分に合うルートを選択しましょう。

初心者向けの試験対策

まずは試験範囲の5区分を学習しましょう。特に基礎試験を受験する場合は、各区分で6割以上の得点が必要になります。苦手な分野は切り捨てられないため、すべての区分をバランスよく身につけることが大切です。

同時に、総合得点は8割程度が求められます。苦手を克服しつつ得意な分野は手堅く点を取れるように、知識をしっかりと身につけましょう。

応用試験のみを受験する場合も、5区分の学習は必須です。領域横断型の出題であるため、5区分の内容を理解できていることが前提となります。また、応用問題は教育実践に関連した内容です。まだ日本語教師として働いた経験がない方にとっては、イメージしにくい点もあると思います。日本語教育のケーススタディを扱った書籍も出版されているため、教育現場について知りたい方にはおすすめです。

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現職者向け 試験ガイド

すでに日本語教師として活躍している方に向けた試験ガイドをご紹介します。

経過措置ルート

現職者の方は経過措置対応の活用がおすすめです。条件によっては試験が免除されるため、自分がどのルートに該当するのか確認しましょう。

Cルート D-1ルート D-2ルート E-1ルート E-2ルート Fルート
期間 2033年3月31日まで 2029年3月31日まで
現職者を問わない
●4大卒以上
●「必須の50項目に対応した課程」修了
現職者
「必須の50項目に対応した課程」以前の課程を修了 「日本語教育能力検定試験」に合格 左記以外の現職者
指定の養成課程以外で5区分の教育内容を学習 Cルート、D-1に該当しないものの現行の要件に当てはまる課程を修了 1987年4月1日から2003年3月31日までに合格 2003年4月1日から2024年3月31日までに合格
研修
(認定試験あり)
講習Ⅱの受講 講習Ⅰ・Ⅱの受講 講習Ⅰ・Ⅱの受講 講習Ⅱの受講
基礎試験 免除 免除 免除 免除 免除
応用試験 免除 免除
実践研修 免除 免除 免除 免除 免除 免除

経過措置は期間限定の対応です。Cルートは2033年3月31日まで、他の経過措置ルートは2029年3月31日までとなっているため、国家資格に興味がある方は経過措置を受けられる期間内に受験することをおすすめします。

尚、全試験免除の場合も、日本語教員試験の出願は必要です。詳しくは日本語教員試験のホームページなどで確認しましょう。

現職者向けの試験対策

現職者の方は教育現場に身を置いているため、すでに知識やスキルを身につけていると思います。しかし、試験の形式に慣れていないと、知っている内容でも解答に時間がかかったり、正しく答えられなかったりする恐れがあります。

出題形式に慣れるためには過去問やサンプル問題に取り組むことが有効です。出題意図や選択肢の構造を分析することで、知識を整理して定着させることができます。

すでに知識がある方はゼロからの学習は必要はありませんが、授業経験を理論に結び付ける視点を意識して演習問題に取り組みましょう。

また、試験には専門用語が頻出します。よく使う言葉でも、現場での理解と試験における用語の理解にズレが生じている場合もあります。「そういえば、この用語ってどういう意味だろう?」と感じたら、一度立ち止まって内容を確認することが大切です。

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おすすめ教材・講座

日本語教育能力検定試験の過去問の活用

国家試験を受験するにあたり、過去問に取り組むことは重要です。しかし、日本語教員試験は実施回数が少なく、過去問が一般に公開されていません。

そこで、役立つのが「日本語教育能力検定試験」の過去問です。こちらは日本語教員試験と出題範囲が重複しているため試験対策に最適です。試験としての歴史も長いため、過去問が豊富にあります。

ただし、出題形式は実際の日本語教員試験とは異なる点に注意しましょう。日本語教員試験はサンプル問題が無料で公開されています。一度目を通しておくと、本番の試験のイメージがつきやすいです。

養成機関の試験対策講座がおすすめ

養成機関の中には、国家試験対策講座を開講しているところがあります。養成機関に通っている方も、通っていない方も、試験対策が不安な方におすすめです。

国家試験を意識した演習問題の講座や日本語教育能力検定試験の過去問解説講座などがあります。

プロ目線の解説を学ぶことで、「優先して勉強すべきところ」や「ヒントの見つけ方」、「選択肢の絞り方」などがわかり、効率的に試験対策を進められます。

「養成機関に通学する時間がとれない」という方も、オンライン講座を開講しているスクールなら自分のペースで学習できます。

尚、あくまで試験対策講座であるため、試験ルートの方が受講しても応用試験の免除はありません。

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まとめ

日本語教員試験の合格率は、試験ルートなら8.7パーセント、応用試験のみの受験なら約60パーセントという結果でした。初心者なのか現職者なのか、試験免除の措置があるかどうかによって合格率が大きく異なります。

難しい試験ではあるものの、自身のルートにあった試験対策を行って合格を目指しましょう。

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