ペット介護士と動物介護士の資格の違いは?
ペット介護士と動物介護士の主な違いは次のとおりです。
ペット介護士 | 動物介護師 | |
---|---|---|
運営元 | 世界の名犬牧場・がくぶん | 日本能力開発推進協会 |
取得条件 | 認定講座修了後、最終課題に合格 | 教育訓練修了後、在宅試験に合格 |
通信講座 | がくぶん 学習期間:約6ヶ月 費用:39,900円(税込) |
キャリカレ 学習期間:約4ヶ月 費用:50,600円(税込) |
学習内容 | ペットの飼育における健康管理 | シニア期の犬・猫の介護知識 |
※2023年12月26日時点の情報です。
※本ページに掲載している講座の内容や料金は変更になる場合がございます。
運営元の違い
ペット介護士と動物介護士の資格は運営元が異なります。
ペット介護士は、「世界の名犬牧場」と通信講座の「がくぶん」が共同で認定する資格です。動物介護士は、「一般財団法人日本能力開発推進協会」が認定する資格で、通信講座の「キャリカレ」が認定教育機関となります。
取得条件の違い
ペット介護士は、認定講座の「ペット介護士養成講座」を修了後、認定試験を兼ねた最終課題に合格することで資格を取得できます。
動物介護士は、認定教育機関などが行う教育訓練(通信講座での学習が可能)で、全てのカリキュラムを修了後、在宅試験に合格することで資格を取得できます。尚、試験は得点率70パーセント以上が合格です。
ペット介護士も動物介護士も通信講座で学習できますが、資格取得までの条件が少し異なります。ペット介護士は課題での認定ですが、動物介護士は資格試験があるため、やや難易度が高いといえます。しかし、在宅での試験のため事前にしっかりと試験対策をすれば、初心者の方でも合格は可能です。
通信講座の違い
ペット介護士は「がくぶん」、動物介護士は「キャリカレ」で通信講座の受講が可能です。それぞれの講座内容は次の通りです。
「がくぶん」ペット介護士養成講座
学習期間:約6ヶ月
費用:39,900円(税込)
入会金は不要で、月々3,500円(12回払い)の分割払いも可能です。尚、初回のみ4,033円となります。
学習方法:テキストと映像(DVD)での学習です。また、eラーニングに対応しており、スマートフォンやタブレットでの学習も可能になりました。課題提出もスマートフォンで行えます。スクーリングが不要のため、いつでもどこでも学習を進められます。
※2023年12月26日時点
「キャリカレ」動物介護士&介護ホーム施設責任者 W資格取得講座
学習期間:約4ヶ月
費用:50,600円(税込)
入会金は不要で、月々2,440円(24回払い)の分割払いも可能です。尚、Web割引価格の場合となります。
学習方法:テキストと映像教材での学習です。本講座はスクーリング不要ですが、講座終了後の受講生向けに、一人ひとりの要望に合わせたスクーリング研修も開講しています。
備考:本講座は、動物介護士の資格のほかに、動物介護ホーム施設責任者の資格についても学習できます。
※2023年12月26日時点
学習カリキュラムの違い
「がくぶん」ペット介護士養成講座と「キャリカレ」動物介護士の学習カリキュラムをご紹介します。
「がくぶん」ペット介護士養成講座
・ペットの基礎知識
初めてペットを迎える際の準備や鳴き声・しぐさの意味など、ペットの基礎知識を学習します。
・ペットの健康管理や病気のケアの仕方
病気になりにくい食事や病気の初期症状の見分け方、投薬方法や診察時の保定方法など、病気の予防からケアの方法まで学習します。
・ペットの飼い方・しつけ方
むだ吠えや爪とぎなどの問題行動に対して、ペットの性質をふまえたしつけ方法を学習します。
・ペットのグルーミングテクニック
グルーミングとはペットの身体の手入れのことです。毛や耳、歯などを清潔に保つことはペットの健康維持につながります。これらの手入れについて、道具の使い方や被毛の種類別の手入れ方法などを学習します。
「キャリカレ」動物介護士
・シニア期の基礎知識
犬・猫の老化のサインや運動・住環境の見直しなど、老犬・老猫に関する基礎知識を学習します。
・シニア期の介護に関する基礎知識
食事や排せつ、歩行などの介護方法を学習します。介護に役立つグッズについても学びながら、具体的な介護方法を身につけます。
・シニア期の病気の基礎知識
異変に対して早期発見できるよう、病気のサインや病気の基礎知識を学習します。また、薬の飲ませ方や病院で行っている検査など、病気への対応方法も学びます。
資格取得を目指すならどっちがおすすめ?
難易度で選ぶなら
資格試験の有無
ペット介護士の資格取得は最終課題に合格することですが、動物介護士には資格試験があります。資格試験がある分、動物介護士の方がやや難易度が高いといえます。そのような点で選ぶなら、ペット介護士の方が目指しやすいかもしれません。しかし、動物介護士の試験は在宅受験のため、事前にしっかりと試験対策を行えば、初心者の方でも合格は可能です。
資格取得までの期間
通信講座での学習期間は、ペット介護士が約6ヶ月、動物介護士は約4ヶ月です。学習期間で比べると動物介護士の方が早く学習を修了できるため、目指しやすいかもしれません。
ただし、それぞれの学習期間はあくまでも標準学習期間であるため、学習する人によってはスピードが早い方、ゆっくりな方がいると思います。「がくぶん」は12ヵ月、「キャリカレ」は最長700日の学習サポート期間が設けられているため、学習ペースがゆっくりな場合でも安心して学習を続けられます。
費用で選ぶなら
「がくぶん」のペット介護士養成講座の費用は39,900円(税込)※2023年12月26日時点、「キャリカレ」の動物介護士の講座費用は50,600円(税込)※2023年12月26日時点です。「がくぶん」の講座の方が費用を抑えて受講できます。尚、「キャリカレ」の講座は介護ホーム施設責任者の資格も合わせて学習できるため、こちらの資格も取得したい方にとってはお得なコースです。
資格取得の目的で選ぶなら
ペット介護士と動物介護士の資格には学習内容に違いがあるため、ご自身の資格取得の目的によって、選ぶ資格は変わってきます。
主な学習内容は次のとおりです。
動物介護士(ペット介護士) | 動物看護師 |
---|---|
ペットの飼育における健康管理 | シニア期の犬・猫の介護知識 |
2つの資格を比べると、ペット介護士はペットを飼育する際の健康管理全般、動物介護士はシニア期の動物介護に特化した学習内容となります。
「ペットホテルで働いているから、ペットの健康面についてもっと勉強したい!」
「ペットショップで働いているけれど、ペットの健康に関する相談に答えられるようになりたい!」という方はペット介護士がおすすめです。
「老犬ホームで働きたいから、シニア期の介護の方法を身につけたい!」
「飼っているペットの老後を見据えて、介護の知識を習得したい!」という方は動物介護士がおすすめです。
資格を何に活かしたいか考えることで、どちらの資格を学習したらよいか見えてくると思います。
仕事に役立てるなら
ペット介護士も動物介護士も、どちらも履歴書に記述できる資格です。国家資格ではないため、「〇〇で働くならペット介護士を取らないといけない」「動物介護士を取得しないと□□の職業に就けない」といったことはありません。
しかし、就職活動の際には、「学習したことを業務のこんなところに活かしたい」とアピールすることは可能です。もちろん、すでにペット業界などで働いている方は、日々の業務に資格で身につけた知識を活かすことができます。
尚、「キャリカレ」の動物介護士&介護ホーム施設責任者 W資格取得講座では、介護ホーム施設責任者の資格取得も可能です。この資格は、動物介護施設の開設や運営に必要な設備・管理方法などの専門的知識を証明する資格です。将来、動物介護施設を開設したい、動物介護施設で働きたいという方にとっては、「キャリカレ」の講座がおすすめです。
資格取得のポイント
ペット介護士、動物介護士の資格を目指す際のポイントを解説します。
ペット介護士は、カリキュラム修了後、課題に合格することで資格取得できます。そのため、こつこつと学習を進めて学習内容を身につけることが大切です。標準学習期間は約6ヶ月と、動物介護士よりも長いため、学習スケジュールを立てて勉強することがおすすめです。
動物介護士は、資格試験があるため試験対策が大切です。在宅での受験のため、テキストを見ながら受験が可能です。細かな内容の暗記よりも、学習した内容を理解しているかが大切です。試験前にはこれまでの学習内容を整理して試験に備えましょう。
ペット介護士・動物介護士の仕事
仕事内容
動物介護士(ペット介護士)は、シニア期を迎えたペットの介護を行う専門家です。日常生活が困難になってしまった犬や猫たちが最期まで穏やかに暮らせるように、サポートやリハビリを行います。犬・猫の介護では、次のようなことを行います。
食事の介護
犬や猫の年齢に合ったペットフードや流動食を準備したり、注射器を使った食事の介助など、動物の健康をサポートします。
歩行の介護
筋肉の衰えや下肢麻痺によって歩行が困難になることもあります。器具を使ったリハビリや車いすの活用など、ペットの歩行をサポートします。
排せつの介護
ペットが思うように排せつができないときは、下半身を支えたり、刺激を与えたりして排せつを促します。ペットに合ったオムツを選んで活用することもあります。
寝たきり状態のストレスを軽減
床ずれによる炎症を防ぐため、寝返りを打たせてペットの身体の負担やストレスを軽減させます。
活躍の場
動物介護士(ペット介護士)で身につけた知識・スキルを活かせる代表的な職場をご紹介します。
動物介護ホーム
動物介護ホームとは、シニア期を迎えたペットが終生の時間を過ごす施設です。動物介護ホームでは、犬や猫たちを預かり、世話や適切な介護を行います。ペットを預かる方法や期間は施設によって異なり、ショートステイや一生涯にわたるお世話などさまざまです。
ペットショップ
自宅でペットを介護する方は、飼い主自身で必要なペット用品を用意することになります。動物介護士(ペット介護士)は、介護を行う飼い主に対して、ペットフードやペット商品の選び方、薬の飲ませ方などのアドバイスを行えます。
動物病院
近年、ペットの飼育数増加に伴い、シニア期の犬・猫が動物病院を訪れる機会が増えています。そのような際には、動物介護士(ペット介護士)の専門知識の活用が期待されます。
平均給与
動物介護士(ペット介護士)の平均給与は、月給計算で約13万円から約15万円といわれています。年収に換算すると、約150万円から約180万円です。
国税庁の「令和3年分民間給与実態統計調査」によると、日本の平均年収は443万円であるため、動物介護士(ペット介護士)の給料は、日本の平均年収よりも低いというのが現状です。
愛玩動物看護師(国家資格)との違いは?
愛玩動物看護師とは?
動物介護士(ペット介護士)に似ている職業に、動物看護師があります。動物介護士(ペット介護士)との大きな違いは、国家資格の「愛玩動物看護師」を持っていないとできない職業という点です。
愛玩動物看護師
●取得方法
国家試験に合格することで資格を取得できます。尚、国家試験を受験するまでの主なルートは次の3つです。
・通常のルート…大学や養成所で必要な科目を修了した後、国家試験を受験する。
・既卒者・在学者のルート…一定のカリキュラムを学んで、講習会を受講後、国家試験を受験する。
・現任者のルート(5年以上の実務経験)…講習会を受けて予備試験に合格後、国家試験を受験する。
学習内容
・基礎動物学
・基礎動物看護学
・臨床動物看護学
・愛護・適正飼養学
動物の基礎知識や病気の知識、診療補助の技術などを学習します。
愛玩動物看護師ができること
獣医師の指示のもと、診療の補助などを行ったり、ペットの世話・看護・アドバイスなどを行ったりします。診療補助では、採血、投薬、マイクロチップの挿入、カテーテルによる採尿などを行います。
愛玩動物看護師とペット介護士・動物介護の違い
主な違いは次のとおりです。
動物介護士(ペット介護士) | 動物看護師 | |
---|---|---|
仕事内容 | 犬や猫の介護 | 獣医師の指示のもと、診療の補助や看護 |
資格 | 資格は必須ではない 民間資格が複数ある |
国家資格の取得が必須 |
活躍の場 | 動物介護ホーム ペットショップ など |
動物病院 動物介在教育・動物介在活動 など |
まとめ
ペット介護士と動物介護士の資格の違いを、運営元・取得条件・通信講座・学習内容に沿ってご紹介しました。犬・猫の健康や介護に関心のある方は、ぜひ、資格取得の目的や仕事への活用などを参考にどちらの資格を目指すか検討してみてください。