社会保険労務士(社労士)試験は独学でも合格することができる
社会保険労務士試験(社労士)は、平均合格率が5%前後の国家資格なので、数ある資格の中でも難しい部類の試験に入ります。
難しい部類の資格試験だと合格を勝ち取るため、通常、資格試験予備校に通ったり通信講座を利用される方がよいです。
しかし、社会保険労務士試験は、勉強に慣れている方であれば、資格取得を目指せる予備校や通信講座などを利用せずとも対応でき、合格者の約2割程度は独学という情報もあります。
独学で、社労士試験に合格した実例をいうと、例えば、5か月間の独学で試験合格をされた方もいらっしゃいます。
社会保険労務士(社労士)試験合格を目指し、独学で学習するメリット
社会保険労務士(社労士)の試験合格に向けて独学で学習を行うメリットについてご紹介いたします。
【社会保険労務士(社労士)を独学で学ぶメリット】
・テキストや問題集などの独学で必要な書籍をすべて揃えても15,000円程度と、費用が安く済ませられる
(資格試験予備校・200,000円程度、通信講座・100,000円程度)
・数千円の書籍を一冊購入して気軽に学習を始めることができる
社会保険労務士(社労士)試験合格を目指し、独学で学習するデメリット
続いて、社会保険労務士(社労士)の試験合格に向けて独学で学習を行うデメリットについて、下記の通りご紹介いたします。
【社会保険労務士(社労士)を独学で学ぶデメリット】
・スケジュール管理・目標設定が難しい
・不明点を専門家に聞くといった学習サポートもないため、挫折してしまう可能性がある
独学で学習を行う場合は、上記のように全て自分で進めたり、解決をしていかなければならないため、その部分が上手くいかないことにより、モチベーションの維持も難しくなってしまう可能性もあるでしょう。

社会保険労務士(社労士)試験を独学で合格するための勉強法
(1)学習計画を綿密にする
社会保険労務士(社労士)試験は数ある資格試験の中でも難易度が高い試験の一つです。
TACでは、5段階評価で上から2番目に難しい資格だと評価しています。
資格の難易度が高いのは、受験資格の制限があり受験者レベルが高いのに合格率が低い、合格基準点が設定されている以外にも、学習範囲が広いといった点があげられます。
受験範囲が広いと課題となるのは、学習量が多くなり、本試験日までに試験合格のためのベストな状態に持って行くことが難しいということです。
勉強開始時が遅すぎては、試験に間に合わなくなってしまう可能性もありますが、早すぎると忘れてしまう恐れもあります。
そのため、独学で学習し、社会保険労務士(社労士)試験に一発合格するためには、緻密な学習計画が必要となるのです。
社労士試験を独学で学習する場合の時間の目安は、約800~1,000時間です。
独学で学習する場合には、自分が一日どれくらい学習できるのかをまずは確認しましょう。学生の方などの比較的学習時間が取れる方で、一日10時間学習なら約80~100日、一日5時間の場合、約160日~200日あれば合格レベルまで到達できるでしょう。
お仕事をされている方の場合、一日2時間平均にすると無理がないためおすすめで、試験日より400~500日前に学習をスタートされるとよいでしょう。
試験は、択一式計7科目、選択式計8科目なので、計15科目を学習をしていく必要があります。いつまでにどこまでを学んでおく必要があるのかということを明確にし、日々進捗状況を把握し試験日にベストな状態に持って行くという社労士試験の勉強法がおすすめです。
(2)入門書を一読する
社会保険労務士(社労士)試験は、労働基準法及び労働安全衛生法・労働者災害補償保険法・雇用保険法などの法律科目がメインのため、学習する際の始めの一歩が難しいものであるといえます。
法学部を卒業されている方であったとしても、大学で中々学ぶことがない法律から出題されるため、学習当初は学習しにくいと感じることがあるかもしれません。
そのような事情があるので、テキストを学習する前に、社労士試験では入門書から読み進めるといった勉強法をおすすめいたします。
入門書を読むことにより、社会保険労務士試験で出題される法律科目に慣れることができ、また、試験で出題される法律の各々の関係が理解できるため、効率がよい学習方法の横断学習ができるようになります。
社会保険労務士(社労士)試験の独学で使える入門書はいろいろありますが、スムーズにテキスト学習に入るために分かりやすい書籍をおすすめします。分かりやすい書籍の基準は以下のとおりです。
[わかりやすい書籍のポイント]
・法律用語や条文の解説が初学者の方も覚えやすいように分かりやすく説明されている
・適時、図やイラストが利用されていて、ビジュアルからわかりやすい工夫がされている
入門書の中には、漫画となっているものもあるので、そういった入門書も理解しやすいのでおすすめです漫画による法律学習は、司法試験受験生や法科大学院生といった方々もされているようです。
(3)知識が身についたら問題演習をメインに学習する
問題演習を行うことで、社会保険労務士(社労士)試験を独学で学習している際に理解が及んでいない箇所や知識があやふやなところを明確に知ることができます。
そのような部分を特定し、テキストで不足している知識をインプットすると、社会保険労務士(社労士)試験に必要な学力水準まで持って行くことができるのでおすすめの勉強法です。
演習問題によるアウトプットはインプットの際にも役に立つといえます。
問題演習を何度も繰り返し解いていき、不明な箇所がなくなれば、合格に必要な知識が身についている証拠といえます。独学で演習問題をする場合に気を付けたいポイントは以下のとおりです。
[独学で演習問題を行う際に注意したいポイント]
・設問と解説が準拠していると効率的な学習が行えるので、テキストと問題集を活用する
・利用する書籍は、テキストと問題集(過去問メイン)で十分で、問題集をメインにして効率的な学習を図りこの2つを完璧に理解する
(試験は全体の6~7割合格ラインにですが(合格基準点あり)、基本事項からの出題が6~7割なので基本書と過去問だけの学習で合格水準に届きます。応用問題は基本知識の応用で対応し、利用するテキストと問題は絞って完全にマスターできるようにしましょう)
・社会保険労務士試験は、過去に出題された問題をアレンジして出題されることが多いので、過去5年程度の過去問を解く
(4)頻出問題は完璧に回答できるようにする
社会保険労務士(社労士)試験では、頻出問題というのがあります。
頻出問題を回答できるようにすると、合格ラインや合格基準点を超えられるようになるので、試験合格確率が上がるので社労試験の勉強法としておすすめです。
出題頻度が少ない問題の場合、考えても分からない場合があり、時間を多く取られてしまうので、本試験では捨てる(=解答しない)勇気も必要になります。
学習のすすめ方としては、頻出問題を把握し、全体の約8割程度を取れるようにしておくのがいいでしょう。
本試験では、模試より点数が低くなることが多いですが、8割程度取れていれば問題はないでしょう。
社会保険労務士試験の頻出問題を判断できない独学者の方も多いでしょう。ユーキャンの「2020年版ユーキャンの社労士速習レッスン」など、頻出度が書かれているものがあるので、それらを購入して参考にしてみるのもよいかもしれません。
頻出問題をみた際に、頭の中ですぐに解答できるようになっていたら、合格レベルに達しているといえるでしょう。
これを実現するためには、やはり反復学習が必要であるといえます。
問題集は持ち運びすることができるので、数分レベルのちょっとした隙間時間を有効利用して、反復学習をすすめておくとよいでしょう。

社会保険労務士(社労士)試験を独学で合格するためのおすすめテキストは?
社会保険労務士(社労士)試験は、資格試験の中でもかなり難易度が高いです。そのため、詳しくわかりやすく解説された参考書を選ぶようにしましょう。
法律の初学者の方が、分厚くて難解なテキストを購入したとしても、勉強が長続きしない可能性もあります。
初学者の方の場合は、習慣的に読み進められて、かつ法律の知識が身につくようなテキストをお選びされることをおすすめいたします。
一方で、かなり学習が進んでいる方が、初学者の方に向けた参考書・テキストを繰り返し読み進めていても、合格率の向上には繋がりません。
上級者の場合は、実際の試験に触れることができる問題集を購入し、問題を解いていくという学習方法がよいでしょう。
テキストをお選びの際は、今のご自身の理解度のレベルなども考慮された上で、参考書を選ぶようにしましょう。
おすすめテキスト1:「みんなが欲しかった! 社労士の教科書」
社会保険労務士(社労士)試験を独学で学習する場合におすすすめのテキストが、初学者・独学者向けに開発された「みんなが欲しかった! 社労士の教科書 2023年度」です。
こちらの書籍は、社労士試験用のテキストです。
刊行しているのは、資格の学校TACで、社会保険労務士試験にも強いと評判があり、多くの方々から支持されている資格試験予備校です
「みんなが欲しかった!社労士の教科書2023年度」は、「働き方改革関連法」を含めた最新の法改正にも対応していて内容が素晴らしく、この一冊だけ利用して学習しても、社会保険労務士試験の合格に必要な知識は身につくとされています。
書籍の特徴(おすすめポイント)は以下のとおりです。
- 社労士試験のスタートアップ講座なので、独学者だとしてもストレスなく知識をつけられる
- イラストが適宜利用されていて分かりやすくて、各科目がイメージしやすい
- 各CHAPTERの冒頭には、全体像が理解できるオリエンテーションが付いている
- 本文はカラフルでマスターすべきとところは本文に記載し、極力覚えた方がいい箇所はサイドにまとめられているため重要事項が一目瞭然
- 多彩なアイコンなどがあり瞬時にわかりやすい
- 〇×と穴埋めの2つの出題形式によるミニテストが、各科目Sectionの後にあり、Sectionごとでの理解度がわかる
- 労働関係科目と社会保険関係科目に分かれる、セパレートBOOK形式で持ち運びもしやすい
参考 Amazon みんなが欲しかった! 社労士の教科書 2023年度
おすすめテキスト2:「出る順社労士 必修基本書【2分冊合冊/セパレート式】」
社会保険労務士(社労士)試験の受験者から絶大な支持をされている資格試験予備校のLECです。
そのLECが社労士試験を独学で突破しようとする人向けに出版している社労士試験用のテキストが、受験生を最も楽に合格へ導く基本書「2023年版 出る順社労士 必修基本書【2分冊合冊/セパレート式】」。
独学で試験にチャレンジしている人から、使いやすさと学習効率のよさについて定評があります。
書籍の特徴(おすすめポイント)は以下のとおりです。
- 「労働編」「社会保険編」を分け2冊になるセパレート仕様のため、持ち運びにも便利
- 各法律の全体構造も含めて素早く理解できるように、図表を多く採用。学習すべきポイントが分かりやすい
- 過去30年分の過去問の主要出題箇所を分析し、おさえておきたいものを厳選して掲載
- 各科目の前に学び方を紹介、過去の出題や重要箇所の明示などの学習をラクにするための工夫がなされている

まとめ
難しい資格試験である社会保険労務士(社労士)試験の合格された方の2割は独学で学ばれた方です。この事実から考えれば、独学でも試験合格することは可能です。
独学時におすすめの社労士試験用のテキストは、TACの「みんなが欲しかった!社労士の教科書2020年度」と、LECの「2020年版出る順社労士必修基本書【2分冊合冊/セパレート式】」です。
ただし、社労士試験に合格するためには、以下の勉強法を選択されることをオススメいたします。
・ベストな状態で本試験に挑めるように緻密な学習計画を立てる
・はじめの一歩を歩みやすくするため、入門書を一読する
・理解が及んでいない箇所を洗い出し、問題演習をメインにして学習する
・合格を勝ち取るためにはマスターすることが必須の頻出問題を完璧に解けるようにする
とはいえ、社会保険労務士試験はやはり難易度が高いので、もし独学で学習を進めることが難しい場合は、スクールや通信講座の利用をぜひご検討ください。
スクールや通信講座を利用するとメリットは以下のとおりです。
・資格予備校や通信講座などのプロの指導を受けるので、合格する確率が上がる
・通信講座の講師は、受講数が多く、非常に優秀な場合も多いため優れた講義を受講できる
・通信講座の費用の目安は100,000円程度と通学講座よりは200,000円ほど安価
・独学と同様にご自身のペースで、スクール通学の講座と同レベル以上の学習をすることが可能
・通信講座は、インターネット配信後、ダウンロードして反復学習できる場合もある

社会保険労務士(社労士)のおすすめスクール
ヒューマンアカデミー/通信講座(通信)
ココがポイント!Web講義で自分に合った受講スケジュールを実現!
過去20年間の試験を分析しているのでポイントを抑えた無駄のない授業が受けられる!
スクールホームページ:
>>ヒューマンアカデミー/通信講座
資格講座メダリストクラブ(通信・通学/東京都)
ココがポイント!短期集中で要点をまとめた、無駄のない学習で合格へと導きます!
仕事をしながら目指す方にも安心のサポート◎過去の出題傾向から分野ごとに要点を学べます。
スクールホームページ:
>>資格講座メダリストクラブ
