高校卒業という学歴では社会保険労務士(社労士)の受験資格がない
社会保険労務士(社労士)の資格取得を目指す際、最終学歴が、高校卒業という場合はすぐに社会保険労務士(社労士)試験を受験することができません。
社労士試験を受けるためには、「受験資格」を満たしている必要があるためです。
社労士の受験資格には、
1.学歴
2.実務経験
3.国家資格
上記の3つの要件があり、以上のうちのどれかを満たしている必要があります。
残念ながら最終学歴が高校卒業という場合は、この受験資格の学歴要件には該当しませんが、高卒であっても受験資格を満たす方法を選ぶことで、社労士試験を受験することは可能です。
そのためにはどのような方法を選べば良いのでしょうか。
社労士の受験資格にはどのようなものがあるのか、受験資格の達成方法とそのメリットなどについて解説していきたいと思います。
高卒で社会保険労務士(社労士)の受験資格を得る3つの方法
受験資格(1):学歴
社会保険労務士(社労士)試験を受験する際の受験資格のひとつは学歴です。
基本的には4年生大学、短期大学、5年制の高等専門学校を卒業した方であれば、専攻した学部学科を問わず受験資格があります。これは通信制大学、夜間の学部も対象です。
大学の場合は卒業していなくても、在学中または中退の場合も「学位を得るのに必要な一般教養科目の学習を終えている」「卒業必須単位62単位以上修得している」といった要件を満たしていれば受験資格があります。
これは4年制大学のみで、短大や高専は除かれているのでご注意ください。
また上記に加え、2019年に開設された新しい学校制度である専門職大学で前期課程を修了された方、専門職短期大学を卒業された方も対象となります。
専門学校の場合は、卒業した時期によって要件が異なります。
平成7年以降に卒業し、卒業証書又は称号授与書に「専門士」または「高度専門士」の記載があれば、社労士試験の受験資格が満たされています。
平成6年以前に卒業、または平成7年以降の卒業で、卒業証書等に専門士等の記載がないといった場合は「修業年限が2年以上で、かつ課程の修了に必要な総授業時間数が1,700時間以上の専修学校の専門課程を修了していること」が必要です。
以上は自分では判断できないこともあるため、ご自身の学ばれた学校へご相談の上、必要書類を作成してもらえるか確認するようにしましょう。
出願にあたり慌ててしまうことがないように、事前に試験センターへ確認されることをおすすめいたします。
高卒で学歴要件を達成するためのおすすめの方法は、通信制の大学を履修または通信制の短大を卒業することです。
通信制であれば学費は通常と比べて安く、授業があっても土日開講が多く通いやすいという特徴があります。
また法学部や経営学部など、社労士に関わる学部の授業を受講することで、資格取得や取得後の社労士としての実務において必要な知識を養うことができます。
通信制大学・短大での学歴要件の達成を目指す場合は、自分のペースで勉強することができるため社会人にとっても取り組みやすいのが魅力といえます。
受験資格(2):実務経験
社会保険労務士(社労士)の試験は3年以上の実務経験があれば受験することができます。
対象となる所属先はいくつかありますが、基本的には労働保険や健康保険等社会保険関連の事務手続きを行っていれば受験要件を満たします。
所属先の具体例としては、
・公務員
・社労士や弁護士の補助業務
・労働組合、全国健康保険協会、日本年金機構等
・事業を営む個人、法人の従業者として労働社会保険諸法令に関する事務
以上に従事されていた方が対象です。
つまり一般企業で労災や雇用などの労働保険、年金や健康保険などの社会保険関連の実務に携わっていた方も、3年間従事していれば受験資格があります。
上記に所属していても、特別な判断を要しない単純作業などにだけ携わっていたという場合は対象外となります。
また、税理士事務所での実務経験は認められないので注意しましょう。
実務経験は事業主の証明が必要になります。
どの範囲をもって実務経験となるのか自分では判断できないこともあるため、その場合は全国社会保険労務士会連合会に必要事項を記入した「実務経験証明書」と「送付状」をファックスで送付することで受験資格の有無についての回答を得ることもできます。
実務経験で受験資格を達成するためにおすすめの方法は、社労士事務所で3年間働きながら勉強することです。
社労士事務所に就職することで、実務経験を積みながら勉強でき、受験資格と給料をもらうことができます。
また社労士事務所での実務経験は、試験合格後に仕事を始める際にも有利となります。
社労士事務所の求人はそう多くはありませんが、将来的に社労士試験を受験したいということをアピールすれば採用される可能性は十分にあります。
将来、社労士として早めに開業したい、というビジョンがある方には特におすすめの方法です。
受験資格(3):国家資格
社会保険労務士(社労士)の受験要件の3つ目は、厚生労働大臣が定めた国家試験に合格していることです。
対象となる国家試験は弁理士試験、公認会計士試験、不動産鑑定士試験などさまざまですあり、その数は79にものぼります。
範囲が広く、気象予報士や情報処理技術者など理系の試験も対象となっているのが特徴です。
そのほか項目を分けられて、「司法試験予備試験等に合格した者」「行政書士試験に合格した者」も国家資格による要件を満たすこととされています。
国家資格により受験資格を得る場合でおすすめなのは、行政書士試験に合格し受験資格を得ることです。
行政書士試験には受験資格が設けられていないため、学歴、職歴ほか一切の制限がなく誰でも受験することが可能です。
また行政書士は、公認会計士試験や司法書士試験など難易度の高い資格が並ぶ中で、他の国家資格よりも合格を狙いやすい点も特徴の一つです。
行政書士は合格率10%と難関資格ではありますが、試験対策をすれば合格できる資格です。
社労士と比べても、合格基準点300点中180点を取れば合格することができ、科目別の合格最低点がないので勉強の成果が出やすいといえるでしょう。
受験資格を満たすために、行政書士試験に合格するメリットは他にもあります。
行政書士資格と社労士資格のように、資格を複数持っていると開業したときに顧客へのアプローチ法が増えることになります。
特に社労士業務と相性の良い行政書士のダブルライセンスは、開業後に仕事の幅を広げられることも期待できます。
まとめ
社会保険労務士(社労士)の資格取得を目指すに当たり、高卒など受験資格を有していない場合には、まずは受験資格を得る必要があります
将来性を考えると、社労士資格を取得するメリットは大きいです。
学歴で諦めず、受験資格を達成する方法を検討してみましょう。
学歴、実務経験、国家資格取得と達成方法はそれぞれにあります。
受験資格を達成するためだけと考えると長い道のりに思えますが、その過程で得られるメリットも多く、見事合格を勝ち取った際は社労士としての活躍に活かすことができるでしょう。
ぜひ自分に合った達成方法を見つけ前向きに取り組んでください。
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