やりがいを感じにくい？介護の仕事が楽しくなる考え方

「やりがいを感じない…」その気持ちは自然なこと

「毎日が同じことの繰り返し」「頑張っても報われない」「感謝されるどころか文句ばかり言われる」こう感じることは、決して特別なことではありません。むしろ、まじめに向き合っているからこそ、そう感じてしまうのだと思います。

私も新人の頃、夜勤明けにふと「何のために働いてるんだろう」と涙が出たことがあります。周囲と比べて落ち込んだり、「自分には向いていないのかも」と思ったこともありました。

けれど、その気持ちは“介護を本気でやろうとしている証拠”でもあります。無理にやりがいを見つけようとせず、まずは「そう思うのも当たり前なんだ」と自分の感情を認めてあげることが、第一歩だと感じています。

なぜ介護の仕事をつらく感じてしまうのか？

介護の仕事がつらく感じる理由はいくつかあります。たとえば、以下のような要因が積み重なっていくことが多いです。

• 身体的にハード（夜勤、入浴介助、移乗など）
• 精神的な負担（認知症の対応、クレーム、死別など）
• 周囲からの評価が見えにくい
• 給与や待遇面でのギャップ

私が特につらかったのは、利用者さんが理不尽に怒ってきたときです。「ありがとう」と言ってくれていた方が、急に怒鳴るようになり、心が折れそうになりました。

けれど、ある日先輩から「それは病気のせいであって、あなたのせいじゃない」と言われたことで、少し気持ちが軽くなりました。介護職は感情のぶつかりを受け止める仕事でもありますが、それはあくまで「プロとしての役割」。自分の人格まで否定されたわけではないと気づけたことで、少し前向きになれました。

視点を変えると見えてくる！介護の楽しさとは

つらさばかりに目を向けると、どんどん仕事が苦しくなっていきます。けれど、ちょっとした「視点の変化」が、介護の面白さを見つけるヒントになることもあります。

たとえば、利用者さんとの会話の中にあるその人らしさに注目してみると、毎日のケアが違って見えてきます。「この人は昔、農家をやっていたから、野菜の話が好きなんだ」と気づけると、自然とコミュニケーションも楽しくなります。

私が印象に残っているのは、認知症が進んでいたある女性が、私の名前を突然思い出してくれた日です。何気なく「今日は暑いですね」と声をかけたとき、「あおきさん、今日もありがとうね」と笑顔で返してくれました。その瞬間、言葉にできない喜びがこみ上げてきました。

「今日もうまくいかないな…」と思っていた一日が、その一言だけで特別な一日に変わったのです。

まとめ：楽しく働くためには自分らしさも大切に

介護の仕事は、感情の起伏が激しい職業です。だからこそ「どうやってやりがいを見つけるか」よりも、「どうすれば自分らしく働けるか」を大切にしてみてほしいと思います。

完璧を目指さなくても大丈夫です。ときにはつらいと感じてもかまいません。自分の気持ちに素直になって、小さな楽しさや感謝の言葉に気づけるだけでも、介護の仕事はぐっと楽しくなります。

そして、もし今つらさを感じているなら、それは決してあなた一人だけではありません。どうかご自身を責めず、まずは一度深呼吸して、「自分らしく働く介護」を少しずつ探していってください。