宅建試験に合格するために必要な勉強時間とは？スケジュールやおすすめ講座の解説

宅建士試験合格に必要な勉強時間は一般的には400時間

宅建士試験に合格するために必要な勉強時間は一般的に400時間だといわれています。ただし、受験者が持っている知識と経験により必要な勉強時間は異なることや、近年の試験難度の高まりから、300時間以上の勉強時間が必要になる方もいるでしょう。

宅建士試験を初めて受験する人の場合は、少なくとも400時間～600時間の勉強時間を確保するのが望ましいと考えられます。初心者の方が勉強を始めるには勉強時間600時間、学習期間6ヶ月〜12ヶ月の標準的な学習スケジュールがおすすめです。

ただし、法学や不動産・法律系資格の学習経験があり、ある程度の基礎知識を身につけている方の場合は、300時間以下の勉強時間でも合格できる可能性があります。

300時間で宅建士試験に合格するための学習スケジュールとおすすめ勉強法

ここからは、4月から10月の試験日までの6ヶ月〜6ヶ月半の期間、勉強時間300時間での学習スケジュールと勉強法について紹介します。

約半年の勉強期間は標準的ですが、ここから勉強を始める時期が遅れるほど1日に必要な勉強時間が長くなるため、働きながら学習を進める方は勉強時間の確保が難しくなります。可能な限り早くスタートした方がよいでしょう。

学習期間ごとの1日の勉強時間について、下記の表にまとめました。

初心者におすすめの学習スケジュールは次の通りです。

・ 4月〜7月までの期間に140時間の勉強時間を設けて基礎力を養成する
・ 8月〜10月の試験日までに160時間の勉強時間を設けて直前対策を行う

おすすめ勉強法

宅建士の試験は毎年10月に実施されます。宅建士試験を初めて受験する方で、4月から勉強を開始する方の場合は、7月までの間に基礎をしっかりと身につけられるよう、テキストやカリキュラムに沿って覚えていきましょう。
ある程度身につけられてきたら過去問を解き、その時点での理解度を確認することも大切です。
8月頃から試験までは模試を受けたり、過去問を多く解いたりして直前の対策をおこなっていきます。前半で身につけた知識をアウトプットして確実なものにしていきましょう。

次の項では「各科目での勉強時間と学習のポイント」「前半（4月〜7月）の140時間に学習すべきこと」「後半（8月〜10月）の160時間に学習すべきこと」を順に解説していきます。

各科目での勉強時間と学習のポイント

宅建士試験の各科目で必要な勉強時間の目安は下記表の通りです。

次に、それぞれの科目の学習のポイントを紹介します。

権利関係の学習のポイント（勉強時間：90時間程）

「権利関係」では、例年民法の問題が10問、特別法についての問題が4問出題されます。

ただ暗記するだけでなく、法的な考え方を身につけることが必須になるため、じっくり勉強に取り組むようにしましょう。

まず民法ですが、宅建士試験では債権編から主に出題されるので、一般の受験者の方は債権編を重点的に勉強するとよいでしょう。

一方で、特別法については、不動産登記法、借地借家法、区分所有法について学習することが必要です。

「権利関係」では事例問題が出題されることが多いため、専門用語が頻出する法律文書の読解力を身につけることが重要です。さらに、法律の原則と例外、裁判例について正しく理解し、説明できる能力も求められます。

宅建業法の学習のポイント（勉強時間：90時間程）

「宅建業法」の出題数は例年20問と宅建士試験の中で最も多いです。宅建士試験において重要な得点源となる科目であるため、できれば20点満点、少なくとも16〜18問正解を目標にしましょう。

「権利関係」と比べると「宅建業法」は初学者でも理解しやすいことが特徴です。また、テキストの内容を覚え、過去問対策をしていれば正解できる問題が多くなっています。

ただし、出題数が多いため、過去問の学習と、内容を正確に覚えることに多くの勉強時間を費やすことになります。

特に「免許の欠格事由」と「重要事項の説明」の分野では多くの項目を暗記することが必要です。

法令上の制限の学習のポイント（勉強時間：80時間程）

「法令上の制限」の出題数は例年8問ですが、専門用語が多いだけでなく「容積率」など専門用語に関連する数値についても理解することが求められます。 従って、勉強時間の目安も80時間程と長くなっています。

「法令上の制限」に出題される専門用語と関連する数値、制度には一般的な人にとって聞きなじみのないものが多いです。さらに、似て非なる概念も多くあるため、暗記するだけで正解することは難しいです。用語と数字を、両者の関連性も含めて理解することが重要になります。

用語と数字の表を作成したり、数字の穴埋め問題を解くと効果的な学習ができるでしょう。また「法令上の制限」は過去問対策をしておくと正答しやすい科目でもあります。

税金その他の学習のポイント（勉強時間：20時間程）

「税金その他」は例年3問しか出題されませんが、しっかりと勉強をして他の受験者と差をつけましょう。

「税金その他」は主に過去問を使って勉強します。勉強時間が足りなければ、過去問で出た範囲だけをしっかり押さえて、対策しづらい国税などに勉強時間を割かない選択肢もあります。

免除科目の学習のポイント（勉強時間：20時間程）

宅建士試験の46〜50問目は一般の受験者を対象にした問題です。前述の通り、国土交通大臣指定講習の「登録講習修了者証明書」を持っていれば5点免除制度を利用することが可能です。

「免除科目」は過去問の勉強をしていれば正解できる内容になっています。48問目に例年出題される統計についての問題は、試験日の1〜2ヶ月前に実施される模擬試験で入手できる最新データを確認しておけば問題なく対策できるでしょう。

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前半（4月〜7月）の140時間に学習すべきこと

前半（4月〜7月）の勉強時間140時間では宅建士試験に合格するために必要な基礎力を身につけます。

まずは、テキストを読んで宅建士試験に出題される科目と分野に慣れ、内容を理解することから始めましょう。

分からないところは飛ばさずに、しっかりと自分で説明できるところまで理解を深めることが重要です。

また、テキストを使った勉強だけでなく、過去問集を使った学習にも取り組みましょう。不正解になった設問は過去問の解説とテキストを読み、メモを取って覚えます。

前半は理解力を養う時期なので、もし分からないことがあっても気後れする必要はありません。

後半（8月〜10月）の160時間に学習すべきこと

後半（8〜10月）の勉強時間160時間では試験直前対策を行います。尚、前半で基礎力と各科目についての理解力を十分に身につけていることが前提になります。

試験日までの160時間に今まで学んだ内容を繰り返し勉強することで、しっかりと記憶に定着させましょう。時間の許す限り反復して学習することが合格する上でのカギになります。

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3ヶ月で宅建士試験合格を目指すための学習スケジュールとおすすめ勉強法

3ヶ月の短期間で宅建士試験に合格することは可能です。本項では3ヶ月で合格を目指す上での平日と休日の勉強時間、学習スケジュールの組み方、学習のコツについて解説をします。

3ヶ月で宅建士試験合格を目指す場合の平日と休日の勉強時間

3ヶ月で300時間の学習をするためには、平日は1時間30分〜2時間、休日は6〜7時間の勉強時間を確保することが必要になります。上記は、7月〜9月の期間、平日60日、休日30日を想定した1日の勉強時間です。

多忙な社会人にとってはハードスケジュールです。もし、休日の勉強時間を減らしたい場合は、平日の勉強時間を3時間に増やす必要があります。

しかし、仕事と両立させなければならない社会人の体力的な負担を考えると、3ヶ月に300時間勉強することはなかなか難しいところでしょう。3ヶ月の間、高いモチベーションと集中を保って、試験本番を迎えなければなりません。

もし社会人が独学かつ3ヶ月の短期間で宅建士試験合格を目指すためには、効率のよい学習をして勉強時間を200時間に短縮する方法も1つの手段です。
勉強時間200時間であれば、平日1時間30分〜2時間、休日2時間40分〜3時間40分と、余裕を持ったスケジュールで学習を進めることが可能ですよ。

3ヶ月で合格を目指す上での勉強のコツは後の項で紹介します。

3ヶ月間の学習スケジュール

次に3ヶ月間の学習スケジュールを見ていきましょう。

7月〜8月半ばまで（1ヶ月半）

テキストを使った学習に集中的に取り組んで各科目の全体像をつかみ、基礎知識を身につけていきます。

また、インプットした知識を、過去問を解くことでアウトプットすることも重要です。可能な限り全体的な学習を繰り返し行いましょう。

8月下旬〜10月の試験日まで

試験日当日まで繰り返し過去問を解きます。自分の苦手分野を克服し、設問と選択肢の内容を理解した上で正答できるようになることが目標です。

また、本番同様に、50問を2時間以内に解答するためのスピードと、各科目での時間配分を身につける訓練をしましょう。

スケジュール的にもし可能であれば、模試を受験するとさらによい準備ができます。

3ヶ月で宅建士試験に合格するための勉強法

スキマ時間を活用して勉強時間を確保する

通勤時間や昼休みなどのスキマ時間をいかに有効活用するかが、勉強時間確保のカギになります。テキストだけでなく、学習動画や音声ツールなどを使ってもよいでしょう。

通勤中や昼休みに30分〜1時間勉強するだけで、1日1時間半〜2時間の勉強時間が確保しやすくなり、帰宅後の負担を減らすことができます。

優先順位の高い科目から勉強する

難易度の高い「権利関係」と、得点源である「宅建業法」を最初に勉強しましょう。出題数の多い科目や、頻出分野を優先して、過去問だけ解けば対策できる科目と分野については勉強時間をかけすぎないようにすることが重要です。

テキストとセットになった最新の問題集を使う

問題集を選ぶ際には、設問の内容について学べるテキストがセットになったものを選ぶのがおすすめです。問題集は最新のものを選び、何種類も買わないようにしましょう。

1年で宅建士試験合格を目指す学習スケジュールとコツ

3ヶ月〜6ヶ月間集中的に勉強することが難しい場合は、じっくり1年かけて合格を目指すことも可能です。本項では1年かけて合格を目指す場合での1日の勉強時間、学習スケジュール、注意点について紹介します。

1年の学習期間における平日・休日の勉強時間

1年かけて勉強を進める場合は、下記表の通り、1日の勉強時間がかなり短くなります。

注）前年10月から受験当年9月までの1年間を平日185日、休日88日で想定した場合の勉強時間

1年かけて合格を目指す場合は、最初の半年間は2日に1度、後半の半年間は毎日勉強をすれば、200〜300時間の勉強時間を確保することが可能です。

勉強時間の確保が難しい人でも、1年かけて準備をすれば、十分な勉強時間が確保でき、無理のないスケジュールで合格を目指すことができます。

宅建士試験の1年間の学習スケジュール

1年間を「前期（10〜12月）」「中期（1〜6月）」「後期（7〜9月）」に分け、それぞれの時期における学習のポイントを紹介します。

前期（10〜12月、3ヶ月）

テキスト学習を中心にして各科目の知識を身につける時期です。学んだ内容をその日の内に問題練習を使ってアウトプットすると効率の良い学習ができます。

中期（1〜6月、6ヶ月）

過去問を使った学習を重点的に行って分からないことをなくし、苦手分野を克服する時期です。学んだ内容をアウトプットして、自分に足りない部分を見つけることで、本番での正答数を増やすことができます。

後期（7〜9月、3ヶ月）

試験日当日までは繰り返し過去問を使った勉強を行います。可能であれば模試を受けることもおすすめです。

併せて、試験本番と同様の時間配分で過去問を解く訓練も行いましょう。

1年間で300時間分の勉強をする際の注意点

1年をかけて合格を目指す場合は長期間勉強をすることになるため、次のことに注意が必要です。

分かったつもりにならない

過去問にある解答の選択肢について「どれがなぜ正しくて、なぜ間違っているのか」を明確に説明できることが重要です。学んだ内容について自分が十分理解できているかに注意しましょう。

勉強に使う教材は絞る

勉強に使う教材と問題集は厳選しましょう。あまりたくさんの種類の教材と問題集を使うとかえって混乱するリスクがあります。テキストの選び方については次の項で紹介します。

独学で宅建士試験合格は可能？

初学者にとっては難易度が高いですが、独学で宅建士試験に合格することは可能です。
独学で合格を目指す場合にはまず学習に適したテキストを選ぶことが重要です。
テキストを選ぶには以下の基準で検討するのがおすすめです。

・ 宅建士試験の学習と試験対策に詳しいプロの講師が著者であること
・ 分かりやすいイラストと図解があること
・ 自分の頭に入ってきやすい文章で書かれていること

また、問題集は最低でも5年、可能であれば10年以上の過去問を網羅した解説つきのものを使いましょう。

また、独学で合格を目指す場合は次の5つのポイントを押さえておくことが重要です。

1. 自分にとって分かりやすいテキストを使って学習する
2. 法改正がないかを必ず確認する
3. 宅建士試験の「宅建業法」で満点が取れる勉強をする
4. 300時間の勉強時間を確保できる学習スケジュールを立てる
5. できれば1週間に1日は休めるようにする

独学で学ぶ場合のポイントや、おすすめの参考書・テキストについて別記事で詳しく解説をしていますのでご参照ください。

関連記事 宅建は独学で合格できる？独学に適した勉強時間とおすすめ勉強法をポイント解説！

独学には自分のペースで学習が進められ、学習費用を安くできるメリットがあります。しかし、独学だと相談や質問ができる相手がおらず、スケジュール管理や法改正の確認、モチベーションの維持などをすべて自力で行う必要があります。

そこで、おすすめなのが通信講座を受けることです。通信講座の学習費用はスクールに通うよりも安いです。

さらに、独学と併せて通信講座を受講することには次のメリットがあります。

・ 通信講座は自分の生活スタイルに合わせたスケジュールで受講できる
・ ポイントを押さえた学習ができる
・ 宅建士試験に詳しい講師に質問・相談ができる
・ 実力を伸ばすのに最適なカリキュラムで学べる
・ リアルタイムで法改正の確認ができる

独学に通信講座を組み入れることで、学習の効率がよくなるだけでなく、一人で学ぶことの心細さもなくなります。合格できる可能性もより高くなるでしょう。

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宅建士試験の内容と合格率

宅建士の試験概要

出題形式

4肢択一

解答形式

マークシート方式

問題数

50問

配点

1問1点（50点満点）

試験時間

2時間

注）5問免除制度を利用する受験者の場合は1時間50分
5問免除制度の利用を選択できるのは国土交通大臣指定の講習の「登録講習修了者証明書」を持っている受験者のみ

試験範囲

権利関係　　：民法10問、特別法4問
宅建業法　　：20問
法令上の制限：8問
税金その他　：3問 免除科目 ：5問

参考 宅地建物取引士-試験実施概況（過去10年間）

宅建士試験は10月の第3日曜日に例年実施されています。年齢や学歴など特定の受験資格はありません。
難易度は毎年一定ではなく変動があるといわれており、合格率は20％以下となっています。

宅建士試験と宅建士の仕事についての基本情報や、宅建を取得するメリットについては下記の記事内で詳しく解説をしているのでご参照ください。

関連記事 宅建（宅地建物取引士）とは？資格概要や宅建士の仕事内容、試験の合格率や難易度を解説！

宅建士の合格率

直近5年での宅建士試験の合格率は約13％～17％、合格率は31点～38点で推移しています。

過去5年の宅建士 試験受験者数と合格率

関連記事 宅建の合格率・合格点は？試験の難易度や試験範囲、合格のポイントについて解説

スクールで学ぶなら！宅建士（宅地建物取引士）のおすすめスクール

独学での資格取得も可能な宅建士ですが、初学者から合格を目指すなら合格実績のあるカリキュラムやサポートのあるスクールや通信講座の利用もおすすめです。

大栄のオンライン講座（通信）

ココがポイント！通学スクールの合格メソッドを完全凝縮した挫折させない通信講座

スクールホームページ：
大栄のオンライン講座

資格講座メダリストクラブ（通信）

ココがポイント！現役大学講師と弁護士による臨場感溢れるライブ配信授業！

スクールホームページ：
資格講座メダリストクラブ/通信講座

資格スクール大栄（通学／全国）

ココがポイント！全国100校以上の校舎展開で当日予約も可能！

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資格スクール大栄

TOP宅建学院（通学／関東）

ココがポイント！知識ゼロ・経験ゼロから「短期で一発合格者」続出

スクールホームページ：
TOP宅建学院

資格講座メダリストクラブ（通学／関東）

ココがポイント！ノウハウを知り尽くした講師が、少人数制で合格へと導きます！

スクールホームページ：
資格講座メダリストクラブ

日本不動産学院大阪（通学／関西）

ココがポイント！指導歴50年以上の老舗「不動産資格の専門校」

スクールホームページ：
日本不動産学院大阪

まとめ

独学で宅建士試験に合格するためには200〜300時間の勉強時間が必要です。3ヶ月の短期間で合格を目指す人以外は300時間の勉強時間を確保することをおすすめします。

学習を始めるタイミングが遅いと1日の勉強時間が長くなってしまいます。ご自身の学習計画に合わせて試験日の半年、3ヶ月、または1年前からスタートして勉強時間の面での負担を少なくしましょう。

また、宅建士試験の各科目の特徴を踏まえて勉強時間を配分し、ポイントを押さえた学習をすることが合格のカギになります。自分の選んだ勉強期間中の各時期に学習すべき内容についても把握しておくことも重要です。1日の勉強時間は限られているので、効率のよい学習を心がけましょう。

宅建士試験に独学で合格することは可能ですが、より合格の可能性を高めるために通信講座やスクールのご利用を検討されてもよいでしょう。