介護福祉士実務者研修の試験とは?
そもそも試験実施は義務化されていない!
介護福祉士実務者研修には法的に義務化された修了試験はありません。しかし、実務者研修には研修科目ごとに到達目標が定められています。例えば科目「人間の尊厳と自立」であれば、「尊厳の保持、自立・自律の支援、ノーマライゼーション、利用者のプライバシーの保護、権利擁護等、介護の基本的な理念を理解する」というのが到達目標です。
目標に到達しているか否かを確認するために、試験が実施されることはあります。どの範囲(科目)について試験を実施するか、それとも試験を実施しないかについてはスクールごとに異なります。試験実施の有無はスクール選びの際に調べておきましょう。
尚、試験の結果がスクールの定める基準に達しなかったとしても、追試があるので安心してください。試験は科目の合否を決めるための難しいものではありません。研修内容の理解を促進する目的で実施される試験です。試験の点数を過度に気にすることなく、より良い介護人材になることを目標に試験勉強をすると良いでしょう。
実務者研修講座・スクール比較介護福祉士実務者研修の筆記試験・実技試験の内容は?
「介護過程Ⅲ・医療的ケア」について筆記試験・実技試験の実施もあり!
座学や通信教育では、知識・技術の定着が困難な科目もあります。それら科目については、知識・技術の習得を確認するために、筆記試験や実技試験が課されます。試験を実施する科目はスクールによって異なりますが、多くのスクールで試験が実施されるのは「介護過程Ⅲ」と「医療的ケア」です。
介護過程Ⅲは、介護の基本知識(発達と老化、認知症、障害)の理解、様々な技術(コミュニケーション、生活支援)を理解し、介護の現場で活用できることを目標とする科目です。要介護者の心身の状態を理解・評価し、介護計画としてまとめ、計画の実施、状況確認、修正を行います。介護過程Ⅲの試験をクリアできれば、実務者研修の内容を概ね習得できていると評価されます。
医療的ケアでは、喀痰吸引や経管栄養、救急蘇生など医療の分野に踏み込んだ技術を学びます。介護の現場では医療的ケアのミスが命の危険につながることもあります。確実に医療的ケアの技術が習得できているかどうか、実技試験を通じて習得状況が確認されます。
何度も追試を受けることができますので、試験の合否はさほど重要ではありません。安全な介護サービスの提供を第一に考え、受講内容をしっかり習得するという姿勢が大切です。