「国際中医師」はそもそもどのような資格?
「中医師相当の知識を有する中医学の専門家」と認定される国際資格!
まず、「国際中医師」についての説明です。
国際中医師とは、中国政府・衛生部の関係機関である「世界中医薬学会連合会」が認定する資格です。
中国には、西洋医学を専門とする「西洋医師」のほかに、中医学(漢方)を専門とする「中医師」という国家資格が存在します。
中医師を目指すためには日本の医薬大学と同じく、難関である中医薬大学などで学ぶ必要があります。
中医学とは、長い歴史のなかでおこなわれてきた膨大な数の診察と処方、そしてその治療の結果をもとにした実験を繰り返しおこなうことで確立された中国の伝統医学です。
そして中国政府はこの中医学を世界に普及させることを目的に、中医師並みの知識を有した人に与えられる「国際中医師」という資格を設けました。
日本では現在、この国際中医師の資格は医療行為ができる資格としては認められていませんが、医療の現場をはじめ、さまざまな場所で役立てられています。
「国際中医師」の就職先や活躍の場、仕事内容は?
漢方相談の開業などには必須の資格!医師の視野も広がる!
前述の通り、国際中医師の資格では、日本で医療行為がおこなえません。
それでは、この資格はどのようなところで役に立つのでしょうか。
中医学は、数千年という長い歴史のなかでおこなわれてきた治療と結果という豊富な経験を総括した学問です。
独自の方法で患者ひとりひとりの症状を把握し、それに合わせて的確に処方された漢方が、西洋医学では治せなかった症状を改善することもあります。
また、国際中医師が専門とする中医学の歴史と原則のなかに「医食同源」があります。
病気の治療や予防、日常生活のなかで健康増進を目的とした薬膳理論などがこれに含まれます。
このように、中医学は病気の治療や不調の改善だけでなく、健康の維持や促進にも用いられます。
仕事への活かし方
こうした特性を持つことから、中医学を学ぶことで医師は医学の視野を広げられ、薬剤師の方は漢方の相談などに用いることができます。
特に漢方相談の独立開業をするうえで中医学は必須です。
この他にも整体師や鍼灸師の方は痛みに対する判断能力が高まり、中医学を用いることでそれまで以上に適切な施術が可能になります。
また、開発に携わる方はこれまでより広い視野のなかで開発ができます。
販売においても細かな成分や配合の説明ができることでお客さまの信頼を得られるだけでなく、個々の体質に合わせた商品選択が可能になり、他社との差別化ができます。
こうして国際中医師の資格は、病院関係や薬局はもちろん、整体師や鍼灸師の施術、健康食品や薬膳の開発、販売とさまざまな場で活かすことができるのです。
「国際中医師」になるための試験はどのようなもの?
世界中医薬学会連合会が世界61ヵ国と地域でおこなう国際認定試験!
国際中医師になるためには試験を受けて合格する必要があります。
その試験の概要をご案内します。
●主催団体:
世界中医薬学会連合会(正式名称は「世界中薬学会聯合会」)World Federation of Chinese Medicine Societies
●受験資格:
中医学アカデミーにおいて、以下3種類の講座のうち、いずれかを修了した者(募集期間内に修了見込みのある者も含まれます)。
・国際中医師試験 資格取得講座
・本科講座(ビデオ付き)
・中医臨床 単科講座のすべての講座(5教科あります)
●試験日程:中国・北京では毎年3月、10月の2回、日本では東京で毎年10月~12月におこなわれます。
●試験科目:中医基礎理論、中医診断学、中薬学、方剤学、中医臨床学科、臨床病例弁証論治の6科目
●合格基準:各教科60点以上、かつ合計360点以上で合格
●受験料:182,000円(税込)
「国際中医師」の難易度と合格率は?スクールや講座はある?
合格率は、約90%~100%と比較的合格しやすい!
中医学アカデミーが発表している過去の国際中医師試験の合格率を見ていくと、2006年が99%、2013年が100%、2014年が98%、2015年が87%、2016年が85%と、いずれも85%~100%の高い合格水準を保っています。
これらのことから、きちんと勉強しておけば国際中医師試験の難易度は高くないといえそうです。
しかし、いくら合格率が高いといっても、勉強せずに合格ができるほど簡単な試験ではありません。
中医学アカデミーでは、国際中医師試験の対策講座を公開しています。
内容は下記のとおりです。
●講座名:弁証論治対策講座
●学習内容:
国際中医師試験への対策として、「腎系の病証」、「肺系の病証」などを含む33病証と、113病例をもとに、病名を診断するうえで重要となる症状の説明や、方剤の覚え方など、詳しく解説されています。
臨床で役立つ内容が多く含まれており、現場での参考資料としても活用できます。
●受講料:50,000円
国際中医師の試験合格を目指せる、スクール・講座の紹介!
最後に、国際中医師の資格が取得できる試験を実施しているスクールや、受験資格が取得できる講座についての情報を記載します。
国際中医師の資格取得を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
それぞれ、スクール名・所在地・講座名・受講料(価格)の順番です。
◎中医学アカデミー
・所在地:未公開
・国際中医師試験 資格取得講座:396,900円(税込・入学金 31,500円を含む)
・本科講習(ビデオ付き):500,000円(税込・入学金 31,500円を含む)
・中医臨床 単科講座:各110,000円~160,000円(税込)
◎遼寧中医薬大学附属 日本中医薬学院 代々木教室
・東京都渋谷区代々木1-43-7 光ビル8階
・中医専攻科 国際中医師2年制コース
通学コース:1,300,000円/通信コース:1,100,000円
◎日本中医学院
・東京都文京区本郷1-8-2
・中医中薬専攻科3年コース(通学課程/通信課程)
・受講料:未公開
◎黒龍江中医薬大学日本校
・東京都渋谷区恵比寿1-8-1 ドシー恵比寿1階
・臨床中医師コース
本科3年:1,985,000円(税込)
・総合中医療術学科
本科3年:4,675,000円(税込)/専科1年:1,625,000円(税込)
◎イスクラ産業株式会社
・本社:東京都中央区日本橋1-14-2
・イスクラ中医薬研修塾 中医学教育:880,000円(税込)
※受験資格は取得できませんが、中医学講師によるカリキュラムを学べます。
◎本草薬膳学院
・東京都中央区日本橋兜町22-6 東京セントラルプレイス2階
・中医薬膳師コースを卒業後、研究科コース(通学・通信)を修了後に受験
・受講料:未公開
薬膳・漢方の資格は他にも!通信講座で関連資格を目指せるスクール
がくぶん(通信)
ココがポイント!自宅でおいしく楽しめる「和漢膳」を学べる
スクールホームページ:
がくぶん
東京カルチャーセンター(通信)
ココがポイント!月々3,450円で薬膳の知識を身につけられる
スクールホームページ:
東京カルチャーセンター