社会福祉士とは?仕事内容や勤務先について
仕事内容
社会福祉士は身体や精神に障害を抱える方や、日常生活を送るために介護を必要としている方に対して、福祉サービスの関係者と連携しながら助言や指導をする仕事です。
相談業務
メイン業務は、福祉サービスを利用している方に対する相談業務になります。
相談者の話を聞き、日常生活を送るための障害を見つけることが目的です。
具体的な相談例としては、身内の介護に悩む方、交際相手からのDV被害などがあげられます。
関係機関との連携
相談内容を把握したあとは、問題解決のために適切な関係機関との連携をおこないます。
相談者と適切な関係機関を仲介することで、深刻な課題の解決をはかります。
もちろん、その後も相談者の状況は適時確認しなければいけません。
紹介した関係機関のサービス内容にも目を通し、相談者が日常生活を送れるように気を配ります。
勤務先、活躍の場
社会福祉士の勤務先は、福祉施設や行政機関を中心に、学校や病院など、幅広く存在します。
介護、医療、福祉の分野で、社会福祉サービスとクライアントをつなぐ業務で活躍しているようです。
具体的な勤務先の例は以下のとおりです。
- 医療機関
- 学校
- 児童相談所
- 福祉事務所(市区町村の役所など)
- 福祉関連施設(高齢者や障害者向け)
- 社会福祉協議会
- 司法関係機関(更生保護施設や地域生活定着支援センターなど)
社会福祉士試験の難易度と合格率
社会福祉士の合格率は31.1パーセント
社会福祉士の合格率は、2022年2月実施の試験で31.1%でした。
合格率はここ数年、25~30%ほどで推移しています。
合格率を見ると、社会福祉士の国家試験は難易度が高い試験といえるでしょう。
性別、学歴、年代別の内訳
2022年の合格者の内訳は男性が32.8%、女性が67.2%です。
受験資格別では、福祉系大学等卒業者が57.0%、養成施設の卒業者が43.0%となっており、福祉系大学卒業者の合格者数がやや多いことがうかがえます。
年齢別でみると合格者の約半分が30歳以下の方ですが、合格者のうち31歳~40歳の方は17.5%、41歳~50歳の方は20.8%と、30代~40代以上の合格者も決して少なくありません。
モチベーションの維持がカギ
社会福祉士試験は、社会人になっても挑戦できる資格試験ですが、受験資格を得るまでにも時間がかかります。
そのため、いかにモチベーションを保つかということも合格の要因となってくるでしょう。
参考:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター 社会福祉士国家試験「合格発表について」資料
社会福祉士の合格ライン
社会福祉士国家試験の合格ラインは、「総得点のうち約60%を得点し、かつ18科目すべてに得点する」ことです。
「60%」は問題の難易度によって補正され、毎年「何点以上が合格」というように発表されます。
総得点のうち、例えば70%をとっていても、得点できなかった科目があれば不合格になります。
そこで、まんべんなく勉強することが大事になってきます。
「上から何人が合格」というような試験ではないので、しっかりと勉強ができていれば、合格できるのです。
不得意科目を作らない
逆にいえば、得意科目で不得意科目をカバーできる特性は薄いので、そのあたりが難易度に表れているといえるでしょう。
合格対策講座や自分用のまとめノートなどを活用し、不得意科目を重点的に勉強する方法もあります。
他資格との難易度の違い
ここでは他の福祉系国家資格との合格率の違いなどを見ていきます。
資格 | 受験者数 | 合格率 |
---|---|---|
社会福祉士 | 34,563人 | 31.1%(2022年2月試験) |
精神保健福祉士 | 6,502人 | 65.6%(2022年2月試験) |
介護福祉士 | 83,082人 | 72.3%(2022年1月試験) |
精神保健福祉士との違い
精神保健福祉士とのダブル受験が可能ですが、精神保健福祉士の合格率は2022年2月実施の試験で65.6%と、社会福祉士よりも高くなっています。
受験する方の背景も違いますので、一概に合格率で難易度ははかれませんが、社会福祉士の方が合格率がかなり低いことは確かです。
参考:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター 精神保健福祉士国家試験「合格発表について」資料
介護福祉士との違い
介護福祉士の2022年1月実施試験の合格率は72.3%であり、こちらと比べても社会福祉士の方が合格率が低いという結果になっています。
また、介護福祉士試験の出題科目は10科目となっており、出題範囲も社会福祉士の方が広いです。
参考:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター 介護福祉士国家試験「合格発表について」資料
受験者数の違い
補足ですが、三大福祉国家資格である「社会福祉士」「精神保健福祉士」「介護福祉士」のなかで、一番受験者数が多いのは介護福祉士で、2022年には8万3千人以上が受験。
次に多いのが社会福祉士で、2022年には3万4千人以上が受験しています。
精神保健福祉士については2022年実施の試験で6千人台と、3つの資格の中では受験者数が一番少ない状況です。
一発合格に向けて
受験するなら一発合格をしたいと思う方は多いでしょう。
一発合格のためには、問題演習が欠かせません。
240分で150問の問題を解かなくてはならないので、1問あたり1分を目安に解く練習をしておきましょう。
法改正にそなえる
問題集やテキストは新しいものを使用し、法改正にそなえることが大事です。
繰り返し解き、理解する
また、自分用のまとめノートを作り、問題を繰り返し解くことによって得た知識などを書いておくとよいでしょう。
テキストに書き込んで、まとめノートの代用にしてもよいかもしれません。
問題演習は、解説に至るまで自分のものにしておきましょう。
正しい答えがわかるだけではなく、他の選択肢についても解説を読んでどこが違うのかを理解しておくことが一発合格するためには重要です。
社会福祉士試験の合格率が低い4つの理由
社会福祉士試験の合格率が低い理由には、大きく分けて4つの理由が考えられます。
それぞれ見ていきましょう。
(1)出題範囲の広さ
社会福祉士に求められる能力は多岐にわたり、試験においても非常に幅広い分野から出題されます。
出題範囲の科目は18科目にもわたり、福祉系資格試験のなかでトップの科目数となっています。
介護福祉士が11科目、精神保健士でも16科目ということで、いかに社会福祉士試験の科目数が多いかわかるでしょう。
苦手分野は作らない
問題なのは、すべての科目で得点を狙わなければいけない点です。
選択科目ではないため、18科目のうち苦手分野を残してしまうと、途端に合格が難しくなってしまいます。
得意分野でカバーしきれないほど苦手科目を残してしまい、結果的に不合格になってしまう受験者が多いようです。
(2)試験対策の勉強時間が足りない
出題範囲の広さと関係していますが、科目数の多さにより十分な勉強時間が確保できない方が多く見られます。
社会福祉士試験の合格には、およそ300時間の勉強が必要とされています。
これは社会福祉士の受験資格を得るための期間は入っていません。
1日1時間勉強したとしても、1年近くかかる計算です。
合格レベルに達していない
福祉関連の学校に通いながら合格を目指す方、働きながら勉強をしている方など、受験者にはさまざまな方がいるでしょう。
あらかじめ受験申し込みを済ませてから勉強をはじめるケースでは、最終的に合格レベルの学力に達しないまま試験日を迎えてしまうケースが多いのかもしれません。
(3)学習のモチベーション低下
出題範囲が広いということは、学習期間が長期的になることを示します。
受験を決めた当初のモチベーションを維持したまま試験に挑める方は、ほとんどいないのではないでしょうか。
日々の生活のなかで仕事や人間関係で疲れることもあるでしょう。
そうした状況で、合格のために集中しながら学習することは非常に困難です。
明確な目標や将来像が大切
社会福祉士試験の場合は科目数が多いこともあり、学習単元の切り替えにも対応する必要があります。
最後まで学習をやり通すために、あらかじめ無理のない計画を立てましょう。
「何のために資格取得したいのか、どのように活かしたいのか」、目標を常に意識することが大切といえます。
明確な将来像があれば、モチベーション維持につながるのではないでしょうか。
(4)試験本番でのミス
学習時間を十分に確保し、万全の体制で試験本番を迎えた場合においても、まだ安心してはいけません。
試験本番において、体調不良や緊張により実力を発揮できないケースが多々あります。
受験番号や名前の記入漏れといった初歩的なミスから、回答の間違いなど。
社会福祉士試験はマークシート形式ですが、問題数が150問近くあるので、うっかり回答がずれることもあるかもしれません。
日頃の体調管理に気を配り、学習時にはマークシートに慣れておくとよいでしょう。
社会福祉士になるには?受験資格は?
福祉系のカリキュラムを持った大学に編入・入学した場合
他資格の受験資格や教員免許状の取得が可能
福祉系ではない一般の大学を卒業した方が社会福祉士を目指す場合、福祉系のカリキュラムを持った大学に3年次編入するのがおすすめです。
卒業と同時に社会福祉士の受験資格とともに精神保健福祉士の受験資格もとれることがあります。
また、教員の免許状も一緒に取得できることもあるので、一般養成施設よりも大学編入の道を選ぶ方は多いです。
通信制も多いので、働きながら勉強することが可能です。
費用
費用の目安は、通信制の場合、2年間で数十万円かかります。
また、高卒の方の場合でも、福祉系のカリキュラムを持った大学に入学するのが社会福祉士の受験資格を得るのには早道ですが、在籍期間は4年間と3年次編入をした場合の約2倍の費用がかかります。
3年次編入・大学入学ともに通学コースよりも通信コースの方が費用は安くすみますが、教諭免許状や受験資格を得るための費用、また実習やスクーリングの費用が別途かかる場合もあるので、詳しくは大学に資料請求するのがおすすめです。
一般養成施設等または短期養成施設等の場合
受験資格取得の要件
児童福祉司など指定の実務経験が4年以上ある方や、福祉系の大学で基礎科目を履修した方などの場合、短期養成施設等で半年以上勉強し修了すると、社会福祉士の受験資格が取得できます。
また、一般大学を卒業した方、短大などを卒業して実務経験を1~2年積んだ方、相談援助実務を4年経た方などは、一般養成施設等で1年以上勉強し修了すると、社会福祉士の受験資格が取得できます。
一般養成施設や短期養成施設等は、大学編入・入学に比べて早く受験資格が得られますが、教諭免許状や精神保健福祉士の受験資格は一緒にとれないことが多いです。
費用
費用は、一般養成施設等の通信コースが数十万円、通学コースだと100万円以上が目安です。
短期養成施設等はそれよりも安くなります。
コース
通学コースには夜間コースが用意されている講座もあるため、働きながら勉強も可能です。
一方で通信コースの場合には、実習やスクーリングが通える範囲にあるかどうかを調べる必要があります。
受験対策講座
社会福祉士の受験資格が得られた場合、受験対策講座を受けるのもおすすめです。
費用、テキスト
かかる費用は、通学講座で7万円台、通信講座で5万円台が目安です。
通学講座も通信講座もテキストに工夫があったり、法改正が頻繁におこなわれる分野なので新しい情報を届けてくれるといった利点があります。
カリキュラム、サポート
社会福祉士の出題科目は19科目ありますが、それらをまんべんなく勉強できるようなカリキュラムになっています。
社会福祉士の試験勉強は、問題に慣れることが必要ですが、通学・通信ともに問題演習に力を入れたものが多いです。
通信の場合でも、わからないところを講師に質問できるシステムもありますので、安心して勉強ができます。
学習期間
学習期間は、通学で2ヶ月から、通信で7ヶ月からとなっています。
短期に集中して勉強したい場合は通学講座、自分のペースでじっくりと勉強したい場合は通信講座という選び方もあります。
通学コースでも、いろいろな曜日に開講されている場合があるので、働きながら勉強が可能です。
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