
専門学校で看護師を目指すには?専門学校の特徴や大学との違いについても解説
看護師を目指す場合、専門学校や大学を卒業する必要があります。看護専門学校は、大学と比べて修業年限が短く、実践的なスキルを重点的に学べることが魅力です。
この記事では、看護専門学校の学びの特徴や大学との違い、必要な学費、卒業後の進路などを詳しく解説しています。
看護専門学校とは?どんなことが学べるの?

看護専門学校は、看護師になるための知識と技術を集中的に学べる教育機関です。
基礎医学や看護理論に加え、実習を通じて現場力を育てるカリキュラムが組まれており、3年間という限られた期間で即戦力となる実践力を養います。特に臨床現場での実習は、患者さんとの関わり方やチーム医療のあり方を体感しながら学べる点が魅力です。
国家試験対策も手厚く、卒業後すぐに看護師として働けるようサポートが整っています。効率的に看護職を目指したい方にとって、看護専門学校は実用的な選択肢だといえるでしょう。
看護師が目指せる専門学校を見る看護師になるには
看護師になるには、国家試験に合格し、看護師免許を取得することが必須です。
国家試験を受験するためには、まず厚生労働大臣が指定した養成機関である大学・短期大学専門学校・看護師養成所のいずれかに進学し、必要なカリキュラムを修了する必要があります。また「准看護師」資格を持っている場合、指定大学・指定学校・指定養成所で2年以上修業した場合も受験資格が得られます。
試験では、人体の構造と機能や基礎看護学、様々な年代・症状に合わせた看護の知識・技術など幅広い能力が求められます。看護師国家試験を受験し合格することで、看護師として働けるようになります。
看護師が目指せる専門学校を見る看護専門学校にかかる学費
看護専門学校は、比較的学費が抑えられる進学先として注目されています。
一般的に、3年間の総費用は約300万円〜400万円程度とされており、大学よりも経済的負担が軽いのが特徴です。この中には入学金、授業料、実習費、教材費などが含まれます。
また、多くの専門学校では奨学金制度や教育ローン、自治体や医療機関による修学資金制度が整備されています。加えて看護専門学校は母体が病院であることが多く、学校で独自の奨学金制度や、卒業後規定の期間運営母体の病院に勤めることによって学費を返済できるような仕組みを持っている場合があります。経済的に難しいと考えている方でも、一度学校に相談してみると良いでしょう。
看護師が目指せる専門学校を見る専門学校と大学の違い
看護師を目指す上で、専門学校と大学どちらに進学するか迷う方も多いのではないでしょうか。昔と比べて全国的に看護師を目指せる大学数は増加しており、今まで専門学校しか選択肢になかったエリアでも大学へ通える環境が整ってきています。
両者には修業年限や学費、カリキュラムなどさまざまな違いがあるため、違いをよく知り、自分の目標やライフスタイルに合った選択をすることが大切です。
修業年限
看護専門学校の修業年限は3年、大学の看護学部は4年です。大学に進学した場合、1年分長く学ぶことになります。
より早く現場にでたい、働きたいという人には短期間で国家試験の受験資格を得られる専門学校が適しているでしょう。
実習時間やカリキュラム
看護専門学校と大学では、カリキュラムの組み立て方や実習の比重に違いがあります。
専門学校は、即戦力となる実技指導や臨地実習に重点を置き、カリキュラムに占める専門科目、実習時間が多いのが特徴です。母体が病院である学校が多いのも特徴で、実習先と連携が取れているのも魅力の一つです。
大学では理論や研究に加え、より広範な看護観や倫理観も育成されるよう設計されており、総合医療大学では他学部と連携してチーム医療の観点を取り入れているケースも見られます。また大学は一般教養科目の履修などが定められているため、専門以外の一般知識を学ぶ環境が整っています。
どちらも国家試験合格を目指す点では共通ですが、現場での実習・即戦力となる技術を追求するか、幅広い知識と視野を身につけるかの違いがあります。将来どのような看護師を目指すかに応じて、最適な環境を選びましょう。
学費
学費面では、専門学校の方が大学よりも負担が少ない傾向にあります。
専門学校の3年間の学費は総額で約300万〜400万円程度なのに対し、大学では4年間で約500万〜700万円が相場です。
この差は、授業料だけでなく、施設使用料や設備費、教科書代などを含めた総額に反映されます。さらに、私立大学ではこれ以上の費用がかかることもあります。
経済的な負担を軽減し、短期間で看護師を目指したい場合は、専門学校が現実的な選択肢となります。各種奨学金や修学支援制度の活用も重要なポイントです。
初任給や昇給の条件
日本看護協会によると、専門学校卒・大学卒の看護師の初任給(平均額)は以下の通りです。
学歴 | 平均給与額 |
---|---|
高卒+3年課程卒 | 266,558円 |
大卒 | 274,752円 |
(引用元:公益社団法人日本看護協会『2023年 病院看護実態調査』より)
専門学校卒でも大学卒でも、看護師として就職した際の初任給に大きな差がないことがわかります。
ただし、昇進や昇給に関しては、大学卒の方が研究や管理職への道が広がる可能性はあります。大学で得られる学士の資格や研究実績が評価され、キャリアアップの選択肢が増えるケースもあるからです。とはいえ、現場での実務能力や経験も昇給には大きく影響するため、どちらの経路を選んでも努力次第で活躍の場は広がります。
看護師が目指せる専門学校を見る卒業後の進路
看護専門学校を卒業し、看護師国家試験に合格すると、さまざまな現場で活躍するチャンスが広がります。いくつかご紹介します。
看護師として病院や診療所で活躍する
卒業後は病院や診療所に就職し、医療の最前線で働くのが一般的です。
病棟勤務をはじめ、外来や救急、手術室など配属先は多岐にわたり、患者と密接に関わる機会も豊富です。大きな病院では新卒看護師に対する教育体制やスキルアップ研修など、制度が整っていることが期待できるでしょう。
また、診療所では少人数のチームで幅広い業務を担当することが多く、地域に密着した医療の中で経験を積めます。
介護施設や在宅医療の現場でも需要が高い
また昨今では、介護施設や在宅医療の場でも看護師の需要は高まっています。
介護老人保健施設や特別養護老人ホーム、訪問看護ステーションなどでは、利用者の生活を支える医療ケアが求められます。医師が常駐していない施設もあるため、看護師の判断力や対応力が重視され、やりがいのある現場です。
在宅医療は、患者や家族との信頼関係を築きながら支援を行うため、コミュニケーション力も必要とされます。
その他企業や学校現場など
また、一般企業で産業看護師として社員の健康を守る役割を担ったり、保育所やこども園、乳児院などの児童福祉施設で子どもの健康を守るために働く選択肢もあります。
看護師のニーズは高く、必要としている勤務先は数多く存在します。
看護師が目指せる専門学校を見る看護師を目指せる看護専門学校
全国には、充実したカリキュラムと手厚いサポート体制を持つ看護専門学校が数多くあります。ここでは、代表的な5校をピックアップして、その特徴や魅力を紹介します。
学校法人藤仁館学園 専門学校高崎福祉医療カレッジ
所在地:群馬県高崎市東町28番地1
専門学校高崎福祉医療カレッジは、群馬県高崎市に位置し、次世代の「福祉・医療のエキスパート」の育成、「地域医療に貢献する人材」の育成を目指しています。
学べる内容や特色
・多職種連携教育
看護学科の他にも「介護福祉学科」、通信課程では「社会福祉科」「精神保健福祉科」を持っており、多職種と連携した教育が特徴です。また看護師以外にも様々な資格を持った教職員がおり、視野の広い教育が行われています。
・地域の実習病院での臨地実習
地域医療に貢献する人材育成を目指す高崎福祉医療カレッジでは、実習も群馬県周辺の病院で行うことができます。地域の施設と密接に繋がりながら、地域で活躍できる看護師を育てます。
・准看護師資格を持つ人の通信課程も開講
高崎福祉医療カレッジでは、現在働いている准看護師の方を対象に、働きながら看護師免許の取得を目指せる通信課程が開校されています。勤務シフトにあわせてスクーリングの振替もできるので、働いている方にはおすすめです。
鳥取市医療看護専門学校
所在地:鳥取県鳥取市東品治町103-2
鳥取市医療看護専門学校は、卒業時に専門性を身につけ即戦力となることを目指し、実践的な看護教育を提供している看護学校です。医療現場で進むIT化に対応したICT教育を推進しており、現場で活躍できる看護師の育成を目指します。
学べる内容や特色
・地域に密着した実習環境
鳥取県内の医療機関と連携し、学生は地域医療の最前線で実習を行います。実践に即した学びにより、地元に根ざした看護師として活躍する力を身につけられます。
・少人数制による丁寧な指導
一人ひとりの成長を支えるため、教員が学生に寄り添った指導を実施。学習面だけでなく、国家試験対策や就職支援もきめ細かくサポートします。
・+1年選考で大卒資格が取れる
3年制の看護学科に+1年、「地域こども支援専攻」に進むことで、大学卒業資格の取得が可能です。こども支援に焦点を当てた知識・技術を学び、支援教育専門士の資格が取得できます。
美作市スポーツ医療看護専門学校
所在地:岡山県美作市古町1701番地
美作市スポーツ医療看護専門学校は、医療・福祉・スポーツを融合した教育を展開し、地域で活躍できる人材の育成を目指しています。美作市を中心とした6自治体で設立した学校で、地域医療体制の充実や地域活性化などに取り組みます。
学べる内容や特色
・美作市の全面バックアップによる実践教育・地域連携
臨地実習のための施設は学校のすぐ隣にあり、現場で働くプロと密接に連携を取りながら、現場を学べる環境が整っています。また、地元の病院や介護施設、スポーツチームや企業などとの連携を通して行うインターンシップなども充実しており、地域医療や福祉分野に対応できる力を養います。
・基礎から高度な看護まで多彩な授業
基礎から実践的な臨地実習、またICT教育など、現場に即した看護師となるための専門知識と看護技術、また看護師としての心構えをしっかりと3年間で学びます。
・全国トップクラスの国家試験合格率・就職率
入学前から指導はスタートし、学生の勉強をサポート。資格・就職サポート体制も充実しており、国家試験合格率は全国的にも高い実績を持っています。
首都医校
所在地:東京都新宿区西新宿1-7-3 総合校舎コクーンタワー
首都医校は、医療・福祉からスポーツまで幅広い学科を持つ総合医療系専門学校です。看護学科は3年制と4年制が設置されており、3年制は授業時間帯が「9:00~16:10」「16:20~21:10」2つに分かれていることから、より多くの環境の方が看護師を目指せる環境が整えられています。
学べる内容や特色
・即戦力を育てる「チーム医療」教育
看護学科だけでなく、他学科(臨床救急・看護・歯科医療・リハビリ・スポーツ・東洋医療・福祉分野)との連携授業を通じて、実際の医療現場に近い「チーム医療」の在り方が学べます。
・4年制の高度看護学科が併設
3年制の実践看護学科Ⅰ・Ⅱに加えて、4年制の高度看護学科が設置されており、卒業すれば大学と同等の高度専門士の資格が取得できます。大学院への入学資格も得られるので、「専門看護師」「認定看護師」を目指せるようになります。
・安心の「国家資格保証制度」「完全就職保証制度」
国家試験に合格できなかった場合、資格取得に向けた勉学を継続するために必要な学費を2年間保証してくれる「国家資格保証制度、。万が一就職できない場合、卒業後、就職が決定するまでの必要な学費負担を行ってくれる「完全就職保証制度」が導入されており、合格・就職への強力な支援体制が整っています。
大阪医療看護専門学校
所在地:大阪府豊中市刀根山5-1-1
大阪医療看護専門学校は、大阪市内にある看護専門学校で、即戦力として現場で活躍できる人材を育てる実践重視のカリキュラムが特徴です。個別サポートや模擬試験など、国家試験対策も万全で、毎年高い合格率を誇っています。
学べる内容や特色
・1人1台のiPad支給で自主学習を推進
入学した方には1人1台の学校指定のiPadが支給され(※支給条件あり)、自主学習ができる環境を提供。レポート提出や予習復習・国家試験対策などが、いつでもどこでも気軽に行えます。
・実習の利便性が高い病院内の好立地
学校が国立病院の大阪刀根山医療センターの敷地内に位置しており、実習後に疑問点があってもすぐに学校に戻って相談することができます。
・国家試験合格を目指した個別サポート
1年次から、教員による個別指導や模擬試験を重ねて、国家試験対策を徹底的に行います。苦手科目への対応や学習方法の指導もきめ細かく受けられます。開校以来、国家試験合格率は常に全国平均を上回っています。
看護専門学校で医療の現場に貢献できる看護師を目指そう

看護専門学校は、実践力と人間力を備えた看護師を育成するための最適な環境です。
特に臨地実習を重視したカリキュラムや、現場を想定した演習によって、即戦力となるスキルを習得できるのが特徴です。卒業後は、病院や介護施設、在宅医療など多様なフィールドで活躍する道が広がっています。
看護専門学校で、確かな知識と技術を持った看護師を目指しましょう。