高等学校卒業程度認定試験(旧大検)
高等学校卒業程度認定試験(旧大検)は、高校を卒業していない方が、大学や専門学校の受験資格を得るための国家試験です。年2回実施され、合格すれば「高卒と同等以上の学力」があると認められます。
大学受験
学ぶ意欲の高い社会人に向けて、社会人入試を実施している大学があります。筆記試験が基本の一般選抜に比べ、面接や小論文、書類審査などを通して受験生の熱意や適性を見る方式が多く導入されています。
学士(大卒資格)
学士は、大学などの高等教育機関で一定の課程を修了した人に授与される学位です。一般に4年間の学習を経て取得でき、各専攻に応じて「文学士」「工学士」「経済学士」などの名称があります。
大学編入
大学編入とは、短期大学や専門学校、高専、他の大学などで一定の単位を修得した人が、別の大学の2年次または3年次に途中から入学する制度です。学び直しやキャリアチェンジを目指す社会人にも利用されており、希望する専門分野に進むチャンスとなります。
働きながら学びたい社会人が大学に通うためには
社会人になってから自身のキャリアアップを目指し、大学での学び直しを考える人は増加しています。この記事では、働きながら大学で学ぶ方法について詳しく紹介します。
大卒資格(学士)を取得するメリット
昇進の条件として学士号が設けられるケースや、採用条件もしくは国家試験の受験資格として「大卒以上」と指定されるケースは多く見られるため、社会人になってからでも大卒資格を得るメリットは大きいと言えます。大学に通い、新たな知識を得ることで、職場での役割やチャンスが広がる可能性も大。さらにその先の大学院進学への道も開かれ、キャリアの選択肢が広がります。
社会人特別入試で大学に進学する方法
社会人特別入試は、働きながら学びたい社会人に向けた大学入試の一形態です。この制度は、一般の入試制度と異なり、職務経験や学びたい意欲を重視する選考が行われます。
社会人特別入試の例
広島大学法学部法学科・経済学部経済学科 夜間主コース
総合型選抜 社会人型
選抜方法 小論文と面接で総合判定。英語民間試験の成績も評価対象。
東京理科大学理学部第二部
社会人特別選抜
書類審査及び面接により選考。面接では口頭試問(数学科では数学、物理学科では物理学および数学、化学科では化学に関する口頭試問)を行う場合があります。
社会人特別入試の概要
社会人特別入試の受験資格や試験内容は大学によって異なります。中には、一定の職務経験を有することを条件とする場合もあります。
例:中央大学商学部社会人入試
自らの社会経験を通じて、本学での学習に強い関心と意欲を持つに至った者で、以下の1、2のいずれかに該当する者。
1.21歳に達した者で、民間企業ないし政府機関・自治体等にフルタイム(派遣社員を含む。但し、パート、アルバイ トは除く)で1年以上継続して在職している者、または在職していた者。
2.23歳に達した者。
試験内容は、小論文や面接を通して総合的に意欲や人間性を判断するケースが多く見られます。この制度のメリットは、なんといっても社会人として経験や知見を活かせる点。これまでの社会経験を通して学んだことや、なぜこの分野を学びたいと思ったかなどをしっかりと大学側に伝えましょう。小論文は過去問を参考に、実際に書いて人に添削してもらうなどのトレーニングが必要です。
大学編入制度を利用して学士を取得
大学編入は、短大や高等専門学校、専門学校などで既に修得した単位を活かして、新たに大学に進学する制度です。
大学編入のメリット
大学に編入するメリットは、短大・専門学校などでの基礎学習を経て、より専門的な内容を学べる大学へ進むことで、知識やスキルの幅が広がる、という点。高校卒業の時点ではやりたいことが曖昧だった、という人も、より自分の学びたい方向を明確にしたうえで専門性を追究することができます。
また、大学編入は一般的に3年生からという大学が多く、1・2年次の学費や時間を節約できるのも大きな魅力です。
大学編入試験の概要
大学編入試験は、基本的にその学部における専門的な知識・技能を問うものです。そのため、筆記試験と合わせて、小論文や面接試験を行うケースが多く見られます。自分がその学部で学びたいこと、研究したいことなど、専門性を突き詰めて対策するようにしましょう。
編入試験の例:
京都大学法学部
出願書類(TOEFL-iBTのスコア含む)、論文試験の成績を総合判定
上智大学外国語学部
学科試問、面接試験、書類審査の内容を総合判定
通信制大学での社会人の学び直し
自宅などの好きな場所で学ぶことができるため、社会人や主婦にとって学びやすい環境である通信制大学。その概要を解説します。
通信制大学で学ぶメリット
通信制大学の最大のメリットは、オンライン授業や教材を活用し、自分のペースで学習できる点。必要な単位を修得すれば、通学制と同じように学士の学位を取得することも可能です。キャリアアップや就職のために大学卒業資格が欲しいけれど、通学制の大学に通うのが難しい……といった社会人や子育て中の方に特におすすめです。
また、通学制大学に比べて学費が安い点も大きなメリット。一般の4年制大学と比較すると年間で10倍近く差が出るケースもあります。経済的に余裕がない人でも学びやすい環境です。
社会人が通信制大学で学ぶ際のポイント
自分の好きな時間やペースで学べるというメリットがある反面、通信制大学での学びには、モチベーションの維持が難しい、といった点も挙げられます。そのため、きちんと目標を立て、学習スケジュールを組み、計画的に課題をこなすなど、自己管理が重要です。
また、中にはスクーリングのため指定された会場に向かわなければならない、といった大学もあります。子育てや仕事が多忙な人は、スクーリングがない通信制大学を選ぶ、などの工夫が必要です。
高卒資格を得るための高等学校卒業程度認定試験(旧大検)
高校を中退した方や高卒資格がない方にとって、高等学校卒業程度認定試験(旧大検)は、大学で学ぶための重要なステップです。この試験に合格することで、大学入学資格を得ることができます。
高等学校卒業程度認定試験(旧大検)の概要
高等学校卒業程度認定試験(旧大検)は、毎年8月と11月の2回行われるため、受験日に合わせて対策スケジュールを立てましょう。国語・地歴公民・数学・理科・外国語の5教科から、各教科の必修科目に合格する必要があります。
受験資格は、その年度で16歳以上になる人とされており、すでに大学入学資格を有している方は対象外です。
高等学校卒業程度認定試験(旧大検)に合格するために
高等学校卒業程度認定試験(旧大検)は年間1万8千人ほどが受験し、そのうち8千人ほどが合格しています。受験者の半数近くが受かっていることになり、きちんと対策して臨めば決してハードルが高い試験ではありません。
また、「1回の試験で全科目合格する必要がない」という点が高等学校卒業程度認定試験(旧大検)の大きな特徴。1度合格した科目は蓄積することができ、次回受験時に免除となるため、何度もチャレンジすることで着実に資格取得に近づけます。