
心理系の仕事といえば「心理カウンセラー」や「スクールカウンセラー」などのカウンセリングの業務が有名です。カウンセラーという名称自体は、特に法律で定められていないため、資格を持っていなくても、誰でも名乗ることができます。
心理学部・大学院など、教育機関での学習が必要な資格には、「臨床心理士」「学校心理士」「認定心理士」などが有名です。特に臨床心理士は、心理系の民間資格の中で最高峰であり、医療機関や教育機関の採用基準に臨床心理士資格取得者が入ることもしばしばあります。
一方、2015年に「公認心理師法」が公布され、国家資格の「公認心理師」が誕生しました。心理系の国家資格として期待が高まっています。
その他、民間団体が認定する資格については比較的短期間で取得できるものもあります。

代表的なのは病院やクリニックなどの医療機関にある相談室、学校や児童相談所、自治体の相談室や保健所などが挙げられます。他にも、企業の中で活躍し、従業員のメンタルヘルスをトータルでケアしたり、カウンセラーとして独立したりと、活躍の場のバラエティに加え、対象とする人も様々なのがカウンセラーという仕事。
まず、医療機関や公立学校のスクールカウンセラーとして活躍することを念頭に置いた場合、これらの募集要項には、臨床心理士の資格を求められる場合が多いようです。
臨床心理士の資格を取得するには、日本臨床心理士資格認定協会が指定する「大学院」で臨床心理に関する知識と技術を学び、必要単位を取得しなければなりません。そのうえで臨床心理士資格試験に合格し、登録手続きを経てはじめて臨床心理士として認定をされます。カウンセラーとして応用範囲の広い臨床心理士を取得していれば活躍の場は広がるでしょう。しかしその分、大学や大学院、受験期間などを含めると、資格取得までにかなりの時間を要します。
企業内で従業員のメンタルヘルスケアを行うカウンセラーを目指す場合、産業カウンセラーの資格があります。学校などをフィールドとした心理教育的援助のプロフェッショナル資格もあるので、スクールカウンセラーを目指す場合は、学校心理士の取得を視野に入れるとよいでしょう。
心理・メンタルを専門にカウンセラーとして活躍する以外に、その他の職業で心理的スキルを応用することも可能です。特に、医療・看護の分野で既に勤務する方や介護施設で働く職員など、多種多様な人と関わりがあるような方に、コミュニケーションを円滑にするなどの目的で、近年注目が集まっているようです。こういった場合、心理の基本的な知識なども十分に活かせるでしょう。メンタル心理カウンセラー、メンタルケアカウンセラーなど多くの資格があるので、目的に合わせて学ぶのも良いでしょう。

仕事に結びつけて学びたい人のほかに、自分自身のメンタルヘルスのため、もしくは家族や友人など身近な人のケアのために学びたいという方も、少なくないようです。
心理学への第一歩として認定心理士の資格、心理学の知識や、話し方、話の聴き方のテクニックを認定するメンタル心理アドバイザー、心理学・カウンセリングの基礎知識のメンタル心理カウンセラー、コーチングなどにも役立つNLPトレーナーなど、心理資格はそれぞれ特徴も異なります。どういったことに役立てたいのか、目的に合わせて知識を習得していくのも一つの手でしょう。
似ている名称でたくさんの資格があるので、気になる資格は一つずつ調べたり、資料を取り寄せるなどして、目的に合わせたものを選択するとよいでしょう。