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保育士になるには?資格や仕事内容、試験などについて解説

保育士になるには?資格や仕事内容、試験などについて解説

保育士になるためには、国家資格「保育士資格」が必要です。
取得するには2つのルートがあり、自身の環境に合った方法を選択することができます。
公務員保育士や保育士と幼稚園教諭の違いについても解説しています。

更新日:2021-04-14(公開日:2017-09-04)

この記事を監修したのは

白梅学園大学 教授:仲本 美央

白梅学園大学大学子ども学部 教授 仲本 美央

保育士資格とは?

国家資格「保育士資格」の定義とは?

一般的に「保育士資格」は広く認知されている資格ですが、改めて保育士資格についてご説明します。
「保育士資格」とは国家資格であり、児童福祉法第18条の4で「保育士とは、第18条の18第1項の登録を受け、保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者をいう。」と定義されています。

「保育士資格」取得だけでは働くことはできない

保育士になるには、「保育士資格」を取得しなければなりません。
絶対に忘れてならないのは、資格取得後に都道府県知事に登録申請をおこない各都道府県の保育士登録をおこなうことです。
保育士証の交付を受けて初めて「保育士」として働くことができるので注意が必要です。

登録後、おおよそ3月末から4月初めに保育士証が送付されてきます。

「保育士資格」誕生までの歴史

「保育士資格」が誕生するまでに約半世紀がかかりました。

1948年
児童福祉法に基づき現在の保育士の前身となる保母資格が誕生しました。
保母資格を取得する女性が増え、いわゆる「保母さん」という職業が社会に認知され、保育士を目指す男性も増え「保父さん」という呼称も広まりました。

1999年
男女雇用均等法の大幅な改正に伴い「保育士」という名称が誕生しました。

2003年
2001年11月に公布、2003年に施行された児童福祉法の改正によって、かつて任用資格であった保母から「保育士」という国家資格という位置づけになりました。
意外にも、保育士資格は十数年前に誕生した、新しい資格といえるでしょう。

保育士になるには?

保育士資格を取得する2つのルート

保育士資格を取得するには2つのルートがあります。

ルート1養成校(専門学校・短大・大学)を卒業時に取得
ルート2試験合格で取得

ルート1 養成校(専門学校・短大・大学)を卒業する

保育士資格が取得できる養成学校とは、厚生労働大臣が指定する専門学校、短大・4年制大学です。
この養成校で学び、所定の科目・課程を履修すれば、卒業時に保育士資格が得ることができます。
また、「保育士」と「幼稚園教諭」のダブル取得ができる学校も少なくないので、一度に2つの資格を取得しておけば、将来の選択肢が広がるでしょう。

ルート2 保育士試験に合格する

独学及び資格試験の通信講座受講や、スクールに通って学び試験合格を目指すルートです。
この場合は最短6ヶ月で取得可能ですが、保育士試験は、筆記試験8科目、実技試験2分野の構成になっており、難易度は比較的高いようです。
そこで、一度の試験で全て合格できなくても、一度合格した科目は3年間有効になっていますので、3年後に合格を目指すなど、自分のペースで学習するのもオススメです。

関連記事:
保育士の養成学校とは?学習内容やメリットなども紹介!
保育士資格を大学・短大で取得するメリットは?
専門学校に通って保育士になるには?メリットや学校選びの注意点も紹介!

保育士試験の試験概要

保育士試験は、筆記試験と実技試験があり、前期と後期を実施。
年に2回チャレンジできます。

筆記試験
・保育の心理学
・保育原理
・社会福祉
・教育原理
・社会的養護
・子どもの保健
・子どもの食と栄養
・子ども家庭福祉

保育実習理論 実技試験(筆記試験全科目合格者のみ)
下記の3分野から希望する2分野を選択
・音楽表現に関する技術
・造形表現に関する技術
・言語表現に関する技術

関連記事:
保育士実技試験(音楽・造形・言語)の内容
ピアノが弾けなくても保育士になれる!?求められるピアノスキルも紹介!

保育士試験の受験資格

保育士試験を受験する前に、最終もしくは現在の学歴等により受験資格の規定がありますので資格の有無について確認をしておくと良いでしょう。

(1)大学を卒業している場合
学校教育法に基づいた大学を卒業していれば、保育士に関する学部・学科でなくとも受験資格があります。

(2)大学に在学中・中途退学している場合
大学に2年以上在学して62単位以上修得していたり、大学に1年以上在学中で62単位を年度内に修得できることが見込まれていれば受験資格があります。
中途退学をされた方の場合も、2年以上在学して62単位以上修得できている場合は受験資格があります。

(3)短期大学を卒業している場合
学校教育法に基づいた短期大学を卒業していれば、保育士に関する学部・学科でなくとも受験資格があります。

(4)短期大学に在学中の場合
学校教育法に基づいた短期大学であれば保育士に関する学部・学科でなくとも受験資格がありますが、年度中に卒業できなかった場合は受験資格を得ることができません。

(5)専門学校を卒業している場合
学校教育法に基づいた専修学校(専門学校)を卒業していることと、卒業した課程が修業年限2年以上の専門課程であることの2点を満たしていれば、保育士に関連する学科でなくても受験資格があります。

(6)専門学校に在学中の場合
学校教育法に基づいた専修学校(専門学校)であることと、在学している課程が修業年限2年以上の専門課程であることの2つを満たしていれば、保育士に関連する学科でなくても受験資格がありますが、年度中に卒業できなかった場合は受験資格を得ることができません。

(7)高等学校を卒業している場合
平成3年3月31日以前に高等学校を卒業している場合は受験資格があります。
平成8年3月31日以降に高等学校の保育科を卒業している場合も、受験資格があります。
保育科以外もしくは保育科で、平成8年4月1日以降の卒業の場合は、受験資格に該当する施設で2年以上2,880時間以上の児童等の保護または援護に従事した勤務経験があれば受験資格があります。

●受験資格に該当する施設
保育所(利用定員20名以上)/保育所型認定こども園/幼保連携型認定こども園/児童厚生施設(児童館)/
児童養護施設/助産施設/乳児院/母子生活支援施設/障害児入所施設/児童発達支援センター/
児童心理治療施設/児童自立支援施設/児童家庭支援センター
※「受験資格認定基準に該当する施設・事業」での勤務経験の場合は、都道府県知事による受験資格認定(知事認定)が必要になります。

(8)中学卒業の場合
5年以上かつ7,200時間以上、児童等の保護または援護に従事した勤務経験があり、受験資格に該当する施設での勤務経験があれば、受験資格があります。

●受験資格に該当する施設
保育所(利用定員20名以上)/保育所型認定こども園/幼保連携型認定こども園/児童厚生施設(児童館)/
児童養護施設/助産施設/乳児院/母子生活支援施設/障害児入所施設/児童発達支援センター/
児童心理治療施設/児童自立支援施設/児童家庭支援センター
※「受験資格認定基準に該当する施設・事業」での勤務経験の場合は、都道府県知事による受験資格認定(知事認定)が必要になります。

「受験資格認定基準に該当する施設・事業」での勤務経験による受験資格認定について詳しくは一般社団法人 全国保育士養成協議会のホームページでご確認ください。

参考:受験資格認定(知事認定)の申請方法/一般社団法人 全国保育士養成協議会

(9)勤務経験(高校を卒業している場合)
①勤務期間2年以上の勤務、②総勤務時間数2,880時間以上の勤務、③児童等の保護または援護に従事の3つを満たしており、受験資格に該当する施設での勤務経験があれば受験資格があります。

●受験資格に該当する施設
保育所(利用定員20名以上)/保育所型認定こども園/幼保連携型認定こども園/児童厚生施設(児童館)/
児童養護施設/助産施設/乳児院/母子生活支援施設/障害児入所施設/児童発達支援センター/
児童心理治療施設/児童自立支援施設/児童家庭支援センター
※「受験資格認定基準に該当する施設・事業」での勤務経験の場合は、都道府県知事による受験資格認定(知事認定)が必要になります。

(10)勤務経験(高校を卒業していない場合)
※(8)の中学卒業の場合と同じ

関連記事:
保育士国家試験の受験資格・試験日程・合格率・難易度

保育士試験の難易度・合格率

保育士試験の総合合格率は10~20%です。
実技試験の合格率は例年80~90%前後ですが、学科試験の合格率が低いため、総合合格率も低くなっています。
学科試験の合格率については公表していない年もありますが、概ね20~30%前後と考えられます。
学科試験の合格率が低い理由には次の3つがあります。

学科試験の合格率が低い3つの理由
(1)筆記試験は9科目あり、科目数が多い
(2)試験範囲が広い
(3)試験の難易度に関係なく合格点は60点に設定されている

以上の理由により、保育士の学科試験の合格率は低くなっています。
確実に合格するためには、試験対策講座の受講がおすすめです。

関連記事:
保育士国家試験の受験資格・試験日程・合格率・難易度

公務員保育士とは?

公立の保育所で働く保育士のことです

公務員保育士になるには、保育士資格を取得し、かつ公務員試験に合格する必要があります。

倍率も高く人気
私立保育園で働く保育士と比較すると、待遇が良いのがその特徴です。
そのため、公務員試験の倍率は10倍を超える自治体もあるほどの人気になっています。

「異動」にも違いがある
公務員保育士と私立保育士とでは給料などの待遇以外にも、異動のある・なしなどの違いがあります。
関連記事でも詳しくまとめておりますので、ぜひご覧ください。

関連記事:
公務員保育士とは?給料や待遇・公務員試験について紹介

保育士、幼稚園教諭、保育教諭の違い

幼稚園教諭(幼稚園の先生)の場合

幼稚園の管轄は「文部科学省」、幼稚園は「学校」という位置づけになりますので、幼稚園で働くには幼稚園教諭免許が必要です。
よって、幼稚園教諭の仕事は「教育」になり、勤務先は公立幼稚園もしくは私立幼稚園となります。

保育士(保育園の先生)の場合

保育所は厚生労働省管轄になり、児童福祉法第18条の4で保育士は“保育に関する指導を行う”と記述されています。
勤務先は、認可保育所(公立・私立)・認定保育所(私立)・無認可保育所、乳児院や児童養護施設、民間の託児施設やベビーシッターなどでも働くことが可能です。
下記のページでも「保育士・幼稚園教諭の違い」を詳しくご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。

関連記事:
保育士資格と幼稚園教諭免許の違い【資格取得方法や待遇の違いを紹介】

保育教諭(認定こども園の先生)の場合

保育教諭とは、「認定こども園」の先生を指します。幼稚園教諭と保育士の両方の資格を取得していることが、保育教諭となる条件です。
認定こども園の中でも数が多い「幼保連携型」の園では、保育士の「保育」と幼稚園教諭の「教育」双方を年齢に応じておこないます。

保育士もしくは幼稚園教諭の資格を有し、一定の実務経験がある場合、もう一方の資格取得に必要な単位の一部について免除を受けられる「幼保特例制度」を令和6年度末までの期間で実施しています。

参考: 幼稚園教諭免許状を有する者における保育士資格取得特例/厚生労働省

監修者プロフィール

この記事を監修したのは

仲本 美央 氏

白梅学園大学 教授:仲本 美央

白梅学園大学 子ども学部 教授。
短大・大学など保育者養成校数校での専任講師や教授の経験を経て、現在は白梅学園大学子ども学部子ども学科・同大学院子ども学研究科教授を務める。
保育学、幼児教育学を専門とし、主に家庭における絵本の活用や保育士養成プログラムの開発に注力。

【主な経歴】
※代表的なご経歴のみ抜粋
・筑波大学大学院 人間総合科学研究科 修了
・淑徳大学 総合福祉学部 教育福祉学科 教授
・白梅学園大学 子ども学部 子ども学科 教授

【代表著書】
・『絵本から広がる遊びの世界 読みあう絵本』(風鳴舎)
・『絵本を読みあう活動のための保育者研修プログラムの開発 ―子どもの成長を促す相互作用の実現に向けて―』(ミネルヴァ書房)
ほか多数

【所属学会】
・日本保育学会
・日本乳幼児教育学会
・日本保育者養成学会
ほか多数

仲本教授へのご連絡はこちら

よくある質問

Q.保育士の試験とはどのようなもの?

A.

筆記試験と実技(ピアノなどの楽器、絵、童話などのお話)試験があります。
前期と後期があり、年に2回チャレンジできます。

関連記事:
保育士になるには

Q.保育士資格とは?

A.

児童福祉法で定められている国家資格です。
保育士として働くためには、資格取得後に各都道府県での登録が必要です。

関連記事:
保育士資格とは?

Q.保育士になるにはどうすればよい?

A.

養成校(専門学校・短大・大学)を卒業して取得するか試験に合格して資格を取得しましょう。

関連記事:
保育士になるには

Q.保育士試験に受験資格はある?

A.

受験資格が設けられています。
最終学歴や現在の学歴、実務経験などにより異なります。

関連記事:
保育士になるには

Q.公務員保育士とは?

A.

公立の保育所で働く保育士のことです。
保育士の資格取得の他に公務員試験にも合格する必要があります。

関連記事:
公務員保育士とは?

    

試験データ

項目 内容
資格・試験名 保育士試験
試験日

【令和3年度後期 保育士 筆記試験】
2021年10月23日(土)、24日(日)

【令和3年度後期 保育士 実技試験】
2021年12月12日(日)

【令和4年度前期 保育士 筆記試験】
2022年4月23日(土)、24日(日)

【令和4年度前期 保育士 実技試験】
2022年7月3日(日)

【令和4年度後期 保育士 筆記試験】
2022年10月22日(土)、23日(日)

【令和4年度後期 保育士 実技試験】
2022年12月11日(日)

試験区分 国家資格
主催団体 社団法人全国保育士養成協議会
受験資格 (1)短大卒程度以上の者(ただし、平成3年3月31日までの高卒者などは、高校卒業以上なら受験可能)
(2)高校を卒業した後、児童福祉施設で2年以上、児童の保護に従事した人
(3)児童福祉施設で5年以上、児童の保護に従事した人

※学歴により複雑に異なります。詳しくは
http://www.hoyokyo.or.jp/exam/qualify/
を参照ください。
合格率 10~20%程度
出題内容・形式 筆記試験科目
(1)保育の心理学
(2)保育原理
(3)子ども家庭福祉
(4)社会福祉
(5)教育原理
(6)社会的養護
(7)子どもの保健
(8)子どもの食と栄養
(9)保育実習理論

実技試験分野
(1)音楽に関する技術
(2)造形に関する技術
(3)言語に関する技術
検定料 12,950円
(内訳:受験手数料12,700円+受験申請の手引き郵送料250円)
問い合わせ先 一般社団法人 全国保育士養成協議会
保育士試験事務センター
http://www.hoyokyo.or.jp/exam/
〒171-8536 東京都豊島区高田3-19-10
フリーダイヤル:0120-4194-82
(オペレーター対応は月~金:9時30分から17時30分 ※祝日を除く)
(他の時間帯は自動音声によるご案内となります。)

保育士試験についての詳細は 『保育士国家試験の受験資格・合格率・難易度』をご覧ください。

    

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