心理カウンセラーになるには
心理カウンセラーになるには、資格の取得が必須ではないので、無資格でも心理カウンセラーと自身で名乗り、業務に従事することができます。しかし、お金をもらって心理カウンセラーとして働いている人は何らかの資格を保有していることがほとんどです。
心理カウンセラーになるためのコースとして大学や大学院で心理関連の知識を学び、国家資格である「公認心理師」の資格を取得や「臨床心理士」の資格取得の他に民間のスクールの様々な講座で心理カウンセラーに必要な専門知識を学び、民間の資格取得をする方法があります。
また、カウンセラーとしてのコミュニケーション能力や傾聴力も必要となりますが、前提としてご自身の状態を安定させなければクライエントの手助けをすることは難しいといえるでしょう。そのためにもストレスのセルフマネジメント能力も高めることも重要です。
心理カウンセラー講座・スクール比較心理カウンセラーの仕事内容と1日のスケジュール例
相談者の抱える悩みを整理しながら自己解決につなげる!
一般的には、心の病を抱えた方の心理カウンセリングをする人を総称して「心理カウンセラー」と呼んでいます。具体的には、カウンセリングなどの心理療法を行いながら、相談者が抱えるストレスや悩みのサポートを行います。その際、相談者に一方的に指示を出すのでなく、相談者自身が問題を解決できるように導いていくのが心理カウンセラーの役目と言えるでしょう。
心理カウンセラーは、主に相談者と直接対面して相談者を取り巻く環境、心理状態を把握しなくてはならないため、心理学やカウンセリングについて様々な知識が必要になります。また、時には相談者の家族や関係者の話を聞き、連携を取り合いながら心理サポートをしていきます。現在、日本には様々な心理系の資格があり、求められる場や役割に応じて心理カウンセラーの呼び方も異なっています。
心理カウンセラーの仕事スケジュール例を紹介!
それでは、心理カウンセラーの1日のスケジュールを見ていきましょう!
ここでは、メンタルクリニックで働く臨床心理士(常勤)の1日のスケジュール例をご紹介します。
1日の仕事スケジュール例
8:00 出勤
9:00 1人目のカウンセリング
10:00 2人目のカウンセリング
11:00 3人目のカウンセリング
12:00 新患対応
14:00 休憩
15:00 心理検査、またはカウンセリング
18:00 退勤
クリニックや病院によって、カウンセリングの時間は様々なようです。
また、職場や働き方(雇用形態)によってもスケジュールは大幅に変わってくるでしょう。
活躍できる場と業務内容
学校で働く場合の仕事内容
学校で心理職として働く場合は、スクールカウンセラーと呼ばれることが多いです。仕事内容としては、学校内の相談室などで、悩みを抱える生徒の相談に乗ったり、カウンセリングを行います。
具体的には、友人・家族・教師との人間関係、学業、不登校、摂食障害、発達障害などの様々な悩みや病気の相談に応じます。
また、生徒だけでなく、保護者から子どもについての相談を受けたり、普段の生徒の様子を知るために、教室に行って観察したり、教師と連携をとったりもします。時には、教師のサポートをする場合もあるようです。
病院で働く場合の仕事内容
学校と同じくらい代表的な職場として挙げられるのが病院です。具体的には、総合病院の精神科や心療内科、メンタルクリニックなどで医者と連携をとり、心の病を抱えた方やその家族の相談に乗ります。
例えば「無気力な状態が続く」「イライラして落ち着かない」「人間関係がうまくいかない」「寝つきが悪い」「家庭・学校・職場の悩みがある」「自分の性格について悩んでいる」「人と接するのがこわい」などの様々な相談にのって、相談者に対して認知行動療法や精神分析療法などの心理療法やカウンセリングを行います。
活躍の場は、精神科や心療内科だけとは限りません。神経内科、小児科、産婦人科などで働く場合もあります。
一般企業で働く場合の仕事内容
企業内の相談室などに勤務し、そこで働く従業員の心身のメンタルケアをはかります。一般企業で働く心理カウンセラーの場合、取得している資格(臨床心理士か産業カウンセラー)によって、その仕事内容は多少異なります。
臨床心理士として働く場合
従業員や経営者の抱える様々な悩みに対しての心理カウンセリングやサポートを行います。その際、臨床の知識や経験が必要になるので、病院などで実務経験を重ねてから、企業で働くケースが多いようです。また、一般企業での就業経験もあればプラスになります。
産業カウンセラーとして働く場合
産業分野に特化して相談業務を行います。人事などの担当者が、産業カウンセラーの資格を取得し、カウンセリングを行うケースもあるようです。
いずれの場合も、企業セミナーなどで、メンタルヘルスケアについての講義を行うこともあります。
児童相談所で働く場合の仕事内容
児童相談所の心理職は、以前は心理判定員と呼ばれていましたが、現在では児童相談所で働く心理判定員に限り児童心理司という呼び方になっています。
具体的には、虐待やいじめなどで悩んでいる子どもや、発達・知的障害がある子どもを抱える親などの様々な相談に乗ります。また、時に心理検査なども行います。
児童心理司は公務員なので、公務員採用試験で合格する必要があります。
福祉業界で働く場合の仕事内容
福祉業界では主に老人保健施設や精神保健福祉センターなどの施設に勤務することになります。生活相談員での雇用された場合は施設利用者やその家族の相談にのります。
国家資格である精神保健福祉士を取得して、就職した場合は精神障害者の生活面での支援を行っていきます。
司法業界で働く場合の仕事内容
司法業界では家庭裁判所や刑務所、少年院に勤務します。
具体的には非行に走った少年を取り巻く環境の調査や事情聴取、事件の事実関係の調査、犯行時の責任能力の有無を判断します。
高い倫理観と冷静に客観視する力が求められます。
独立・開業で働く場合の仕事内容
心理カウンセラーの中には、どこの職場にも属さず、独立開業をされる方もいます。独立開業する場合は、心理やカウンセリングの知識だけでなく、集客や経営能力も必要になってきます。そのため、資格取得後すぐに独立開業しても、経営は容易ではないことは心得ておくとよいかもしれません。
ある程度どこかの職場で心理カウンセラーとしての経験を積み、人脈を作ってから独立開業するのが賢明といえるでしょう。また、ホームページなどを作成し、自分の得意分野をアピールすることも有効です。
心理カウンセラー講座・スクール比較心理カウンセラーに関する資格
公認心理師
公認心理師は日本初の心理学に関する国家資格です。
資格取得には下記3つのいずれかを満たし、試験合格後に公認心理師としての資格登録が必要となります。
公認心理師受験資格
A: 大学及び大学院で『指定された科目』を履修し卒業
B: 大学で『指定された科目』を履修し卒業、且つ『特定の施設※』で2年以上の実務経験
C: 上記2つと同等以上の知識及び技能があると認定される
臨床心理士
臨床心理士は日本臨床心理士資格認定協会が認定している民間資格です。
資格認定から30年以上の歴史があり、社会的にも信頼性の高い資格です。
受験資格として一定の要件があり、筆記試験、口述試験の合格が必須となります。
認定心理士
認定心理士は日本心理学会が認定している心理学の基礎資格で大学で日本心理学会が指定する単位の履修後に同学会へ申請すると認定されます。
産業カウンセラー
産業カウンセラーは日本産業カウンセラー協会が認定する民間資格です。
協会が定めた受験資格を満たし、学科試験、実技試験の合格が必要です。
2019年度の試験の合格率は62.3%なので難易度は高くないといえるでしょう。
メンタルケア心理士(R)
メンタルケア心理士(R)は医療福祉情報実務能力協会が認定試験を実施し、メンタルケア学術会と生涯学習開発財団が認定する民間資格で、カウンセリングの基本技法や精神解剖生理学、精神医科学を学ぶことができます。
受験するには協会指定の講座を受講が条件となっています。
心理カウンセラーの仕事をするには資格が必要?
必ずしも資格取得が必須ではありません。
心理カウンセラーの仕事をするためには、必ずしも資格取得は必須ではありません。しかし、学校や病院などの職場では、公認心理師や臨床心理士の資格取得を必須条件としているところが大半です。また、一般企業で働く場合も、公認心理師や臨床心理士、もしくは産業カウンセラーの資格が必須となってくるでしょう。
心理系の公務員として働く場合は、特に心理系の資格が必要ではありません。ただし、採用時に専門性が高い人が望まれる場合もあるので、資格を取得しておいて損はないでしょう。独立開業する場合も、公認心理師・臨床心理士・産業カウンセラーなどの信頼性の高い資格を取得しておくことで、自分のスキルを証明することができます。心理カウンセラーの求人自体が少なく、心理職として働くのは狭き門とも言われていますので、信頼性の高い資格をどれか1つでも資格取得しておいた方が良いでしょう。
心理カウンセラー講座・スクール比較