医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)とは
40年もの歴史がある資格
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)は、40年にわたる歴史を持つ日本医療教育財団が認定している資格です。
「医療事務技能検査試験」に合格すると「メディカルクラーク®」と名乗ることができるようになります。
レセプト業務や窓口業務など、医療事務に必要な知識があるという証明になり、数ある医療事務の資格のなかでも受験者数や合格者が多く、医療事務を目指す人にとって「スタンダード」といえる資格です。
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)の概要
- 主催団体
- 一般財団法人 日本医療教育財団
- 試験区分
- 民間資格
- 受験資格
- 特になし
どなたでも受験可能 - 合格率
- 60%程度
学科・実技試験の得点率70%以上で合格 - 出題内容・形式
-
▽学科
1.医療保険制度
2.高齢者医療制度
3.公費負担医療制度
4.介護保険制度
5.医事法規一般
6.医事業務
7.診療報酬請求業務/医学一般/薬学一般/診療録(※医科もしくは歯科を選択) ▽実技I
コミュニケーション(医事課患者応対) ▽実技II
診療報酬請求事務(※医科もしくは歯科を選択) - 日程
- 月1回実施
- 検定料
- 7,700円
- 問い合わせ先
-
一般財団法人 日本医療教育財団
http://www.jme.or.jp/exam/mc/index.html
〒101-0064 東京都千代田区猿楽町2-2-10
TEL:03-3294-6624 - 受験地
- 各都道府県内の公共施設等
- 補足情報
- 医療事務技能審査試験(メディカル クラーク®)は、数ある医療事務の資格の中でも知名度が高い試験です。 医療事務は必ずしも資格が必要な仕事ではありませんが、資格を取得している方が就職に有利になるでしょう。
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)の試験内容
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)の試験内容は、「実技I」(2問/50分)・「学科」(25問/60分)・「実技Ⅱ」(4問/70分)の3つに分かれており、全て筆記による在宅試験で行われています。
「実技Ⅰ」の試験
病院機関などの窓口対応で実際に求められる、患者さんとの適切なコミュニケーションについて問われる試験内容となっています。
具体的な内容としては、電話や窓口で患者さんから実際に質問されるような想定の問題を、どのように適切に回答するかを文章で記述する問題となっています。
「学科」の試験
医療事務の基本的な知識を問われる試験内容で、25問の選択式の問題となっています。
問題は全部で7科目で構成されており、科目は下記のようになっています。
学科(7科目)
1.医療保険制度
2.高齢者医療制度
3.公費負担医療制度
4.介護保険制度
5.医事法規一般
6.医事
7.医科・歯科選択(診療報酬請求業務・医学一般・薬学一般・診療録)
「実技Ⅱ」の試験は実際の診療報酬請求事務の業務で起こる診療報酬明細書の点検をおこなう試験内容になります。
カルテとレセプトを確認しながら誤りを訂正する問題が4問出題されます。
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)の難易度と合格率は?
合格率は約7割
最近の医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)の合格率を調べました。
2016年の合格率は63.7%と低めでしたが、2019年の合格率は79.5%でした。
直近4年以内の合格率の平均値をならしていくと約70%前後になります。
毎年約21,000人~38,000人もの方が合格をしています。
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)で問われるスキル
窓口・受付で患者に対応出来るコミュニケーション能力である「患者接遇」、および保険診療の診療費を計算し請求する「診療報酬請求業務」(以下、レセプト作成業務)です。
とくに、レセプト作成業務は、保険制度に関する知識や医療用語など、医療事務独特のスキルが求められます。
独学は簡単ではない
医療事務の未経験者がレセプト作成業務を独学するのは簡単ではありません。
診療報酬点数は2年ごとに改定されるため、最新の知識についていく必要もあります。
手書きのレセプトに手間がかかる
現役で医療事務として働いている方も医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)を受けることがあるようですが、普段レセプト作成業務を行っていても、この試験の際に「手書き」のレセプトを作るのに手間取ってしまうということもあるようです。
学科試験、実技試験どちらも合格のためには70%の正答率が必要です。
確実に合格を目指すなら講座受講がおすすめ
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)に確実に合格したい方は、通学講座や通信スクールでしっかりレセプトの作り方や読み解き方を学び試験対策を行いましょう。
スクールなどを活用し試験対策ができていれば、ほかの医療系資格と比べて難易度はそれほど高くありません。
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)は年12回開催しているので、合格するまで何度でもチャレンジしやすいのもメリットでしょう。
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)の勉強方法
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)の合格を目指し勉強する場合、テキストなどを利用し独学で勉強をする場合と、通信講座やスクールなどを利用して合格を目指す方法があります。受験する方の環境に合わせて選んでいくことが重要になりますが、それぞれのメリットやデメリットを合わせて解説いたします。
独学のメリット
独学で勉強することの大きなメリットは自分の環境に合わせて自由に学習ができる点が大きいでしょう。
どのくらいまでに合格を目指したいかなど、自身の都合に合わせながら期間などを設定することで計画的に勉強に取り組むことが可能になります。
コストを安く抑えることができる
一般の書店等では販売されていないですが、講座などを行っている会社からテキストや問題集なども購入することもできますので、通信講座やスクールに通学するよりはコストも抑えることができるでしょう。
すでに医療機関の医療事務などで働いていており、スキルアップなどで受験を考えている方は、独学で取得される方も多い傾向にあるようです。
独学のデメリット
反対に独学で受験するデメリットとしては、医療事務のお仕事が未経験の状態で資格取得を目指す場合は少し難易度が高いと言われています。
実技のイメージがつきにくい
「学科」試験などはテキストで学べる部分も多いですが、「実技Ⅰ」「実技Ⅱ」の試験は実際の場面を想定された接遇問題や、実際のカルテやレセプトを見ながらの診療報酬明細書点検など実用的な問題になりますので、イメージなどもつきにくく難易度が高く感じられる場合もあるようです。
通信・通学講座を受講するメリット
通信講座やスクールに通学する場合ですが、通信講座やスクール通学の最大のメリットは、わからない事を誰かに確認できる点でしょう。
すぐに確認できる
医療技能審査試験(メディカルクラーク®)は医療の現場で使われる専門的な知識などもたくさん覚える必要があるため、常に誰かに聞いて確認することができる環境は資格取得への大きなメリットです。
通信講座であれば費用を抑えながら自身の都合に合わせた学習をサポートしてくれますし、スクール通学をする場合であれば一緒に受験する仲間と勉強することで高いモチベーションを維持しながら取得を目指すことができるでしょう。
講座選びはしっかり確認をする
通信講座やスクールに通学しての勉強は、勉強にかける時間や金額等に問題がなければ大きなデメリットはないとも言えますが、その後の就職を目指している方は就職の相談やあっせんをしてくれるスクールもありますので、講座やスクールを選ぶ際はしっかり確認をすることをおすすめします。
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)に合格するためのコツ
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)の難易度や勉強方法などについて解説してきましたが、合格するためのコツなどはあるのでしょうか。
実際に合格された方の情報などから合格までの方法やコツをまとめてみました。
①自分にあった勉強方法を選ぶ
合格への勉強方法で独学や通信スクールなどのメリットデメリットも解説いたしましたが、まずは自分にはどの方法で勉強するのが向いているかを選ぶ必要があるでしょう。
医療事務の経験・未経験、日頃の勉強時間をどれほど確保できるのかなどによって勉強の環境は大きく変わることが考えられます。
マイペースで勉強を進めたいか、決められた期間でしっかり勉強して早く合格を目指したいかなど、計画を持って勉強方法を選ぶことで合格への近道になります。
②テキストや問題集を繰り返し解く
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)は在宅試験なこともあり、資料をみながらの試験が可能です。
ですので、暗記の作業に力を入れるよりも問題集を繰り返し解いたり、テキストを読み込むことでどのようなポイントが出題されるかを理解することが大切という感想も多いようです。
実践を意識して問題集を繰り返し解くことで、本番時の時間配分なども意識できるようになるでしょう。
余裕を持って本番の試験に臨むことができるように対策をしていくと良いでしょう。
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)の合格は就職に有利か
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)に合格すると、履歴書に「メディカルクラーク®」と書くことができるため、採用担当者に対して、医療事務に関する基本的な知識とスキルを有していることをアピールできます。
メディカルクラーク®の主な仕事は受付・窓口での患者とのコミュニケーション、およびレセプト作成業務です。メディカルクラーク®は、医師や看護師と患者の架け橋になるような仕事も多く、医療用語や医療書類の読み解き方もマスターしています。
これらのスキルはどの病院・クリニックでも確実に必要とされるものです。
メディカルクラーク®は意味が無い資格か
近年、医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)に合格してメディカルクラーク®になる方が増えているため、需要過多でこの資格にそれほどのメリットを感じないと言う方もいるようです。
しかし、医療現場は慢性的に人材不足で医療事務の求人も常にあります。
即戦力と評価される可能性も
「未経験可」「資格不要」と間口を広げて募集されている状況のため、有資格者が採用面接で有利になる可能性があります。
医療事務の場合、未経験者がレセプト作成業務や医療用語に関する知識を覚えるまでは半年ほどかかりますので「メディカルクラーク®」を有していることで「即戦力」として評価される可能性があります。
勉強の継続が必要
とくに診療報酬点数は2年ごとに改定されるため、医療事務職は常に勉強が必要です。
近年に医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)に合格された方は、最新の知識を得ていることの証拠を有していることになります。
雇用先の病院やクリニックにとっては特に採用したい人材になれるのではないでしょうか。
まとめ
医療事務の資格をとろうかなと考えたときに、まず目につく医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)をご紹介しました。
これまで多くのメディカルクラーク®を輩出しているため、すでに信頼性が高い医療事務の資格です。
高齢化が進むにつれて医療事務の求人は増え、需要は増していくはずです。今からチャレンジし、メディカルクラーク®として活躍する人になっていきましょう!
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監修者プロフィール
東京三洋電気株式会社エレクトロニクス事業部マイコン応用センター退社後、レセプト専用コンピュータ(医科・調剤)販売会社入社。インストラクターに転身。
その後、一時中断をはさみ、2009年から医療事務講師を務める。・・・ [続きを読む]