通信制大学は学歴にならない?就職時の履歴書にはどのように書けばよい?
通信制大学は学歴として評価されないのではないか、そのように心配される方もいらっしゃるでしょう。
今回は、通信制大学が学歴として評価されるかや、履歴書の書き方について詳しく解説していきます。
通信制大学への入学を検討中の方はぜひご一読ください。
最終更新:2025-12-15 16:00
通信制大学はれっきとした「学歴」になる

通信制大学は法律で認められた「学校」
通信制大学は、文部科学省が認可した正式な学校です。
そのため、卒業すれば学歴として正式に認められます。
通信制大学は1947年に学校教育法で制度化され、その3年後には大学教育課程として文部科学省の認可を受けました。
通信制大学には、学ぶ目的や入学資格によって正科生、科目等履修生、聴講生、特修生といった学生区分があります。
その中の正科生として入学し、卒業すれば最終学歴は大卒(学士)となります。
通信制大学で大卒資格を取るには
それでは、大卒資格を取るための方法を詳しくご紹介します。
学生区分
前述のとおり、通信制大学には、次のような学生区分があります。
(大学によって名称が異なる場合や、募集がない場合もあります。)
- 正科生
- 科目等履修生
- 聴講生
- 特修生
大卒資格を取るなら正科生で入学
大卒資格を取るためには、正科生という正規の過程を選択し、卒業する必要があります。
卒業すると、所属学部に応じた学士号が授与され、大卒として認められます。
入学には高卒資格 or 同等の認定が必要
大学に進学するには、基本的に「高校を卒業していること」が条件になります。
高校に進学していない場合や中退している場合は、高等学校卒業程度認定試験に合格することで、高校卒業と同等の学力があると認められ、大学入学の資格を得ることができます。
また、大学によっては、その他の条件で「高校卒業と同等の学力がある」と判断され、入学が認められる場合もあります。
まずは志望する大学の入学要項を確認してみましょう。
通信制大学講座・スクール比較就活時・転職時の履歴書の書き方

履歴書に通信制とわかるように書く
次に、通信制大学を卒業後、就職や転職の際に提出する履歴書の書き方をご説明します。
書き方の例
基本的な書き方は下記のとおりです。
○年○月 ○○大学 ○○部 ○○学科(通信教育課程)入学
○年○月 ○○大学 ○○部 ○○学科(通信教育課程)卒業
まだ卒業していない場合は「卒業見込み」、在学中の場合は「現在、○年次 在学中」のように記入するとよいでしょう。
大学名・学部・課程は正式名称を記載
履歴書に「通信教育課程」と記入することは義務ではありません。
しかし、後日提出する成績証明書類や卒業証明書には「通信教育課程」「通信教育部」などと記載されるのが一般的です。
そのため、履歴書を書くときには大学・学部の正式名称や課程を明記し、学歴に関する誤解やトラブルを避けた方が無難だといえます。
注意点
また、企業や担当者によっては「通信教育課程」の言葉が書かれていなかった場合に、学歴詐称だとみなす場合もあるようです。
通信制大学は正式な学歴です。
隠したり嘘をついたりして後々トラブルにならないよう堂々と記載し、通信制大学で学んだことや意欲をアピールした方がよいでしょう。
通信制大学は就活時に不利?評価されない?

大卒扱いとして評価される!
大卒枠で採用される
履歴書に「通信教育課程」と書くのをためらうという方は、就職に不利になったり、正当に評価されないのではないかと心配されているのではないでしょうか。
通信制大学は正式な大学であり、学歴のうえでもきちんと大卒枠で採用されますのでご安心ください。
高卒・専門卒の場合と比較しても就職の幅が広がるでしょう。
学習意欲や自己管理能力を評価されることも
通信制高校の“卒業しやすい”というイメージが重なるためか、「通信制大学も簡単に卒業できるのでは?」と誤解されることもあります。
しかし、実は、通信制大学の単位取得は容易ではなく、卒業できない学生の方が圧倒的に多いのが現状です。
卒業には継続的な学習や自己管理など、相応の努力が求められます。
近年はこうした実態が少しずつ認知され、通信制大学のカリキュラムを最後までやり遂げた自己管理能力と学習に対する主体性を高く評価する企業も増えてきています。
アピールポイント
通信制大学だからといって引け目を感じる必要はありません。
就職活動の際、「どうして通信制大学を選んだのか」を相手が納得できるように答え、努力して学んだことや意欲の高さを積極的にアピールしましょう。
通信制大学のメリットとは?どのような人におすすめ?

自分の学歴にコンプレックスがある方
さまざまな事情で中卒・高卒で進学をあきらめた方、あるいは大学に入学したものの中退してしまったという方もいるでしょう。
人それぞれ状況は異なります。
学歴ですべてが決まるわけではありませんが、なかには自分の学歴に引け目を感じてしまう場合や、大卒でないために職場での昇進が不利になってしまうケースもあるでしょう。
そんな方におすすめなのが通信制大学です。
通信制大学の大きなメリットは、働きながら大卒資格を取得できること。
通信制大学で学ぶことは知識やキャリアの幅を広げるチャンスにもなります。
資格取得に向けて大卒を目指す方
資格取得のために通信制大学に入学する方も多くいます。
たとえば、受験資格として大卒程度の学歴などを求める国家資格を目指す場合、まずは大学で必要な単位を修得し、学士号を取得する必要があります。
また、教員免許や司書の資格など、大学で定められた科目を履修することで取得できる資格もあります。
通信制大学であれば、オンライン授業やテキストによる学習を中心に、働きながら自分のペースで資格取得を目指すことができます。
通信制大学で取得できる資格一覧
通信制大学で取得できる資格の例を以下にご紹介します。
▼ 指定科目の履修で取得できる資格(試験なしで資格を取得)
▼ 指定科目の履修により受験資格を得られる資格
▼ 指定科目の履修+実務経験により受験資格を得られる資格
- 公認心理師(指定科目の履修+大学院 or 実務経験)
- キャリアコンサルティング技能士(指定科目の履修+実務経験で2級の受験資格)
取得可能な資格は大学により異なります。
また、目指す資格によってはスクーリング科目の履修が必要になる場合もありますので、詳しくは資料請求などで確認しましょう。
自分のペースで学びたい方
通学制の大学では、科目ごとに授業の曜日や時間が固定されているため、その時間割に合わせて通学しなければなりません。
その分、働きながら学びたい社会人や、近くに大学がなく通学が難しい方にとっては、どうしてもハードルが高くなってしまいます。
一方、通信制大学なら時間や場所の制約がほとんどありません。
eラーニングを中心に学べ、自分のペースで計画的に学習を進められるのは大きなメリットです。
スクーリング
目指す資格や履修科目によっては、スクーリング(面接授業・対面授業)が必要になる場合があります。
また、たとえば通信制大学で1年次入学から卒業を目指す場合は、卒業に必要な124単位のうち30単位以上はスクーリングで単位を修得するように大学通信教育設置基準で定められています。
以前は、スクーリングといえば大学や主要都市の会場に足を運んで授業を受けるというイメージがありましたが、近年はオンラインでスクーリングを受講できる大学も増えてきました。
なかにはオンラインスクーリングだけで卒業できる通信制大学もあります。
関連記事 スクーリングなしで学べる通信制大学11選!社会人におすすめの大学を紹介
学費をできるだけ安く抑えたい方
多くの通信制大学は通学制の大学より学費が安く設定されています。
また、基本的に通学の必要がないため、交通費や住居費などの負担が少ないのもポイントです。
働きながら学べるため、収入を途切れさせずに大学卒業を目指すことができます。
「学び直したいけれど費用面が不安」「できるだけコストを抑えながら大卒資格を目指したい」という方にとって、通信制大学はコストパフォーマンスの高い選択肢といえるでしょう。
まとめ
通信制大学は正規の大学であり、卒業すれば大卒として扱われます。
履歴書にも一般の大学と同じ形式で記載すれば問題ありません。
通信制大学で学ぶ意欲や自己管理能力を評価する企業も増えています。
働きながら大卒資格を取得したい方、自分のペースで学びたい方にとって、通信制大学はとても適した進路といえるでしょう。
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